BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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蒲郡レディチャンTOPICS 4日目

THE勝負駆け①予選トップ争い
“圧当”チヒロ64

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 圧倒的トップ当選! 現在、7Rが終了した直後にこの記事を書いている。もっと早くに書きはじめてもよかった。6Rの⑥遠藤エミが4着に敗れた瞬間、大山千広に予選トップの当確ランプが点ったのだ。たとえ11Rの千広が⑥着だったとしても、暫定2位・田口節子にも同3位・遠藤エミにも抜かれることはない。当欄を担当してからSGでは何度か経験したと思うのだが、女子のビッグレースで「4日目前半でトップ当確」というスピーディーな決着はまったく記憶にない。5戦5勝だから当たり前ではあるが、それほど今節は千広64号機の勢いが抜けていると言えるだろう。
 うーん、あとはもう書くことが少ないな。準優の1号艇争いまで範囲を広げると、7R終了時点で予選2位も田口節子に決まった。これもかなり早い決着だが、要するに「いつもなら暫定1位vs2位あたりの争いが最終盤までもつれるのに、千広が千切り過ぎて縦長の展開になった」ということ。7R終了時の予選ポイントは「千広が5戦50点、田口が6戦51点」なので、11Rの千広が何らかのアクシデントで0点または減点だった場合のみ、田口が繰り上がりのトップ当選となる。この11R(①着でも⑥着でもトップ当確という状況下で、千広がどんなモチベーションで実戦に臨むのか。それなりに難解ではある)については、レース後にまた記すとしよう(笑)。
(数時間後)
★今日のチヒロ64

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 その11R、千広が負けた。2コースから今日もスリット直後にグイグイ出て行ったが、逃げる中谷朋子を差しきれずにバック3番手。一旦は2番手に浮上したものの、2周1マークの全速マイが真横にぶん流れ、大きく態勢を崩してパーフェクト優勝の夢は潰えた。
 あのターンミスは、今節はじめての競り合いでレース勘が鈍っていたのかも?(笑) 見ようによっては、2番手の岩崎芳美だけでなく先頭の中谷まで一気に追いつこうとする強引な握りマイにも思えたのだがどうか。まあ、今節のチヒロ64は超高性能の精密機械のように完璧な勝ちっぷりばかりだったから、ひどく人間臭い姿にも見えたな。この3着によって肩の重みも少なからず凝りほぐれたことだろう。
 残り2日、おそらく2つのレースをインからひたすら逃げるのみ。スリット隊形でよほどの乱れが生じない限り、インのチヒロ64を上から叩き潰せる敵はいない(キッパリ!)。さらに千広は、この4日間ですべて10R~12Rの調整&レースを経験している。それらのアドバンテージと大山千広のターンスピードを加味すれば、頂点に立つ可能性は現時点でも70%以上だと私は思う。

THE勝負駆け②準優ボーダー争い
5・40のシンデレラ

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 トップ争いは異例の早期決着となったが、準優ボーダー争いにもちょっとしたサプライズが発生した。昨日までの18位ボーダーが6・25だからして、取材班は「最終ボーダーは落ちても6・00までか」と想定していた。ところが実戦がはじまると落ちるわ落ちるわ。5R後は5・60→8R後には5・50!! 昨日まで圏内だった寺田千恵や平高奈菜の脱落のみならず、圏内に踏みとどまった面々も地滑り的にポイントを下落させ、てんやわんやの大混戦モードになってしまった。

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 10Rでは、さらにボーダーを引き下げる“事件”が発生する。5コースの渡邉優美がトップスタートから一気に絞めまくったところ、舳先ひとつで抵抗した遠藤エミを圧し潰すような形となって遠藤が転覆。辛い裁定ではあるが、2着入線した渡邉に不良航法-7点が課せられて5・40=18位までランクを下げた。今節の優美は抜群レベルのパワーそのままに力強い走りを見せてきただけに、実に残念な減点ではあった。が、不幸中の幸いでギリギリ18位に踏みとどまったのは嬉しい限り。今日の事故は不可抗力的な要素が強く、優美の絞めまくり自体に不備はなかった(←あくまで私見だが)。明日までにスパッと気持ちを切り替えて、行き足の強烈な73号機とともに大外から存分に暴れてもらいたい。

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 で、今日の勝負駆けMVPは、ほぼ絶望的なポジションから一気に圏内に食い込んだのが高田ひかるだ。昨日まで37位だった高田は、今日の2走を①①着と奮闘しても5・83まで。想定ボーダー6点の段階で黄信号が点っており、しかも今日の1Rで2着に敗れた時点で「ほぼアウト」と見ていたものだ。
 が、ひかるは諦めない。後半8Rは2コースから鮮やかな差し抜けで10点ゲット。予選成績を5・50まで引き上げ、下がり続けるボーダーラインをがっちりと鷲づかみにした。最終的には、昨日から20人をゴボー抜きしての17位当選! 1号艇のない2走での2・1着は天晴れだったし、それを実現させた強力なストレート足は準優6号艇でも侮れない存在と言えるだろう。F持ちのひかるが全速のスタートを決めることができれば、という条件付きではあるが。(photos/シギー中尾、text/畠山)