BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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児島ダービーTOPICS 初日2日目

太鼓判SSパワー

 昨日のインコースは「4カド祭り」の煽りで5勝に留まったが、今日は盛り返して8勝の固め打ち。ただ、今節はいつものSGより4カドが覗く光景がやたらと目立つので、明日以降もセンター筋からの穴目が随所に飛び出す可能性もある。本命党も穴党もハラハラできる、予断を許さぬスリリングなシリーズと言えるだろう。

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 さて、昨日は4カド祭りの理由をあっさり「分かりません」で片づけたが、少なくとも4カドからまくりきった3選手はどれもパワーが強烈だ。今日のレースを見てはっきりそう確信した。
 まずは、戦前から節イチ候補と謳われた田村隆信70号機。今日はイン逃げ楽勝で書くべきことは少ないのだが、1マークを回った瞬間に他艇をスーーッと突き放した出足は文句なし。昨日は4カドからゴキゲンな行き足~伸びを披露したから、もはや全部の足が抜群と見て間違いないだろう。バレバレでも節イチ候補のSS指名。いつもは見立てが慎重な三島敬一郎が「◎太鼓判です」と絶賛したのが頷ける。強敵が揃った明日の12R5号艇でどこまでポイントを加算できるか。期待どおりのレース足で暫定1位の座をガッチリ守るようなら、優勝に一歩も二歩も近づくことになるだろう。

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 そんな田村70号機のイン逃げ一人旅に、1マークの出口から食らいつくような勢いで2番手に進出したのが松田祐季20号機だった。これまた昨日の4カド祭りで派手なまくり花火を打ち上げた主役のひとり。今日は同じ4カドから真逆の戦法、待って待っての2番差しだったのだが、多数の引き波を超えて出て行く様は通常の2コース一番差しよりもはるかに強烈に見えた。あるいは、この出足系統の部分だけを比較するなら田村70号機より上だったかも? バック直線では田村に突き放されたので、【出足SS・直線A】のトータルSと値踏みしておきたい。

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 もうひとり、昨日の4カドまくりを決めた馬場貴也59号機もやはり力強いレース足を披露した。パワー自慢の強敵が揃った12Rで、バック5、6番手からグイグイ伸びつつ2マークの小回りターン一発で2番手に浮上。他艇がややもつれた利もあったが、岡崎恭裕や徳増秀樹などのハイパー軍団を一瞬で捕えきった回り足~出足は天晴れの一語。もちろん、バック直線の追い上げ足も上々で、全部の足が強力と見ていいだろう。【出足S・直線A】でトータルA+あたりか。4カドまくりを決めた3人は、やはり只者ではなかった。

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 選手的にもパワー的にも狙い続けたいのが白石健21号機。2マークの馬場パワーに目を奪われたその12R、スリットから馬場より軽快に出て行ったのは5コースの白石だった。伸びなり全速のまくり差しは引き波でバウンドして減速を余儀なくされたが、あわや突き抜けるかという勢いではあった。惜しくも要所で弾んだのは、出足系統で内の岡崎より劣ったせいだろうか。ストレートはトップ級のひとりと確信しているので、明日はその出足系統をキッチリ仕上げてもらいたい。

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 さらに穴っぽいパワーを挙げれば寺田千恵23号機か。開幕レースの鮮やかなイン逃げから一転、今日は6着6着と這ってしまったが12Rで徳増とビッシリ競り合ったレース足は魅力たっぷりに見えた。この大敗で人気が暴落するようなら、こっそり舟券に絡めてビッグな配当を夢みたい。明日の2R6号艇でまさかの……?? それからそれから、ピストン2個・リング4本・シリンダーケース・キャブレター・クランクシャフトの一大手術でワースト級から中堅程度まで這い上がった吉川元浩も要注意。
 2日目を終えてのパワー番付を記しておこう。
★独断のパワー番付
SS級(節イチ候補)…田村隆信
S級(抜群候補)…松田祐季
A~A+級(上位候補)…白石健、馬場貴也、山口達也、石渡鉄兵、西村拓也、岡崎恭裕
B+級(中堅上位)…前本泰和、徳増秀樹、久田敏之、湯川浩司、柳沢一、石野貴之、松井繁、守田俊介、池永太、上條暢嵩、寺田千恵

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 え、石渡のA級は買い被りすぎ、贔屓の引き倒し?? なんのなんの、今日はシンプルなイン逃げだったけど、出口からの押し足は田村の次に良く見えましたぞ~~!

(photos/チャーリー池上、text/畠山)