BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――雨の3日目

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 今日もオープニングは1号艇のレディース! 長嶋万記だ。1マークでは差されたが、2コースではツケマイ一閃。逃げられなかったことへの複雑な思いはあるだろうが、あのツケマイは素晴らしかった。ピットに戻った長嶋は、苦笑い混じりの笑顔。いったんは差されたわけだから、安堵の思いも強かったに違いない。そんな長嶋を静岡支部の面々が笑顔で称える。長嶋の笑みはどんどんと深くなっていった。

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 結果的に抜き返されてしまったのは魚谷智之。昨日はセット交換を施して出走しているが、今日もキャリアボデーを交換。差せたのは整備が当たってきたということか。レース後は整備士さんに深々とお辞儀。まずはアドバイスをいただいた御礼であろう。そのときの魚谷は苦笑いも浮かべていて、せっかく大きな整備させてもらったのに抜かれちゃいました、って感じか。整備士さんも魚谷にお辞儀を返しながら、笑い合っていた。最高のお礼はやっぱり1着。明日は勝ってふたたび整備士さんと笑い合いたい。

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 今日は雨空となって、選手たちの調整ピッチが上がっている。プロペラ調整室は当然のように満員御礼、雨の中で試運転を張り切る選手たちも多い。川北浩貴は、自艇のカウルにもたれかかりながら、手帳を長いこと見つめていた。ベテランの域に入ってきた川北が、これまでに積み重ねてきた情報が書き込まれたメモであろう。天候一変でどんな調整をすればいいか、きっとそこにはヒントがあるはずだ。虎の巻が奏功して気配を上向かせることができるだろうか。

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 今日の調整がかえって気配アップにつながったようなのが茅原悠紀。喫煙所で一服していた山口達也のもとにニッコニコでやってきて、感触の良さを伝えたのだ。どうやら回転を上げていって、いい雰囲気になった様子。湿気が高くなって回転が上がらなくなるのがセオリーだが、茅原はそこをしっかりと調整し切ったようだ。万全で7Rを迎えられるか。

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 2Rを勝った山田康二も、調整がうまくいったと言っていいだろうか。ゴンロクを並べてしまった昨日のコメントは冴えなかったが、今日は5コースからの1着だから、気分も上がる。出迎えた深谷知博、大上卓人が笑顔を向けると、山田の目もぐぐっと細くなった。今日は7Rにも出陣ということで、レース後も緩めずに調整を続ける。昨日の大敗を一気に取り戻したい一日である。

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 さてさて、装着場の真ん中あたりに突っ立っていたら、篠崎元志がにやにやしながら目を見開いてこちらを見ている。「……ジャケット着るんですね……アロハじゃないんだ」。今日は雨が降って風が冷たいので、ピットにはジャケット着用で行ったのである。黒須田といえばアロハシャツ、は選手にも浸透しているようで嬉しいです。冬はアロハの上にレザージャケットを羽織るのだが、今日は普通のジャケットを着ていたので、それが珍しいと元志に映った様子。でももちろんジャケットの下はアロハです。と言ったら元志が笑った。スーパーイケメンに笑っていただけて何よりです。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)