２Ｒ発売中に優出選手インタビューが行なわれたため、ベスト６勢の動き出しはその後になっている。全体的にゆったりとしていたわけだが、なかでも優出インタビューで「今日はゆっくりします」と言っていた木下翔太は、まさにゆっくり。３Ｒのエンジン吊りに出てきたあとは、ボートとモーターの点検を軽く行なって、また控室へ。微調整をするのだとしても、まだまだ先のことになりそうだ。
優出インタビューで「今日は何もしません」と言っていた石野貴之は、３Ｒ発売中にプロペラを外している。やっぱり何もしないってなことはありえないか、と思ったら、ゲージとペラを持って整備室に入っていった。手にはヤスリのようなものも握られていたので、ゲージ擦りを行なうということか。といっても、４Ｒ発売中になってもまだ始めてはいなかった。いずれにしても、モーターやプロペラの調整に関しては、本当に「何もしません」ということになるのかも。
馬場貴也も、始動はまだ先になりそうだ。いち早く２Ｒ終了後には着替えてピットにあらわれ、エンジン吊りに参加していたが、その後は控室に戻っている。３Ｒ終了後も同様。ペラは外されているので、動き出しの行先はペラ調整室であろう。
前田将太もやはり２Ｒのエンジン吊りに駆けつけている。その後、すでに乗せられていたモーターとハンドルのワイヤーを結びつける作業。つまりモーターは乗せられていただけで、この段階で装着をしたということになる。３Ｒの締切が迫った頃に装着検査を受け、ひとまず次の動きの準備を整えたという感じだ。
毒島誠は３Ｒ発売中から、プロペラ調整室に出入りしたり、自艇まわりでモーターをチェックするなど、次への準備をしていた。３Ｒ終了後には江口晃生のエンジン吊りに参加。レース後の感想を口にする師匠に笑顔を向けながら、会話を交わしていた。この人に関して、１号艇のプレッシャーとか取り沙汰しても意味がないですね。当たり前のように、カタさがまったく見当たらない。
そうしたなかで、早く動いたのは松田祐季だ。優出インタビューで「朝、ペラを叩いたので、試運転して、調整する」という旨の言葉を口にしていたわけだが、３Ｒ発売中にはさっそくボートを着水。叩いたペラの感触を確かめるための試運転に向かっている。目立った動きは、まさにこれだけ。始動の早さもそうだが、目つきがこの人と思えないほど険しいものになっているのが印象に残った。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 黒須田 ＴＥＸＴ／黒須田）
