毒島誠が本体整備！ もう、毎日本体を割っている、と言っていいのではないか。たしかに昨日の足色はいまひとつであった。予選突破で、ひとまず良し、とは考えない。まさに執念であり、ある種の責任感でもあろう。ここまで日々、諦めずに本体を割り続ける姿は毒島に限らずほとんど見ないものである。結果はともかく、感服である。
早い時間帯から試運転をしている準優組も少なくなかった。９Ｒ１号艇の平本真之もその一人で、１Ｒ発売中にはいったんボートを引き上げて、次の作業に向かっている。今日は昨日より気温が上がっているので、早い段階での試運転は感触が気になるということもあるだろう。
大山千広は２Ｒ発売中に着水した。ＳＧ３節目にして初準優。少々緊張気味にも思えるが、そうだとしても自然なことだ。陸の上では、瓜生正義と話し込む回数が多かった。瓜生先輩が言葉をかけてくれるなかで戦える準優だ。多少は震えたとしても、強い気持ちで戦うことはできるはずである。
中野次郎も早めの着水だ。今節は弟子の永井彪也との絡みをよく見かけるわけだが、今日もまた永井が師匠に寄り添う場面はあった。永井にとって心強い存在となっているはずの中野だが、今日は背中を押してくれる弟子が頼もしいのではないか。６号艇ということもあるだろうが、二人でリラックス感が伝わってくる笑顔を見せていた。
濱野谷憲吾は今日もプロペラ調整に精を出す。今日も長きにわたって、プロペラ調整所の主と化すだろう。ファンタジスタももうベテランの域だから、昨日までとはまるで変わらぬ雰囲気でもある。平常心で白いカポックを着られるはずだ。
予選トップの石野貴之は、プロペラ調整以外は大きな動きを見せていない。ただ、雰囲気は今日になってぐっと引き締まってきており、ピリピリ感も伝わってくる。これはまさに石野の勝負モード。心技体機を万全に仕上げて準優勝戦に登場することになるだろう。石野がこうなると実に声をかけにくくなってくるのだが、そんな石野を見ているだけでも感じるものはたくさんある。とにかく、唸らされるのである。
女子組の暫定トップである松本晶恵。今日は松田祐季と親しく話し込む様子が見られた。珍しい組み合わせだなあ……って、98期の同期生じゃないか！ ＳＧではなかなか見られなかった組み合わせなので、一瞬わからなかったという次第。その後、落合直子と稲田浩二の絡みも見かけ、あ、これは94期の同期生かと気づく。この組み合わせもレアだよなあ。佐々木裕美を銀河系軍団が囲んで談笑、というのはよく見ます。ＳＧと女子ＧⅡが同時開催というこのチャレンジカップは、大きいレースではあまり見かけない“同期会”を目撃できる、貴重なピットなのであります。（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 池上一摩 ＴＥＸＴ／黒須田）
