BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――穏やかな空気

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 準決勝組の姿を、朝はあまり見かけられず。調整にせよ試運転にせよ、動き出しはもう少し先になりそうだ。試運転は長田頼宗。ペラ調整所と水面の往復を繰り返す。地元の砦が、早くも精力的な動きを見せていた。

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 ペラ調整は、毒島誠。3日連続の1号艇でも油断はない。隣では松本晶恵や師匠の江口晃生も叩いていて、群馬支部の結束を思う。毒島はいったん、プロペラゲージをもって整備室に入った時間帯もあった。ゲージ調整をして、さらにプロペラと向き合うということだろう。

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 瓜生正義、太田和美もプロペラ調整を進めていた。太田は1R、2Rともに大阪勢のエンジン吊りに参加しているが、終えるとペラ室に直行だ。瓜生は調整室の奥のほうで、プロペラに鋭い視線を向けていた。

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 3R発売中までの準決勝組の目立った動きは、実はこれくらい。あとは2Rのエンジン吊りのあと、田村隆信がボートを磨き出したくらいだ。田村もそうだが、プロペラがボートに着いたままという選手も少なくなく、だからなのか、ピットの空気はずいぶんと穏やかにも感じられた。

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 一般戦組。2R締切5分前。突如アナウンスが流れた。「3R2号艇、永井選手。大至急ボート移動をお願いします」。3R出走の永井彪也のボートが、まだ展示ピットに入っていなかったのだ。屋外のペラ調整所で、ぴょこんと立ち上がる永井。時間を忘れてプロペラ調整をしていたわけだ。永井は大慌てで係留所に向かい、プロペラを装着。そのときまだユニフォームを準備していなかったので、同期の島村隆幸が走った。毒島誠も真っ青のギリペラっぷりで、その毒島もペラ調整の手を止めて、心配そうに永井の動向を見守っていた。毒島も含めて、みんな笑顔だった。調整に集中していれば、こんなこともたまにはある。

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 2R3着の丸野一樹。6コースから伸びたが、届かなかった。エンジン吊りでは、今垣光太郎の言葉に神妙に耳を傾けていた丸野。そのまま控室へ消えていったわけだが、ものの1~2分でふたたびピットに姿をあらわした。白いカポックを着て。出走表を確認すると、次は5R!? なんと中2レースなのだ。グランプリの5日目(トライアルとシリーズの準優がある)にはよく見かける光景。ほかの一般戦組も中3レースは何人かいるが、中2レースは丸野だけ。しかも、水面に出た瞬間に、5Rのスタート練習が始まった。丸ちゃん、ご苦労様! 逃げ切れるといいね!(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩 TEXT/黒須田)