BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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津レディースvsルーキーズTOPICS 初日

団体戦線、異常あり

 何はともあれ、初日の団体戦(5R~12R)の結果を発表しておこう。

 紅組6-2白組!!

 過去3大会で常に劣勢を強いられていた紅組レディース軍団が、圧倒的な大差でルーキーズを蹴散らした。今日のブロック戦は紅白の枠番ハンデがなく、均等な振り分けでの圧勝だったからこの価値も高い。明日からも4ポイントの貯金をキープする展開に持ち込めば、4回目にして初の「優勝戦まで枠番ハンデなしのガチンコ勝負」が実現することだろう。

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 そんな紅組のMVPを挙げるとするなら、やはり9Rの竹井奈美か。このレースは紅組が④⑤⑥という試練を背負う番組(テニスで言うレシーブ側)だったが、最前線の4カドを任された竹井が有無を言わさぬ一撃まくり! F持ちだろうがなんだろうが、行くと決めたらとことん攻める「福岡のお転婆娘」らしい猛攻撃だった(笑)。

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 そう、団体ブロック戦で不利な外枠チームが“ブレーク”するためには、この4カド絞めまくりが最善にして最強のアタック。竹井が絞めてスロー3艇の息の根を止めている間に、最アウトの池田明美が鮮やかに連動してのマーク差し。あっという間にワンツーパンチが突き刺さり、1マークの出口で「紅組勝利」がほぼ約束された。今節はセンター筋からのまくり屋が多々存在するため、明日以降も同様の一撃ブレークシーンが見られるはず。選手たちに団体戦の意識が定着しつつある今こそ、4カド&外のマーク選手を常に警戒しておきたい。

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 一方、白組の足を引っ張った“A級戦犯”を探すなら、8Rで不良航法を犯した中村将隆になってしまうな。正直、吉川貴仁vs池田紫乃チェイスばかり追いかけていた私には、中村がどこでそれをやらかしたかまったく分からなかった。だから、ゴール通過後に【白赤白赤白赤】の着順で「白組快勝」と書き込んでもいた。ところが、しばらくたって中村の反則が判明し、2-2のイーブンから「紅組3-1白組」へと書き直した次第だ。中村には是非とも4号艇の際に、カドから豪快な絞めまくりで汚名返上してもらいたい(笑)。

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 今日の団体ブロック戦の3連単を、チーム色で表してみよう。
5R=白白白(紅組の④関野文と⑥孫崎百世が痛恨のF)
6R=紅紅紅(紅組が3着独占でキープ)
7R=白紅紅(紅組が1ポイント差でブレーク)
8R=白紅白(中村の不良航法で紅組が逆転キープ)
9R=紅紅白(竹井まくりで紅組ブレーク)
10R=紅白白(1ポイント差で紅組キープ)
11R=白白紅(白組ワンツーで余裕のキープ)
12R=白紅紅(松尾が勝つも紅組が5ポイント差でキープ)
 うーーん、実に多彩で「紅白紅」以外のすべての組み合わせが飛び出したのだな。朝の記事で「ブロック戦の基本パターンは紅紅白と白白紅」などと書いたらこの始末(苦笑)。明日は基本パターンに収束するのか、やはりバラエティに富んだ組み合わせが続くのか。早い段階でその流れを汲み取りたい。

初日成績まとめ

★紅組①②③号艇vs白組④⑤⑥号艇(全4戦)
    1着 2着 3着
 紅組 2回 3回 2回 紅組1着率50%、平均3連率58%
 白組 2回 1回 2回 白組1着率50%、平均3連率42%

★白組①②③号艇vs紅組④⑤⑥号艇(全4戦)
    1着 2着 3着
 紅組 1回 2回 2回 紅組1着率25%、平均3連率42%
 白組 3回 2回 2回 白組1着率75%、平均3連率58%


明日のブライトホース

 明日、いきなり大穴を開けるかも知れないピッカピカの若手レーサー(ダークホースならぬブライトホース)。前回のびわこ大会に続き、今節もひとりずつピックアップしてみたい。一発目はこのルーキーだ。

5035櫻井 優(埼玉・122期)
明日=2R3号艇&7R4号艇

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 今日の7Rは2コースから見せ場なく6着惨敗。1ポイント差で白組の足を引っ張る“戦犯”にもなってしまった。全国勝率は今節の全メンバーでブービーの2・59。
「そんな選手、買えるかい!」
 と一蹴する読者もおられるだろうが、見限るのはまだまだ早いのですよ。まずは、櫻井の年別の3連率と平均スタートタイミングをご覧いただきたい。

    3連率   平均ST
2018年 15・6%   0.28
2019年 15・2%   0.24
2020年 38・1%!!   0.21

 デビュー期はスタート勘がままならず、初出走からわずか1カ月でF2持ちに。ゴンロクの山を築きつつ、それでも時に舟券に絡んで大穴を提供する新人だった。徐々に全国の水面に慣れ親しんだ今年になって、3連率が一気にアップ。スタートも早いとは言えないが、やっとスリットから五分に近い踏み込みができるようになった。一言で表現するなら、デビューから2年弱の今が「成長真っ盛り」なのだ。

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 デビュー前の養成所リーグ成績は6・13。7点を超えていた若林義人(養成所チャンプ、本日Fで帰郷)や福田翔吾には及ばないが、エリート候補のひとりだったと見ていいだろう。
 直近1年間の勝ち星はイン逃げ、3コースまくり、4コースまくりの3勝のみ。もちろん、「今節もセンターからまくって勝つ」とは言い切れないが、明日は2R3号艇&7R4号艇と下剋上に相応しい舞台が用意された。相棒の58号機は31%ながら、前節の萩原善行が伸び型に仕上げて大暴れした上昇機。この機力をしっかり引き出し、さらに櫻井自身の伸び盛りの勢いがシンクロすれば、あっと驚く大駆けも十分にありえるだろう。

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 少年、三日会わざれば、刮目して見よ。
 誰もが気づいてからでは遅すぎるルーキーたちの旬。「3連率の劇的な上昇はブレークの兆し」と肝に銘じておきたい。(text/畠山)