団体戦対象ではない３Ｒは「万記姉さんに挑むほぼ20代前半の男たち」といった番組だったわけだが、これが大変なレースになってしまった。まず、４カドから好発決めた中村泰平が内を締めていき、これが２コースの豊田健士郎に引っかかったばかりか操縦を妨げさせて豊田が転覆。中村自身も落水し、あおりを食った長嶋万記が弾かれてバック水面へと飛び出てしまった。これで中村は妨害失格。長嶋も大きく遅れた４番手になった。そして、６号艇の畑竜生が２マークで先行する梅木敬太を差して先頭へ。３連単は⑥－⑤－③で424910円！ もちろん120番人気だ。
まず、豊田、中村ともに無事。４Ｒのエンジン吊りには二人で会話を交わす場面もあったから、遺恨はない。豊田は顔を合わせたときにはしかめ面で笑いかけてきて、やや傷んでいるところもありそうだが、「大丈夫です！」と声をあげている。長嶋も特に変わった様子はなく、豊田とは選抜戦で再戦だ。
やはり団体戦対象ではない４Ｒでは１号艇の浜田亜理沙が謎のスタート遅れ。なんとコンマ99！ あとコンマ01でも遅れたら、出遅れ欠場だった。ピットに戻ってきた浜田は、まさに狐につままれたような苦笑い。浜田自身、なにが起こったのかわからないといった雰囲気だった。女子選手は何人も浜田に歩み寄って事情を尋ねていて、誰もがみなアクシデントのような大ヘコみに首を傾げるのだった。
今日は何やら起こりそう！ ５Ｒから始まった団体戦も一筋縄ではいかないかもしれない。なにしろその５Ｒ、追加参戦の上田紗奈が２着で、①－⑥－④＝61160円！ 超絶ピンマン！ 波乱の予感が漂うのである。
６Ｒからは安定板が装着となった。４Ｒ終了後にアナウンスがかかり、選手たちは次々と安定板の装着作業を始めた。５Ｒの展示が終わるとすぐに７Ｒのスタート練習があり、この６人は装着作業も大急ぎだ。垣内清美が安定板を手に走っている姿もあった。
優勝戦組も、レースはまだ先だが安定板を着けて、水面に下りて行っている。板が着くことで気配が変わることもあるわけだから、それを確認し、その後の調整に活かそうということだろう。真っ先に下りて行ったのは吉川貴仁。今朝のスタート特訓で１本だけ３カドを試している。びわこを思い出すね～、と話しかけたら、ニッコニコに目を細めて「ですね～。縁があるんですかね～」。もちろん本番でも３カドを視野に入れているし、同時にスローからでも行けるようにしておく、とのこと。今節、板が着いた２日目３日目をすべて１着だから、その再現、あるいはびわこの再現は充分にある。
吉川に続いて水面に向かったのは竹井奈美。様子はいつもと変わったところはなく、粛々と作業を進めている感じ。大瀧明日香も淡々と調整にいそしんでいて、こちらも特に平常心を欠いたようなところは見当たらない。
一方、澤田尚也はちょっと緊張気味かも!? 初優出という先入観がこちらにあるにせよ、昨日よりややカタい顔つきに見える。もっとも今日は昨日よりずっと寒く、また強めの向かい風がピットに吹き込んできていて体が固まるのも当然ではある。調整に関しては、それほどあくせくしている様子は見えなかった。
で、白組団長の松尾拓、紅組団長の塩崎桐加は、ボート変更の立ち合いや安定板装着の連絡など、なかなか忙しそうだ。松尾も塩崎もペラ調整に励んではいて、順調に進んでいる様子もあるのだが、それ以外にも今日はやることが多く、団長はなかなか大変だ。
というわけで、団体戦も個人戦も、今日はドラマチックになりそうだぞ！ ５Ｒは紅組が獲って、差を広げた。ここからの行方をアツく見守るしかない！（ＰＨＯＴＯ／中尾茂幸 ＴＥＸＴ／黒須田）
