BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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男女団体戦を展望する!

 5回目の開催となるボートレースレディースvsルーキーズバトル。これまでの団体戦成績は
レディース 1勝
ルーキーズ 3勝
 とルーキーズがリードしている。過去4回の大会を振り返ってみると、この成績通り、ルーキーズがそのスピード旋回や果敢な攻撃力でレディースを上回っているという印象。それは過去4回の個人優勝にも顕著にあらわれている。
第1回(18年12月 三国)上條暢嵩
第2回(19年2月 江戸川)澤崎雄哉
第3回(19年6月 びわこ)吉川貴仁
第4回(20年2月 津)松尾拓
 すべてルーキーズから出ているのだ。ちなみに、江戸川の澤崎、びわこの吉川はこれがデビュー初優勝だった。トップクラスのレディースも参戦しているなか、当時B級の男子若手が好モーターを武器に水面を席巻した。全体的にルーキーズが優勢であることの証左ともいえる。
 過去4回の団体ポイントの推移を見ていただこう。

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 第1回は5日間開催で、予選は初日から3日目だった。その第1回と第2回は、予選でルーキーズが圧倒する傾向にあったのがおわかりいただけるだろう。第1回は優勝戦の団体ポイント=12点を2着3着5着でレディースが獲って、最終的なポイントは1点差の接戦になっているが、予選から通してみれば、ルーキーズがかなりの優勢であったのは確かだった。第2回は最終的にルーキーズがダブルスコアをつけている。
 この様相は第3回で変わってくる。予選でも男女が互角のポイント争いを演じ、優勝戦をやはり2着3着5着として12ポイントをゲットしたレディースがついに団体優勝を果たしている。
 第4回ではさらに流れが変わった。予選ではレディースがルーキーズをリードする展開になったのだ。最終的には、優勝戦で12ポイントをゲットしたルーキーズが逆転優勝を果たすのだが、シリーズを通してレディースが強さを発揮したという印象がある。
 ルーキーズが断然優勢→互角→レディースが優勢
 過去4回の団体戦の流れは、そういうことになる。

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 では、この第5回はどうなるか。まず、次のデータをご覧いただきたい。
第1回三国
レディース A1級4人 A2級8人
ルーキーズ A1級5人 A2級7人

第2回江戸川
レディース A1級0人 A2級10人
ルーキーズ A1級1人 A2級11人

第3回びわこ
レディース A1級9人 A2級6人
ルーキーズ A1級4人 A2級8人

第4回津
レディース A1級7人 A2級3人
ルーキーズ A1級1人 A2級9人

 第1回と第2回は微妙な差はあるが、おおよそ男女ともA1級とA2級の人数は同等。第2回はA級全体でルーキーズのほうが2人多いが、実はレディースには当時B2級の平高奈菜と魚谷香織がいた。実質的にA1級2人のようなものだったのだ。
 このメンバー構成で、ルーキーズがレディースを圧倒する展開になった。それを勘案したかどうか、第3回のびわこではレディースのA1級が一気に9人に! さらに第4回の津ではレディースがA1級7人に対し、ルーキーズは1人。その差はA2級の人数で補ってはいるのだけれども(しかも来期A1級の豊田健士郎や中村泰平もいた)、明らかにレディースに強豪を集結させたメンバー構成となっていたのである。これによって、流れは変わったと言える。
 では今回のメンバー構成はというと
レディース A1級6人 A2級6人
ルーキーズ A1級4人 A2級6人
 A1級とA2級の差はかなり小さくなっている。まあ、A2級に今井美亜や岩崎芳美がいたり、B2級に三浦永理や淺田千亜希、山下友貴、櫻本あゆみがいたりするので、実際はレディースの選手層がやはり分厚いのだけれども。
 A級のメンバーの差が小さくなったから、今回は男女がさらに互角に戦う団体戦になる?

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 いや、今回はさらにレディースが強力になっている可能性がある! このデータだ。
第1回三国
レディース 平均勝率 5.33
ルーキーズ 平均勝率 5.26

第2回江戸川
レディース 平均勝率 5.01
ルーキーズ 平均勝率 5.36

第3回びわこ
レディース 平均勝率 5.67
ルーキーズ 平均勝率 5.00

第4回津
レディース 平均勝率 5.47
ルーキーズ 平均勝率 4.76
 これは出場選手の直近6カ月の勝率を、各チームそれぞれで平均したもの。第1回と第2回は互角だったものが(第2回はルーキーズが上回っている)、第3回以降はレディースのほうが大差をつけて高いのだ。A級の構成メンバー以上に、団体戦の流れが変わったことに符合していると言えるだろう。そして今回はこうだ。

レディース 平均勝率 5.78
ルーキーズ 平均勝率 4.60

 なんと1点以上の大差! なにしろ、レディースで勝率が最も低いのは片岡恵里なのだが、ルーキーズは片岡より勝率が低い選手が11人もいる。メンバー的にはレディースが断然有利と言うべきだろう。

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 この差をルーキーズ詰められるかどうかは、西野雄貴や村松修二、仲谷颯仁、川原祐明、中村泰平、吉田裕平らの上位選手がいかに取りこぼさずに進められるか、そしてB級勢(特に登番5000番台)がいかに舟券に絡めるかにかかってくる。
 というわけで、ワタクシ(黒須田)は現時点ではレディースが優勢にシリーズを進めると予想します。結果は果たして!?(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)