BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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三国ボートレース甲子園TOPICS 2日目

死角ホームラン第1号!!

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 上下の実力差が激しいこの大会は、当然ながら「強い選手たちがとことん強い」という結果に偏りやすい。今節の52選手の中でSG覇者は23人。つまり【SG覇者23-他29】という比率なのだが、初日に舟券に絡んだのべ36選手の比率は【SG覇者24-他12】と圧倒的大差でSGレーサーが活躍しまくった。
 特に、1号艇以外で勝ち星を挙げた6選手の内訳は【SG覇者5-他1】(他1は超抜18号機の萩原秀人)で、コース不問で勝ちまくるSGレーサーの強さが際立つ1日でもあった。まあ、本家本元の高校野球も「複数回の優勝を誇る強豪校たちが経験の浅い相手をボコボコに打ち倒してベスト8進出」というパターンが多いから、本大会は実に“甲子園”らしいシリーズと言っていいだろう(笑)。

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 もちろん、2日目の今日も有無をも言わせぬ弱肉強食のレースが相次いだ。1Rは①岩崎芳美のピット離れの凹みに乗じて、唯一のSG覇者である②長田頼宗がインを奪って軽々と逃走。3Rは⑥白井英治が5コースに潜り込み、艇団を真っ二つに切り裂くようなまくり差しで圧勝。続く4Rは④今垣光太郎が5カドから十八番のスリット全速シャクリまくりで劇勝。後半11Rは③峰竜太の鋭いまくり差しが決まったと思いきや、最内から新米SGレーサーの⑤徳増秀樹がグイグイ伸びて2マークを制圧。チームSGの層の厚さを見せつけるスリリングかつハイレベルな好ゲームを作り上げた。

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 さてさて、こんなチームSG独壇場の流れの中で、こっそり2着に食い込んで大穴配当を演出したのが5Rの松田竜馬(鹿児島代表)だ。勝ったのは1号艇にしてエース26号機を駆る森高一真。大方の予想通りのイン逃げ圧勝で、舟券も①アタマから②中野次郎、⑤西島義則、⑥井口佳典へバカスカ売れていた。そこに、まったくの人気の盲点になっていた④竜馬(タツマ)が、5コースから大きな弧を描くまくり差しで2着を獲りきってしまったのだ。①森高-④松田-⑤西島の3連単配当は、あっと驚く189倍!! 松田が6号艇ならいざ知らず、4号艇5コースでのこのピンマン配当はまさにサプライズと呼んでいいだろう。
 そう、昨日の当欄で「人気の盲点になっているB級やA2級レーサーがひとたび2・3着に絡むだけで」的なことを書いたが、このA2松田君がそういう意味での第1号ホームランをかっ飛ばしたわけだ。ちなみに三浦敬太ら『雪国セブン』ばかりを贔屓にしている私は「森高-西島-全」という舟券のみを買っていて、この特大ピンマンホームランをただただ指を咥えて眺めておりました。情ないっす!(号泣)

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 だがしかし、今大会の「辺境選手ホームラン」がこの一発で終わるはずもなし。昨日も触れたように、明日の3日目こそがストライクゾーンど真ん中の狙いごろなのだ。ひと目でチェックできるよう、全11人のB1・A2レーサーの参戦レースを列挙しておこう。
★明日のB1・A2レーサー
1R…①鹿島敏弘(青森)、②秋元誠(富山)、⑥松田竜馬(鹿児島)
2R…②前川守嗣(沖縄)、④高橋直哉(秋田)、⑥萬正嗣(宮城)
3R…①金子和之(新潟)、②多田有佑(山形)
4R…②立具敬司(和歌山)、⑤三浦敬太(北海道)
5R…②伯母芳恒(山梨)、④鹿島敏弘(青森)
6R…②高橋直哉(秋田)、⑤秋元誠(富山)
7R…②萬正嗣(宮城)、④金子和之(新潟)
8R…⑤多田有佑(山形)、⑥前川守嗣(沖縄)
9R…②松田竜馬(鹿児島)、⑤立具敬司(和歌山)
10R…②三浦敬太(北海道)
11R…④伯母芳恒(山梨)
 ほぼ予想どおり、1~9Rのすべてに2人または3人の辺境レーサーが配置された。ある程度の着順を稼いでいる松田や三浦あたりはソコソコ人気になるかもだが、ゴンロクに這い回っている萬、鹿島、立具、秋元らはまんま人気の盲点になるはず。1Rの①-②のオッズから興味津々だし、この11人のべ22戦で誰がどこまで舟券に絡むことができるか、特に穴党の方は彼らの一挙手一投足に注目していただきたい。
 最後に、2日目を終えての私なりのパワー番付と短評をば。
独断パワー評価

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S級(超抜)
★★★萩原秀人18号機【出A・伸SS】…今日の9Rはストレート足がややダウンした分、明らかに手前の足がアップ。特に回り足が格段に良くなり、これなら枠や想定コースに合わせて手前=直線に巧くスライドできるはず。伸び足の劣化はやや残念も、ことV確率はアップしたと思う。
★★★森高一真26号機【出S・直S】…初日は1マークの展開が向かずに4・2着止まりだったが、道中で追い上げる足に並々ならぬ余力を感じた。今日の逃げ楽勝も含めて間違いなくS以上。で、このモーターはハナから全部の足が揃っているため調整も18号機より楽ちんで、Vの最有力候補だ。

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A+級(抜群)
★★菊地孝平62号機【出S・直A】…12Rの5着でやや見立てが不安になったが、伸び型を試してみたらしい節もあって3番手の評価をキープ。その伸び足がしっかり付けば、宮島グラチャンの51号機(伸び型を手前に寄せた感じではあったが)によく似た仕上がりになりそうだ。

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A級(上位)
★永井彪也29号機【出A・直A】…9Rのスリット足~3コースまくり差しの切れ味は惚れ惚れするもので、現状はやや伸び寄りながらも全部の足が水準以上だと思う。
★峰 竜太54号機【出A・直A】…例によってテクかパワーか判断が難しく、実際はA+かも。スリット足や道中の競りを見る限り間違いなく上位の一角だとは思っている。
★西島義則49号機【出S・直B】…前検では伸び型に見えたが流石の整備力でキッチリ手前に収束。現状のままでも準優6号艇→2コースで勝ち負けできるかも?(笑)
★徳増秀樹12号機【出A・直A】…や、やはりこの男が来た! 前検の起こしでは両隣に置き去り~ドカ遅れを連発して「今節は無理!」と決め込んでいたのだが、今日の5コースから勝ちきった足色は紛れもない上位。お、恐ろしい!

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 他では前検から期待している毒島誠28号機と村岡賢人32号機も上位に加えたいのだが、今日は7Rの毒島の回り足が案外だった点、今日の村岡のストレート足が昨日よりかなり劣化していた点を考慮し、現時点では次点扱いにしておく。もちろんキッチリ合えば、Aランクを超える可能性も秘めていると思っている。(photos/黒須田守、text/畠山)