BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――いつも通り!? それとも!?

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 鳴門のピットは狭く、また今回も取材、撮影に規制が設けられており、もろもろ厳しい状況となっている。今日から3日間は黒須田の素人写真にお付き合いください。3日目から池上が合流する予定です。
 と、いきなり言い訳から始まったピット記事。撮影可能場所からは整備室もプロペラ調整所もほとんど死角となっており、なかなか様子はうかがえない。というわけで、時折カメラを封印して覗き込みに行っていたら、奥のほうで赤岩善生が本体整備をしているのだった。まあ、赤岩が前検から整備に取り掛かるのは珍しいことではない。現在、ダービー勝負駆け中でもあり、気合が入る一節。いつも通りの作業に、闘志に早くも点火されていることがうかがえる。

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 手前では峰竜太がリードバルブの調整をしていた。峰といえばプロペラ調整。やはり前検日から自分の形に叩き変えることが多いわけだが、それをすでに終わらせた? あるいは評判機を引いたということで、プロペラ以外の部分に目をつけたということか。峰と鳴門オーシャンといえば、2016年の準優Fが思い出される。予選トップ通過で、いよいよSG戴冠かと思わせる好調モードのなか、まさに好事魔多しの事態となった一戦だ。その借りを返すことができるかどうかも、今節の焦点のひとつと言える。

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 地元の田村隆信は、気合の減量を行なって乗り込んできている。前節の最終日が53.3kg。そして今日が51.8kg。1週間で1.5kgは、この体重の人としてはなかなかである。そしておそらく、今日からも続けるのだろう。どこかでオレンジベストを着ることになるのでは、と想像する。かといって、決して悲壮感を漂わせているというわけではなく、粛々と前検作業を進めているという印象。今日のところは、落ち着いて過ごしているといった雰囲気だ。そうそう、中道善博さんと話し込んでいる姿が、そう、鳴門SGのピットで目撃できたのには感動しました!

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 まあ、前検日から気合が体から溢れ出ているということはそもそもないわけで、誰もが忙しそうに飛び回りながらも、リラックスしたムードはある。明日になれば目つきがぐっと険しくなるであろう井口佳典も、同期の田村と談笑したり、規制線外からカメラのレンズが一斉に自分に向けられるとふっと目元を緩めてみたり、穏やかな雰囲気が見えたりもした。

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 で、高野哲史や安河内将は、やはり緊張気味ということになるだろうか。ヤングダービーのときとは明らかに様子が違って見えるのは、決して気のせいばかりではないように思う。安河内は登番が下から2番目で、新兵の仕事もあるから、特に気を張り詰めているようにも見える。はじめの一歩は、ここに来た他の50人全員にあったわけで、彼らも明日、それを経験するわけだ。ひるむことなく、全力でぶつかれ!

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 昨年はじめの一歩を経験し、SGの常連となりつつある丸野一樹。高野も安河内も後を追いたい存在の一人だ。その丸野が、艇旗艇番置き場の近くで撮影していたこちらに、まさに艇番を片付けに来た際に、ボソっとつぶやいた。「ぜんぜん数字以上はある……」。2連対率30%のモーターを引いているわけだが、好感触らしい。「今節やれそう……やらなきゃ……そろそろね」とニヤリ笑って去っていったわけだが、これは聞き逃せない一言! SGではまだ予選突破がない丸野、今節がチャンスかも!(黒須田)