BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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多摩川レディチャンTOPICS 初日

キラービー

 今日の多摩川水面で唯一の万舟を演出したのは、58歳のグレートマザー日高逸子だった。圧倒的人気の①大瀧明日香を2コースから女王蜂のひと刺し。これだけでも殊勲と呼ぶべき勝利なのだが、今節の逸子ママはF2のハンデを背負っているから恐ろしい。この女傑の辞書には「怯む」という単語は存在しないのだろう。

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 多摩川のレディースチャンピオンでは、過去にパーフェクトVがあります。
 勝利者インタビューでこう振られた日高は、さらりと答えた。
「それはもう、30年も前のことですからぁ♪」
 正確には31年と5カ月前、27歳での快挙だった。それから16年後の大村で2度目の女王に君臨。さらに15年後の今日も大瀧、田口節子、今井美亜らの強豪を蹴散らして178倍の穴を提供。いつまで、どこまで強くあり続けるのか。
 今節の多摩川に至るまでの足跡も凄まじい。5/2に地元の若松で非常識のF(コンマ+07)を切って即日帰郷。さらに7/22に蒲郡でコンマ01だけハミ出して、激痛のF2持ちに。いや、激痛と決めつけるのは早計に過ぎる。次節の芦屋オールレディースでスイスイと予選を突破してファイナル4号艇をGET。8/1の12Rはさすがに人気の盲点になっていたが、後輩たちの大競り&乱戦を尻目にこれまたスイスイと隙間をかいくぐって優勝。3連単789倍の大穴をブチ開けてしまった。うーーーん、魔女の所業としか思えませんっ!!
 今日の日高は前半6号艇での中間着も含めて4・1着。この成績をもって「有力なV候補」などと呼ぶ気はさらさらない(なんたってF2なのだ!)が、不気味な出足が光る23号機のパワーも含めて明日以降も軽視禁物とお伝えしておこう。明日の日高は8R4号艇。1号艇の落合直子もF2持ちとあって、波乱の匂いがプンプン漂う一戦だ。怯みを知らない58歳が4カドからどんな奇手を放つのか、瞬き厳禁で見守るとしよう。

抜群パワーは3人?

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 さてさて、初日を終えての私なりのパワー評価をアップしておきたい。
初日の独断パワー番付
★★★平山智加 A+【出A・行S】
★★★守屋美穂 A+【回S・直A】
★★★細川裕子 A+【出A・直S】
★★渡邉優美 A【出A・直A】
★★塩崎桐加 A【出A・直A】
★★深川真奈美A【出B・行S】
★★佐々木裕美A【出A・行A】
★★日高逸子 A【出S・直B】

 とりあえず、Aランク(上位候補)以上に抜擢するのはこの8選手。平山と守屋はドリーム戦で勝ちきれなかったが、展開のアヤに拠る部分が大きく道中の足取りは余裕たっぷりに見えた。現時点では平山67号機がストレート寄り、守屋26号機が手前寄りという印象で、今日の実戦は守屋の回り足がキラリ光る展開だったと思っている。

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 さらにもうひとり、道中でのストレート足がバカに良く見えたのが細川裕子だった。前検のトップタイム通り、ターン出口からじわりと伸びはじめてスリット裏あたりからさらに加速していくツインカムターボ仕様。それでいてターン回りなど出足系統もしっかりしており、31%の2連対率とは別物の抜群モーターだ。三島敬一郎が「穴」に推奨したこのモーターは、初日を終えて「V候補パワー」まで昇格したと思っている。
 渡邉優美36号機などのAランク5基も、随所にキラリ光る足色を魅せていた。それぞれに特長が違っている(優美と塩崎71号機は似たようなバランス型だと思う)ので、【】内の評価も参考にしていただきたい。もうひと押しでA級昇格と見えたパワーはこの3人か。
★喜多須杏奈 B+【出B・直A】
★出口舞有子 B+【出B・行A】
★遠藤エミ  B+【出B・行A】

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 ドリーム戦を勝った遠藤31号機は「見えない所からのエグいタイミング&スピードの強ツケマイがハマった」という印象で、パワー勝ちとは思っていない。もちろん、このレベルでも十分に優出できる選手でもあり、さらなる上積みがあれば今日の3号艇12ポイントが大きくモノを言うだろう。そしてそして、案外だったのが……
★田口節子 B+?【回B・行A】?
★長嶋万記 B+?【出A・直B】?

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 はい、前検でバカに良く見えたはずのふたりが、今日は「良くて中堅上位、正味の感想は中堅ど真ん中あたり」という悲惨な足色でありました。うーーーん、気温が跳ね上がった影響も考えられるので見捨てるつもりはないのだが、今日の実戦に関しては「見立て違いっぽい」と言わざるを得ない。すいませんでした><
 最後に、人気の盲点になりそうな選手の中で、キラリパワーが3人ほど。
☆渡辺千草 穴【回り足注意!】
☆角ひとみ 穴【伸び足注意!】
☆向井美鈴 穴【出足注意!】

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 向井46号機はすでに万舟の片棒を担いでしまったので、狙って面白いのはくるくる回る千草44号機と予想だにしないストレート足を見せた角19号機だろう。明日はそれぞれ4号艇と5号艇の1回走。「ちょっと枠が遠いかも?」などと軽視していると、痛い目に遭う可能性も想定しておきたい。特に8Rの⑤角は、前出の1号艇&4号艇がF2持ちという混戦カード。今日の伸び足がまんまキープされているようなら、スリット一撃までありえるかも??(photos/黒須田守、text/畠山)