BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――早めの始動

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 ボートリフトが浮上してきて、市橋卓士の姿があらわれた。早くも水面に出ていたようで、いったん試運転を切り上げてボートを陸にあげたかたちだ。プロペラを手早く外すと、そのままペラ調整室へ。なかなか早い動き出しだ。

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 市橋のように、早めに始動していた準優組も少なくなかった。いつもより確実に早く動いていたのが地元の白井英治で、1R発売前からペラ室に陣取っていた。3R4Rあたりから動くことも多い白井にしては、いつもとは違う動きと言える。さらに2R発売中にはボートを水面に下ろしており、これは下関SGへの気合ということなのか。あるいは、仕上がりに不満ということなのか。

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 エース機・石渡鉄兵も早々から試運転をしていた。準優勝戦、もう一丁上積みを狙う、あるいはパンチをつけるのは当然のこと。勝負モードに入っての調整作業、また試運転ということだろう。ちなみに今日は昨日よりも気温が上がっている。体感では節イチの暑さと思う。その分の調整も必要になっていると思われる。

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 ペラ調整室には死角があるので、すべて見渡せたわけではないが、確認できた準優組は桐生順平、馬場貴也、仲谷颯仁。さらに2R発売中には松井繁が入っていっている。いずれも外枠組だ。やはり足の余裕の差が準優の内枠と外枠を分けている? もっとも松井は減点がなければ……であるけれども。

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 で、おそらく死角にいたのだろう、峰竜太がエンジン吊りの際、ペラ室から姿をあらわしている。彼は内枠組ではあるが、足的に目立ったというよりは技とスピードで勝ち抜いてきた印象。昨日の11Rがひとつの典型というか、2コースからの差しが届かなかったあとは5着にまで後退している。だとするなら、今日はどうしても上積みが欲しいところ。なにしろ1号艇が地元超抜男なのだ。渾身のペラ調整は続いていくことだろう。

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 寺田祥はそうした選手たちとはまさに対照的で、ゆったりと過ごしている。エンジン吊り以外にピットで姿を見ることはなく、始動はまだまだ先になりそうな雰囲気なのであった。あれだけの仕上がりだから、あとは今日の気温に合わせるだけだろう。

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 準優進出したもう一人の地元選手である谷村一哉も、自艇や整備室などの往来は見られたが、比較的余裕がありそうな雰囲気であった。そうか、山口勢3人はすべて別のレースに分散しているのか。狙うはもちろん全員優出、その先陣を切るのが9R登場の谷村だ。時間を追うごとに、気合と緊張感が高まっていくはずだ。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)