びわこヤングダービー、オープニングを制したのは春園功太だ。佐藤隆太郎の攻めにうまく乗るかたちで差し切った。レース場入りは大トリだったが、勝利は一番乗り！ レース後に感情を表に出すタイプではないという印象だったが、まくって展開を作った佐藤に対しては頭を下げてニッコリ。まずは会心の船出ということになろう。
２Ｒは吉川貴仁がまくり一撃で、初日序盤は三重支部が支配するかたちに（３Ｒで松井洪弥が逃げ切っていたら、さらに快進撃は続いたのだが）。見事な勝利ではあったものの、レース後の吉川はキリリッ！ 大きく相好を崩すことはなく、むしろ兜の緒を締め直すような雰囲気があった。
一方、冴えない表情を見せたのは、やはり松山将吾だ。初日１Ｒの１号艇は、地元が大きな期待をかけた証し。これに応えられなかったのは、痛恨であっただろう。もちろん１号艇で星を落としたことも、先々を考えれば厳しい初戦というしかなかった。それでも、後半に向けての準備を始めていた松山。９Ｒは巻き返したいところだ。
もう一人の地元・木村仁紀は、２Ｒ２着。吉川にまくられはしたものの粘って、中村泰平との競り合いを制して２番手を獲り切った。もちろん２着で納得しているはずもなく、競りになったということもあってやや荒い息遣いで視線を下げていた木村。それでも、中村がレース後の挨拶で近寄ってきたときには、「ごめんなさい」と頭を下げつつ笑顔も見せていた。今日の木村は１回乗り。明日のための調整が続く一日となるだろう。
初日ということもあって、朝から選手たちは調整に忙しい。規制線の近くにはペラ調整室の入口があって、ひっきりなしに選手の出入りが目に飛び込んでくる。整備室のほうにもペラ調整所はあって、残念ながらこちらはなかなか様子をうかがうことはできないのだが、整備室からプロペラを手に出てくる選手も少なくなく、全体的に慌ただしい空気が漂っている。写真はプロペラの形状に目を凝らす磯部誠。磯部は早い時間帯にギアケース調整に着手したようで、それを終えてモーターに装着した後に、ペラ調整に移っている。
試運転やペラ調整後に情報交換の会話を交わす選手も数多い。写真は豊田健士郎と伏見俊介。伏見は宮之原輝紀とも係留所から会話しながら上がってくる様子があった。そうそう、昨年準Ｖの豊田だが、ＧⅠは未勝利なんですよね。昨年は１着がないまま準優勝を果たしたわけだ。まずは水神祭を目指して、奮闘することになるだろう。もちろん、ＧⅠ初出場の伏見も。（黒須田）
