BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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びわこヤンダビTOPICS 3日目

サバイバル女子

 昨日の“万舟事変”(7発!)から、一夜明けた今日は1発のみ。例年のことではあるが、3日目あたりからスタートが揃いはじめてインが台頭したり、パワー劣勢だった銘柄レーサーたちが上積みに成功して巻き返したりで、徐々に堅い配当に収束するパターンに突入したか。明日も勝負がかったスター選手たちが本領を発揮して、「パワーより実力(またはコース)」という銀行レースが頻発するだろう。穴を開けるとすれば、スリットから伸びる小池修平(6R4号艇)あたりか。

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 さてさて、昨日までは汗臭い男たちのことばかり書いてきたので(笑)、今日は華やいだ記事にしますかな。女子レーサーたちがソコソコ活躍した1日だったのである。最近のヤングダービーの女子は、去年は5人が参戦して予選突破0人、一昨年は7人参戦で5人が準優入り(優出は大山千広のみで5号艇6着)と、両極端な成績を残している。総勢7人の今年はどうか。まだ準優の可能性がある選手をピックアップしよう。
 まずは大将格の大山千広。前検の気配は至って平凡で、本人も「足は普通」というコメントともにドリーム4着~4・1・4・3着と昨日の12Rオール女子戦(←初日DR戦とまったく同じくらいバカ売れ!!)のイン逃げ以外は中間着に甘んじている。

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 が、昨日のパワー評価でも【行き足B→B+】と昇格したように、ストレート系はじんわり上昇ムード。今日の6Rの追い上げ足を見る限り、サイドの掛かりもそれなりにアップしたと見ていいだろう。現状はトータル中堅上位のバランス型か。F2持ち×この程度のパワーでは心もとない限りではあるが、今日まで予選6・20=暫定15位となんとか準優圏内に留まったのは流石と呼ぶべきか。明日の千広は8R5号艇での④着勝負(推定ボーダー5・80、以下同)。準優をノルマとするならまんま4着で十分だろうが、F2のハンデを踏まえれば1・2着まで欲張って準優の好枠を得たいところ。どこまで歯を食いしばってスタートを踏み込むか、天才女子レーサーの肝っ玉に注目するとしよう。

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 同じく、明日の一発勝負で予選突破を目指すのが西橋奈未だ。昨日まで2・2着と奮闘してきた西橋だが、今日の3R2号艇は2コースから差して流れて6着大敗。好枠だけに激痛の大幅ランクダウンとなった。
 後半8Rは胸突き八丁の6号艇。なんとかポイントを挽回したい西橋は6コースからただひとりゼロ台まで踏み込み、渾身のまくり差しで先頭集団に取りついた。2マークでは「あわや2着か?」という見せ場も作ったが切り返しが流れて4着まで。昨日までの予選8・00→5・25へと急降下し、明日は7R3号艇で②着条件となってしまった。もちろん簡単な条件ではないが、今節の西橋はF持ちながらスタートがキレッキレ! 初戦からコンマ14・09・12・09とブレのない踏み込みを見せており、明日も3コースから10全速でぶん回せば活路が開ける可能性は低くない。②着では「1着のない5・80」という身の上でもあり、当然ながらアタマを取りきるつもりで猛攻を仕掛けるだろう。

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 それから、すでに準優へ黄信号が点っているものの、一縷のミラクルチャンスを孕んでいるのが高田ひかるだ。今節のひかるは5・2・4・4着と目立たないながらに着をまとめて節間成績4・50。惜しかったのは今日の12Rで、枠なり3コースから豪快な握りマイでバック2番手進出。まんま2着なら明日は手ごたえ十分の勝負駆けだったのだが、吉田裕平と関浩哉の猛追に耐えきれずに4着まで陥落してしまった。ひかるの2・3着舟券を握りしめていたファンは頭を抱えたと思うけれど、今日のところは「相手が悪かった」としか言いようがないかも。逆転を喰らったふたりの相手は、今日もやっぱりトップ級のレース足だった。
 で、この4着がどんだけ残念かと言えば、明日のひかるは6R1号艇の一発勝負なのである! 今日の接戦で3着までに残していれば、「逃げれば当確」という大チャンス。それが「①着でも5・60」という苦境に立たされたわけだが、明日はボーダー近辺の選手が枠的に厳しい番組が鈴なりだし、ヤンダビだけに減点選手が多発する可能性もありだし、ボーダーが下がる可能性はそれなりに高い。インからしっかりとスタートを決めて、イン逃げ→天命を待つ身の上になってもらいたい。ちなみに同レースには伸びーーる小池修平(同じく①着で5・60)が4号艇におり、インvsカドの火花散る空中戦もありえるだろう。

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 そしてそして、女子の中で誰よりも予選得点が高いのが、117期のダークホース出口舞有子だ。舞有子については初日のトピックで絶賛したが、今日の5Rもインからキッチリ押しきって節間2勝目をマーク。昨日の5着のツケを払う形で7・33まで浮上した。
 だがしかし、後半11Rは4コースから差して伸びてで2、3番手に取りついたものの、2マークの競り合いに敗れて4着に後退。相手は中村泰平&井上一輝という強敵ではあったが、なんとか3着6点はもぎ取りたいレース内容ではあった。この4着で6・50=暫定13位となった舞有子の明日は【6R2号艇で④着】という勝負駆け。6Rといえば前出・高田ひかるが1号艇に居座っており、場合によっては「逃げて差して」でW予選突破という可能性も残されている。その一方で、ビッグレースの4日目にこうしたやや穏やかな勝負駆けをクリアできなかった女子レーサーも数知れず。パワー的には文句なしの女子トップと思える舞有子が、その相棒の機力を信じながら平常心の戦いを挑めるか。西橋同様、ビシバシ決まっているスタート勘も味方に大きなハードルを突破してほしい。

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 さてさて、現時点での予選トップ争いについても少々。昨日まで無傷の3連勝だった上田龍星が、今日は5R6号艇の枠の遠さに抗いきれずに3着まで。まあ6枠での3着だから予選トップへの最低ノルマを取りきったという見方もできるわけで、とりあえずは龍星の4戦9・00が予選トップへの基準値となった。明日の龍星は【4R5号艇&11R3号艇】の2回走り。ここを①②着で乗り切れば文句なしの自力トップとなる身の上だが、もちろん簡単に実現できる枠番ではない。

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 もうひとり、昨日まで3連勝の関浩哉も今日は8R2号艇で3着~12R4号艇でも3着と一頓挫を強いられた。現状のパワーは「出足系統特化タイプでストレートは人並み」というムードだけに、できれば予選トップを取りきり自慢の出足をフル稼働して逃げ・逃げVに持ち込みたい相棒ではあるな。ただし、明日の関に残された最後のカードは【7R6号艇】。もしもここで大敗を喫するようなことがあれば、11Rの龍星はじめ上位のライバルたちを活性化させることになるだろう。

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 そして、私が現時点での節イチパワーと値踏みしている吉田裕平は、今日の12R2着で8・00=暫定3位のポジションをキープ。明日の勝負駆けは【4R3号艇&10R6号艇】で、今日のvs関に続いて、明日は4Rで⑤龍星との直接対決に臨む。もちろんここで龍星を圧倒するようなら10R6号艇に弾みが付くし、逆に「同期競りで共倒れ」みたいな展開になれば予選トップ争いは予断を許さぬ戦国時代に突入する。上位3者の険しい枠番を鑑みれば、「7・80=暫定6位の木下翔太が12Rをすんなり逃げきって逆転トップ」などという事態も想定しておきたい。(photos/チャーリー池上、text/畠山)