BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――走れ!

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「ひとつ上の男になって帰ります」
 誰の言葉か。峰竜太だ。ひとつ上の男? 賞金ランクも1着回数も優勝回数もぜーんぶトップなのに。もうひとつの上の男になるって? 峰がかつて時折繰り出した「脊髄反射の言葉」なのか? ようするに、特に深い考えもなくポロッと言葉を出すという(優勝戦インタビューで、「あと1走、どんな思いで走りますか?」と聞かれ、「あと1走、走りたいなって気持ちです」と答えたとか)。
 どうも峰の中で、前節の津周年(予選最終日大敗で予選落ち)、その前の常滑周年(途中帰郷)が強く引っかかっているらしい。今年は他を圧倒する成績でぶっちぎってきたが、ここへきてのリズムダウン。「俺って、こんなもんなのか?」と落胆したようなのである。それを払拭するチャレンジカップでありたい、どうやら峰はそんなことを考えているらしい。モーターの手応えも良さそうで、年末に向けてなんとかリズムを取り戻したいところ。晩秋に味わったつまずきを、今節はどう反転させられるか。

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 ドリーム組では、篠崎仁志の足色の評判が良かった。数字的には峰とか寺田祥とかのほうがはるかにいいのだが、ドリーム会見では複数の選手が「仁志が良かった」と証言しているのだ(峰は「でも僕のほうがいい」と突っ張ったけど)。仁志も感触は悪くない様子で、大きな調整をするつもりもなさそう。トライアル2nd初戦1号艇をもぎ取るべく、勝負に出るか。

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 一方、毒島誠の口ぶりに歯切れの悪さを感じずにはいられなかった。悪くないと言いながらも、どうにも不満がありそうな雰囲気なのだ。なんでもペラの形が自分とまったく違い、しかも左右の翼の形も違っていたとか(非対称)。そんなペラを叩かなければという憂鬱もあったのか? なんにしても、今日は参考外かも。明日の足色をしっかりと確かめたい。

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 ドリーム組以外で気になったのは西山貴浩。今日ははしゃいでいるところ、騒いでいるところをついぞ見かけなかった! レース場入りのときも普段よりかなり静かな雰囲気だったのだが、ピットでの動きを見ていてもそれは変わらない。背中からケツあたりをつんとつつかれて「お疲れ様です」と声をかけてくれたときも、いつもなら「今日はどこで呑むんすかーっ!」とか言ってくるのに、今日は挨拶以上は何もなし。池田浩二との絡みも見てないし。まあ、宿舎ではみんなを笑わせてるかもしれないけどね。西山は賞金ランク16位で今節を迎えた。まさにグランプリ勝負駆け! 西山貴浩の勝負師としての魂に本格的に火がついているかも。

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 女子選手に関しては、とにかく全般的に「走りまくってた!」である。モーター受領後の点検や装着作業時、移動はいつも駆け足、という選手がたくさん見られたのだ。たとえば樋口由加里。樋口は今日だけでなく、いつだってピットを移動するときには走っている。レディースチャンピオンでの「真夏のピット」でも、クイーンズクライマックスの「真冬のピット」でも。樋口は優勝してもベスト12には届かないんだけど、やっぱり優勝したら出場権あげていいんじゃないでしょうか? チャレンジできなくても懸命に頑張る女子選手を見るだに、そんな思いが強くなるのである。

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 あと、竹井奈美もよく走っていたなあ。竹井は優勝すればベスト12に届くはず。気合の一発をぜひ見せていただきたい。ブンブンまくる選手がクイクラにいたら、面白いですからね!(黒須田)