BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――初日から勝負

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 賞金ランク19位とボーダー直下で地元のチャレンジカップに乗り込んだ池田浩二。初日は5着3着。やや苦しい船出である。ということで、レース後は本体整備! 整備室にこもって、大きな作業に手をつけた。地元の大エースの苦境ということで、整備士さんたちも心配そうに池田を見つめる。池田自身も、地元の関係者たちも、何としてもグランプリのシートをという思いが強いわけだ。
 整備を終えるとプロペラ調整も行なっていて、とにかく全力でパワーアップをはかる。8R出走だったので、それほど時間が残されていたわけではなく、その途上では全力疾走でピット内を駆けまわる姿もあったのであった。初日から早くも勝負がかりである。

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 一方、18位は守田俊介。今日はセット交換を行なって1走目に臨んではいるのだが、ピットでの様子はというと、この人らしいというか何というか。切羽詰まったふうにはどうしても見えないし、序盤の時間帯もいつも通りのゆったりとした動き。後半10Rでは展開のツキもあって3着に浮上しているが、飄々としていて安堵とかラッキーとか、そんな雰囲気は少しも垣間見えないのであった。ようするに、いつも通りに戦っているということだ。

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 16位の西山貴浩は、その10Rでやはり展開に恵まれたかたちで2着浮上。初日は3着2着と上々の発進で、圏内逃げ込み態勢を着々と作りつつある。西山のキャラクターからすれば、ラッキーな2着にさぞかし浮かれているだろうと想像するかもしれないが、今日の西山はそんな様子を微塵も見せず。エンジン吊りを終えて守田に声をかけられるまでは、笑顔すら見せていなかった。それが勝負師西山の本質であるし、また2番手を走りながらもつれて後退した平本真之への配慮もあったことだろう。

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 その平本は、もともと悔しさを隠さないタイプながら、このレース後はむしろ落胆が強くあらわれていた。上平真二の突っ込みを受ける形での4着後退には、判断的な部分での反省も強かったものと思われる。そんな平本の様子を見て、慰めたのは寺田祥。平本は寺田に「1の2(1周2マーク)も難しくて……」と激しい番手争いになった場面も振り返っていた。疲れるレースだっただろうなあ。

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 この10Rの時点では、ピットはすでに閑散とし始めていた。帰宿の1便が9R終了後だったのだ。蒲郡ってそうだっけ? 居残って作業や調整をしていた選手も少なからずいて、竹井奈美は試運転を最後まで行なっていた。初日は2号艇4着で、早急な上積みが必要そう。それもあっての、調整&試運転であろう。そういえば、竹井は今節、男女あわせて登番が下から4番目の“新兵”なんですね。どちらにしても早い便で帰宿はできなかったと思われる。たっぷり走る時間は残されていたわけだ。

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 10R終了後に、モーター架台をボートリフト脇に準備していたのは、竹井と磯部誠、塩崎桐加、丸野一樹、さらには篠崎仁志。仁志はともかく、まさに“新兵”の面々だった。新兵と言いつつ、20代は塩崎と丸野のみ。竹井は104期、塩崎と磯部が105期で、丸野は109期。うーん、彼らがまだSGで新兵というのは少々複雑。ちょっと前には羽野だ仲谷だ大山だといったあたりの役割でしたからね(大山はF休みだけど)。100期台後半、また110期以降がもっともっとSGのピットを賑わしてほしいと希望する次第であります。頑張れヤングレーサー!

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 おっと話が逸れた。塩崎桐加は9Rで2着。バックではまくり差した寺田千恵と並走で、塩崎が内と有利なポジションだったが、1周2マークで捌かれてしまった。このあたりの駆け引きは寺田に一日の長があったというところか。塩崎が着替えを終えてピットに戻ると、ちょうど10R出走の新田雄史が展示を終えて工具入れを整備室へと運ぶところと重なった。

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「ヒサ(と言ったように聞こえました)、惜しい!」
 新田が塩崎に声をかける。塩崎は残念そうに、新田にうなずきかけていた。その後、新田が二言三言と話しかけ、塩崎はさらにうなずく。去年も一昨年もその前もずっと書いてるような気がするけど、若手の女子にとってSGクラスの先輩とこういうかたちで絡めるのはぜったいにデカいよね。普段以上に大きな学びになっているはずなのだ。新田の薫陶を受けて、塩崎はさらに強くなることだろう。(黒須田)

 9R終了後の1便帰宿組の様子も少し

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 先頭は市橋卓士と柳沢一の86期コンビ。これに原田幸哉、馬場貴也が続いています。

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 女子選手も続々と。

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 おっ、前本泰和&吉川昭男の70期コンビ。

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 シンガリは岩崎芳美&長嶋万記。後ろの男性が管理の係の方で、列の最後尾からきっちり選手たちを監督しているわけです。

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 蒲郡の宿舎は隣接しているので徒歩移動です。お疲れ様でした!