BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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平和島GP『前検を斬る!!』

 平和島GPの前検が終わりました! 勝手知ったるホームプール、定点観測ポイントは客としてもよく使う4F特観席のF111(ピンピンピン)、風はダッシュ勢のスリット足が分かりやすい強めのホーム向かい風、と文句なしの環境だったのですが、スリット近辺で「おおっ」と唸らせるような強烈パワーには出会えなかった。
 ま、覚悟はしてたんですけどね。今期の平和島モーターは5月から半年以上も稼働したのに、2連対率トップは45・9%。それも含めて40%台が14基も林立するどんぐり状態でしたから。前季のゴルゴ13号のような絶対エースが不在のまま現在に至った感じ。そんな中でも、私なりに良く見えたパワーをグループ別にお伝えします。
【トライアル2nd組】

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 この6人6基に関しては、3日目までの本番までにさまざまな試行錯誤とともにパワー相場が激変する可能性が高く、要らぬ先入観を捨てるために多くを語らないでおきます。現時点の足合わせで良く見えたのは、
★吉川元浩17号機=坪井康晴、吉川昭男との足合わせでのターン回り~出口の一瞬の加速感が半端なし! その先は一緒くらい。
★毒島 誠67号機=井口と合わせて出足も直線も全体的に強めに見えた。もはや臨戦態勢が整った感あり。
 このふたりをピックアップしておきます。いちばん気になる33号機=寺田祥は同朋の白井英治と合わせてぴったり同じ足色に見えました。これについては後述します。
【トライアル1st組】
 このグループは明日の11R・12Rと同じメンバーでの特訓だったので、並びと足色の気配を記しておきます。

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★11R(①瓜生②白井③新田④茅原⑤岡崎⑥西山)
一本目=123/456
※機力的に岡崎恭裕、茅原悠紀あたりに期待していたらば、白井英治の2コースからの出足~行き足がやたらと目立って見えた。イン瓜生と同体からスーッと1/3ほど覗く感じ。外からはアウトの西山貴浩が珍しくちょこっと出て行くムード。
二本目=1234/56
※茅原がスローも穏やかな枠なり4対2。ここでも白井の行き足が出色で、半艇身先行した瓜生にスーーッと追いついていく感じ。でもって、ここも西山がアウトからちょこっと伸びた。
三本目=1265/34
※おお、西山がガツンと攻めてひとりだけ極端に深い70起こし!!(他のスロー勢は100) 西山はドカッと踏み遅れたが、明日もこれくらいの気合でピットアウトから攻めてもらいたいものだ(せめてスタート展示だけでもw)。で、ここでも出足系統で目を惹いたのは白井であった。うむむ。
 補足事項としては、「白井の出足~行き足が◎」の見立てが正しければ、足合わせでぴったり互角だった寺田祥も◎という算式が成立するのだがどうか。私と三島敬一郎が期待する茅原65号機はあまり目立たなかったが、このモーターは実戦でこそ映える抜群レース足だと思っているので、現状ではまったく心配していない。

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★12R(①菊地②徳増③平本④松井⑤井口⑥前本)
一本目=123/456
※5コース井口がスリット前後で抜けていくムード。スタート練習では珍しく、他艇の起こし~スタートが遅れ加減だったせいでもある。
二本目=142/356
※松井繁の前付けでスローは100を切る起こし。菊地孝平のスタートの切れの良さ(コンマ07)とそこからの行き足がいい感じ。ここも井口がスリット突出したが、明らかな早起こしだった(フライング)。
三本目=136・5/24
※前本がゴリゴリ攻めてのスロー90起こしから、菊地が絶品スタート&ゴキゲンな伸び返し。外からはやっぱり井口が気合満点の起こしからスリットで覗く気配ではあった(フライング)。
 補足事項としては、菊地×井口の足合わせでターン回り~出口は菊地が強く、そこからは互角かやや井口。1号艇の菊地はパワー的にもスタート勘的にも、イン戦での不安が感じられなかった。ただ、⑥前本と④松井の動き次第では、過酷な進入隊形を強いられるレースではある。

【GPシリーズ組】
 このグループはいつもと同じパターンで紹介しよう。
★山口剛=25号機

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 私と三島が「トップ級のストレート足」と高く評価している25号機は、ちょいと微妙な前検だった。試運転で早々に出てきたときは、金子龍介や松井繁を相手にゴキゲンな伸び足を披露。スリット裏からグイッと伸びはじめる感じで「ちょいと後伸びかも?」というムードも25号機らしい足色だった。が、それから小一時間ほどして2度目に水面に現れたツヨポン25号は、守屋美穂との合わせでちょっと別物の足色に? ターン回り~出口で守屋を煽り、その後はずっと同じ伸び加減。
「まあ、女子力のミポリンと同じなら良しとするか」
 と見ていたところ、スタート練習では一本目こそアウトから早い起こしで飛び出したが、その後の気配は「伸びより出足?」みたいなムードが漂っていた。二本目の3コースからの出足~行き足がいちばん良さげだった気が……うーーん、山口は伸び足よりバランスを重視するタイプなので手前に寄せた可能性もあるのだが、どうだろうか。

★秦 英悟=58号機

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 やや煮え切らない25号機とは裏腹に、スリットから軽快に出て行ったのがコレ。最近の英悟はストレート系に特化することが多く、しかも相棒58号機の三島評は「行き足・伸びと直線系仕上がる傾向」だからして鬼に金棒。深川真二との足合わせではターン回りが強めだったのに、2度目に水面に現れて馬場貴也や吉田拡郎と合わせてみたらばスリット裏からの伸びが明らかにアップしていた。山口25号と真逆の調整?? この秦クンの調整がまだ途上だとするなら、明日はさらに狂暴な火の玉ストレート野郎に変貌する可能性もある。要注意!

★羽野直也=29号機

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 今節の「良く見えてしまったものは仕方がない」候補がコレ。前田将太、仲谷颯仁との同県合わせで、どっちもターン回り~出口の押し足~スリット裏までの行き足がかなり強めに見えた。スタート練習でも起こし遅れからキュンッと伸び返す感じだったし(笑)。この29号の前操縦者・高倉孝太は「福井支部・伸び軍団」の伸び~~るペラ創案者という噂もあるのだが、なぜこんなに羽野キュンの出足系統が良く見えたのか……なんだか良くわからないけれど、己の見立てを信じます、はい。

 他では木下翔太の出足~行き足、例によって湯川浩司の伸び足あたりも良さげでしたね。前検タイムです。

前検時計TOP10
①徳増秀樹★ 6.66
②市橋卓士  6.71
③秦 英悟  6.72
 深谷知博★
⑤白井英治★ 6.74
 桐生順平
⑦池田浩二  6.75
 毒島 誠★
 岡崎恭裕★
⑩仲谷颯仁  6.76
※★はGP組

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 で、出ました、泣く子も黙る前検番長が今節もブッチギリ6・66のオーメンタイム! うーーん、特訓ではまったく分からなかった。徳増はきっと速い展示タイムを叩き出す秘伝の術を会得しているんだと思います!! まあ、実戦でもちゃんと数字どおりに伸びるから不思議なんですけど。さっきも書きましたが、秦クンの時計はさらに縮まるかもなんでお楽しみに!

前検ワースト5
①稲田浩二  6.90
 西村拓也
③坪井康晴  6.88
 上野真之介
⑤須藤博倫  6.87
 長田頼宗
 峰 竜太★
 羽野直也
※★はGP組

 おっと、グランプリ組からは峰だけがランクイン? 今日の峰は単走4周だけして2周目にひっくり返りそうなくらい振り込んだのですが、まだまだ時間のある身の上、今日の段階で心配する必要はないでしょう。(photos/黒須田、text/畠山)