クライマックス組とシリーズ組の雰囲気が違うように思える。クライマックス組のほうがピリピリしているというより、「初日」と「３日目」の慌ただしさの違いということになるだろうか。「初日」を迎えたクライマックス組は、ほとんど水面を走っていない分、まずはそのための準備に忙しい。ギアケース調整をしている選手が多いあたりも初日らしく、岩崎芳美、松本晶恵、田口節子が同じテーブルで作業をしていた。
早くも本体をバラしていたのが寺田千恵だ。前検では行き足に不満がある口ぶりだったが、それを解消するための整備ということか。部品交換があったかどうかは直前情報をチェックしてください。２Ｒ発売中にはモーターを装着しており、このあと水面に向かうと思われた。
プロペラ調整に取り掛かっている選手は、遠藤エミ、細川裕子、大山千広など。遠藤はいつだってペラ室の主というほど、レース間は調整に励む。ボートはすでに水面に下りているようで、叩いて乗っての繰り返し、といういつも通りの動きを貫く一日となりそうだ。
２Ｒ発売中、香川素子がペラ室から駆け出て、係留所に向かった。荷物が蒲郡から回ってきたのだろう、今日のウェアは自前のものでした。妙な憂いはいっさい消えて、作業に集中するのみ。足落ちしていると言われる12号機の立て直しを懸命に行なっていく。
おそらく死角に入っていたと思うのだが、すでに水面にボートがある平山智加もペラ調整の模様。２Ｒ発売中に数周試運転をしているのだが、その感触をもとに叩いているものと思われる。
試運転といえば、平高奈菜は１Ｒ発売中から試運転に励んでいた。途中、係留所で今井美亜と話し込む姿も。２Ｒ発売中にはいったんボートを引き上げており、調整作業のピッチが上がっていくことだろう。
大きな動きが見られなかったのは守屋美穂。１～２Ｒ発売中に入念にボート回り、モーター回りの作業を行なっていた。ただ、２Ｒ発売中に調整用のプロペラを整備室に戻しにいっていたので、朝のうちに試運転をして、１Ｒ展示前にボートを上げていた可能性がある。大きな動きが見られなかった、のはたまたまだったかも。どうでもいいけど、２Ｒに出走した樋口由加里のボートに入った水分をタオルで拭い、力強く絞ると水がドドドっと流れ落ちた。さすが重量挙げの高校チャンピオン……って、それは関係ない？
シリーズは予選が佳境に差し掛かってきており、さらなるパワーアップ、あるいは明日につなげるための調整に誰もが懸命になっている。予選落ちは許されない長嶋万記も、９Ｒ１回乗りと時間があるとはいえ、朝からプロペラ調整に励み、２Ｒ発売中にボートを下した。ここまでは出入りの激しい着順となっており、今日はしっかり上位を獲り切って明日につなげたい。
10Ｒ１回乗りと長嶋よりさらに時間があるはずの今井美亜は、平高と話し込んでいたと先述したとおり、早くから試運転だ。２Ｒ発売中、ボートを陸に上げた今井は、そのままボートを整備室に持ち込んだ。本体整備か。２日目を終えて予選３位と好調に見えるが、足的には決して上位とは言えず、むしろよくこの成績でしのいでいると言うべきか。この整備でどこまで上積みできるか、10Ｒの気配に注目したい。（黒須田）
