5Rからの勝ち上がりは
山口剛
山本隆幸
渡邉優美
4コースから快勝の山口は、正木聖賢に出迎えられてニッコリと目を細めている。勝ち上がりもそうだが、勝ち切ったことを喜んでいる様子であった。
イン逃げならずの渡邉優美は、ただただ苦笑い。それでも、トーナメントは3着でOK! その安堵もじわじわと浮かんでくることだろう。レース後は戦った相手全員のもとに駆け寄ってお辞儀。先輩の山本や山口に対しての丁寧さは、後輩である村松修二や佐々木完太に対してもまるで変わらないのであった。素敵です。
6Rからの勝ち上がりは
一柳和孝
吉田拡郎
川原正明
川原は師匠の今垣光太郎に出迎えられて、ふたりで勝ち上がりを喜び合った。今垣の顔が実に柔和だったのが印象的だ。
一柳は爽快な表情でピットに帰還。そして、5Rの渡邉同様に、全員のもとを回ってお辞儀をしている。このレース、寺田千恵以外は全員後輩! でも一柳にとってはそんなことは関係ないようで、まるで自分が後輩であるかのように丁寧に、そしてキビキビと挨拶をしているのだった。素敵です。
菊地孝平がまさかの6着。ヘルメットをとるや、なんとも微妙な笑顔があらわれた。この大会の経験者でもある菊地は、この6着の意味をきちんと理解しているだろう。このメンバーでは最も格上の存在だっただけに、こりゃもう、笑うしかない、といったところか。井口佳典もからかうように声をかけており、菊地はさらに微妙な顔になっていくのであった。
7Rからの勝ち上がりは
赤岩善生
山田康二
松江秀徳
差し切り快勝で、赤岩ゴキゲン! ヘルメットを脱ぐや、キリリとした笑顔があらわれた。田村隆信や松江らに右手をあげつつ軽く会釈をするときも、口元には微笑が浮かんでいる。気分が上がる勝利だったか。
一方、インで3着の松江秀徳はひたすら表情が暗く、勝ち上がった選手のレース後の様子とはとても思えないのであった。何よりもまず、1号艇を活かせなかったこと、道中2番手を逆転されてしまったことなど、悔しさだけがつのるレースだったということだろう、
逆に、山田康二は逆転2着ということもあるのか、表情は明るかった。5号艇という不利枠での勝ち上がりにも満足感はあったかも。佐賀支部の二人は、実に対照的なのであった。
8Rからの勝ち上がりは
中田元泰
吉田裕平
赤羽克也
6号艇で勝ち上がりに成功したからか、赤羽はニッコニコ! 先に勝ち上がりを決めた一柳和孝に出迎えられて、笑顔を交わし合っている。
3コースからの快勝に、中田もまたニッコニコ。出迎えた森高一真の表情も柔らかく、後輩の勝ち上がりに満足そうなのであった。
吉田裕平は、やはりインで勝ち切れなかったこということで、やや複雑な結果だったか。1号艇の選手は全員が勝ち上がったわけだが、勝ったのは一柳のみ。それ以外の3人は、勝ち上がりを喜ぶような様子が見えなかった8Rまで、である。勝ち上がりも大事だが、インでは必勝というのが今の選手のサガ、ということなのだろう。(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)