BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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児島バトルトーナメントTOPICS 初日

ピン・ラッシュの予感

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 今節は新モーター&新ペラにつき、今日も機力診断とともにレースを振り返ってみたい。まず、ちょいと自慢も含みつつ、児島モーターの新エース候補は柳沢一34号機でどうでしょうか、ムフフ。前検でトップ指名したこのモーター、実戦でも半端ないパワーを魅せてくれた。
 朝特訓では「ちょっと出足系統が一息かも??」などと疑ったものだが、いざ本番ではスロー起こしから力強く加速してスリットで飛び出し、その後のストレート足は文句なし。3Rは2コースから難なく差し抜け、トーナメントの10Rはやや窮屈な4コースの二番差しからバックで伸びる伸びる。最内からぐんぐん伸びて、3艇身ほど前にいた先頭の片岡雅裕まで捕えきってしまった。あの追い上げ足には、スタンドのあちこちから「おおぉぉぉっ」という唸り声が響いたほどだった。

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 もちろん、今節はお休みのモーター(59~72号機、次節で登場予定)も多々あるし、たった1日の実戦をもって「エース間違いなし」などと見得を切るつもりはないが、「最有力候補のひとつ」というポジションを決定づける連勝だったと思う。今日のヤナピン34号は外枠もありながら2戦ともスロー発進。今節中にダッシュ戦でのスリット足も拝んでおきたいところではある。現時点の鑑定はS+【出S・直SS】。
 さて、前検で推奨した他の面々は、トーナメントでの明暗が分かれた。昨日の番付と今日の成績は以下のとおり。

S級(抜群候補)
★★柳沢一34号機=1①着
A級(上位候補)
★山口剛48号機=①着
★田村隆信38号機=④着
★平尾崇典56号機=1⑥着
★末永祐輝21号機=④着
★森高一真46号機=4①着
★片岡雅裕18号機=②着
※丸囲みはトーナメント

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 これまた手前味噌だが、前検の2番手指名・山口剛48号も素晴らしい実戦足だった。昨日の時点では柳沢より手前の部分を高く評価していたらば、今日はストレート足も力強くて全部の足が強いバランス型に見えた。「4コースの2番差しからバック伸びて1着」という展開も10Rの柳沢に酷似しており、とりあえずはアンチ34号の一番手と値踏みしたのだがどうか。あ、ただ、今節の山口の29番ボートは2連率2位の銘柄艇で、その“ボートパワー”が加味されている可能性も念頭に置いておきたい。

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 そしてそして、6号艇から1着でセミファイナルに突き進んだのが12Rの森高一真46号機だ。前付けで4コースに潜り込み、コンマ04の電撃スタートから自力で攻めたててのまくり差し一閃。勝因としては明らかに「スタート勝ち」ではあったが、90mの起こしからスムースに加速した出足~行き足のツナギは私の期待に反しない優良パワーだった。

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 レース後の枠番抽選で、またしても緑の玉を引っ張ってしまった森高。明日こそは掛け値なしの1着勝負でもあり、ピットアウトからシャカリキ攻めたてる姿が見られるだろう。機力だけで言うなら、80m起こしでも持たせるだけの出足は備えている。

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 もうひとり、昨日のA指名から片岡雅裕18号機もしっかり生き残った。こちらは1号艇での2着惜敗。むしろ悔しいセミファイナル入りだったと思うが、今日のところは相手(ヤナピン34)が悪かったと言うしかない。バック直線~2マークの厳しい展開から後続を抑えきった実戦足は、それなりに見どころがあったと思っている。「全部の足がちょっとずつ強めのバランス型」と鑑定したが、9R2号艇の明日は展開一本で十分に勝ちきるだけのパワーは秘めている。6号艇の森高先輩と喧嘩しなければ、だが(笑)。

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 一方、A評価を授けた6選手のうち3人がトーナメントで4着以下に敗れ去った。私なりの勝手な敗因をあげておくと、末永祐輝21号機は6コースの遠さが響いた(⑥菊地が動かず、穏やかな枠なり3対3になっては厳しい)。地元の平尾崇典56号機はスタートで攻めきれなかった。ピット離れが悪く、スタート展示でスロー4コース→本番はなんとか4カドという変化が影響したかも知れない。末永も平尾もパワー的にはセミファイナルに進出できるだけのストレート足はあったと確信している。
 機力的に「おや?」と思わせたのが7Rの田村隆信38号機だった。昨日は「出足~行き足のツナギがGOOD」と評価していたのだが、今日はトップタイの展示時計さながらストレート系に寄っていた。その分、ターン回りでやや滑っている感があり、追撃が利かなかったのではないか。残念ながら復活戦に回った田村だが、明日も同じ3号艇でどんなレース足を見せてくれるか。高いポテンシャルを感じる38号機だけに、仕切り直しでしっかりチェックしておきたい。

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 さてさて、今日の実戦を観て新たにAランクに加えるべき選手をふたりだけ紹介しておこう。
★一柳和孝13号機…6Rでインから逃げきっただけ、とは言え、今日の展示タイムも田村、末永に並ぶトップタイだったし、1マークのサイドの掛かり~出口の押し足も強力に見えたし、単なるコースの利では片づけられないパワーを感じさせた。

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 明日も乗り乗りで1号艇を引き当てた一柳。「二度は無理」などと軽視していると、不気味なゴルゴパワーにしてやられるかも??

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★赤羽克也24号機…今日は4R3号艇で2着、8R6号艇で3着。どっちも1マーク~道中の追い上げ足に非凡な迫力を感じた。特に前半の3コース差しから2番手を取りきり、さらに後続をずんずん突き放す実戦足は惚れ惚れするほどだった。明日の10R5号艇は井口や守田などの強豪が立ちはだかるが、だからこそ舟券の狙い目は十分にありそうだ。

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 他では2コースから鮮やかに差し抜けた赤岩善生、スリットからじわり出て行った片橋幸貴と中田元泰、3Rで柳沢に差されながらしぶとく最後まで食らいついた瓜生正義、伸びない代わりに回り足が強烈な櫻本あゆみ、などが上位に近いパワーだと感じた。選手によって舞台は違うが、たとえ6号艇であっても軽視禁物とお伝えしておこう。(photos/チャーリー池上、text/畠山)