BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――走る!

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 女子のルーキー世代(116期以降)も9名が参戦、男子24名とあわせて都合48名中33名がルーキー世代という全体的に若者が多いシリーズ(114期の中村桃佳と115期の深尾巴恵もこの1月にルーキー世代を卒業したばかりだ)。そんななかでつい目を惹かれるのは、山川美由紀と寺田千恵の3000番台コンビだったりする。

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 山川は、なんたってもう、若々しすぎるのだ。前検だから慌ただしいのは当然だが、たとえば整備室からプロペラ室への移動など、軽快な駆け足である。それを何度も見ているから、今日の山川美由紀は走り回っていた、という印象になる。最年長の選手が時間を1秒でも無駄にするまいという動きを見せる。若者にはぜひその背中をしっかり見てもらいたい、などと口幅ったいことを言いたくもなる。今日、鵜飼菜穂子さんが取材で訪れていて、山川とのツーショットという素敵な場面も目撃した。この2人が現在の女子戦隆盛の礎を築いた中心人物である。笑顔を向け合う二人を、若者たちもぜひぜひ感慨深く見てほしいですね。

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 寺田千恵は、タイム測定とスタート練習からあがってくると、いきなり本体を外している。前検から整備に取り掛かっていたのだ。部品交換なのか点検程度なのかは今日のところは判然としなかったが、本体を扱っているのを見かけたのは寺田のみ。気がかりな点はすぐさま手をつけていくという素早さもまた、百戦錬磨の姿勢ということになるだろう。帰宿の1便出発を告げるアナウンスが流れて、金田幸子が寺田のもとに駆け付けている。登番順と決まっていたのだろうか、だとするなら寺田はもちろん1便組。しかし寺田のモーターはまだバラされたままだから、当然居残りである。金田はそれを申告するべく寺田に頭を下げて駆け出して、寺田は金田に一声かけて再びモーターと向き合う。その様子は貫禄タップリなのであった。

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 二人だけが駆け回ったり整備に没頭したり、というわけではもちろんなく、他の選手も懸命に動いた。1便出発の10分前に、その旨を告げるアナウンスもかかっていて、それを聞いて1便組の多くは一様に焦りを見せた。ペラ調整や外回りの調整に精を出していた選手もゴマンといたのだ。松尾夏海は、「ええっ! 絶対ムリ!」と泣きを入れながらも大急ぎで格納の準備を行ない、着替えにダッシュ! その後は見かけなかったから、なんとか1便に滑り込んだのだろう。

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 ドリーム組も1便に組み込まれていたようで、宮之原輝紀も猛ダッシュを見せた。超抜の伸びでしたな! 宮之原はスタート練習等のあとはプロペラ調整を行なっており、エンジン吊りに出てくるときもダッシュ! 力強い足取りなのであった。その宮之原、着用していたのはトップルーキーのユニフォーム。これ、昨年バージョンかな。先に発表されたデザインはこれでなかったという記憶がある。いずれにしても、これを着用することを許されている選手はごくわずか。宮之原、井上忠政、栗城匠がトップルーキーで、3人ともドリーム出場となっている。

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 栗城匠は昨年の尼崎バトルトーナメント以来の再会。そして今回は同県同期の宮之原との同時参戦。我々東京のファンにとって、宮之原と栗城は特別な存在で、ライバル同士としてその出世争いに注目しているのだ。レーサーとしてのタイプも違うし、また畠山に言わせると「二人が一緒の節のときには、栗城のフライングが多いような気がする」とも(笑)。だから二人の絡みを見るのが楽しみだったのだ。ちなみに、レース場入りは同時ではあったものの、栗城が宮之原より数m後ろを歩いていたのでありました。で、今日の絡みはエンジン吊りの分担を一言二言話した場面のみ。なんだかお互いが我が道を歩んでいるような雰囲気なのであった。別にベタベタ仲良さげにしているところを見たいというわけではないので、それもまた良きかな。

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 そして、ベタベタ仲良さげだった中尾智博と石田貴洋(笑)。というか、ふたり並んで係留所からあがってきたところにカメラを構えたら、石田が肩組んで仲良さげなショットを撮らせてくれたのでありました。石田はさらに中野頭をクシャクシャクシャ。ふたりは121期の同期生であります。今節は人気の盲点にもなりそうで、二人そろって穴あけてくださいね!(PHOTO/池上一摩 黒須田 TEXT/黒須田)