BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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とこなめレディースvsルーキーズTOPICS 初日

“女子ルーキーズ”躍動!

 まず、今日の5R~12Rの団体ブロック戦の結果から。

紅組71白組

 いきなり紅組=レディースが大差のロケットスタートだ。で、今日の主役を張ったのは皮肉というか何というか、117期~119期のルーキー女子たちだった。

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 団体戦のオープニング5Rで口火を切ったのは、119期の實森美祐。3号艇3コースから、6コース前田滉の攻撃をブロックしながらの先まくり一閃! あまりに綺麗にまくりきったため、同じ紅組の①浜田亜理沙と②西村美智子も小回りで残して3-1-2のレディース独占決着となった。

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 ん、この光景、どっかで見かけたような……?
 拙い記憶を頼りに過去レースを調べてみたらば、ありました! 去年5月の丸亀大会の初日7R、3コースから③美祐が豪快にまくり、①西橋奈未と②平高奈菜が小回りで残して3-1-2決着!! 3連単配当も今日が7760円で丸亀が8500円と、ほぼほぼパラレルワールドのように酷似したレース展開だったわけだ。うーん、歴史は繰り返す!

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 今日は1Rでも5コースからしっかり2着に食い込み、2連対発進を決めた美祐。去年の8、9月にフライングを連発し、直後のシリーズで6着を7本並べたときには「復活にはしばらく時間がかかりそうだな」などと思ったものだった。それが、長期のF休みを消化してから3節目にして2着1着発進。しかも、2走ともに非凡なスピードをフル稼働しての好発進とあって、嬉しい限りだ。
 今節は井上忠政、中村魁生、尾上雅也が「同期の敵」として対峙するが、今日の勢い的には3人まとめて駆逐しても不思議じゃないだろう。同じく119期で水面を離れている土屋南の念力パワーも体内に吸引し、男どもを蹴散らしてもらいたい。

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 その美祐を上回り、無傷のピンピン連勝で紅組に活を入れたのが117期の出口舞有子だ。出口と言えば、去年のヤングダービーでF持ちながらゼロ台前半の超絶スタートを連発! 『イケイケマアコ』のニックネームとともに陰のMVPに認定したものだが、最近のマアコも完全にイケイケMODEに突入中。なんたって、つい一昨日にびわこの優勝戦を逃げきり(節間214111131①)、昨日の前検を挟んでさらに1着を2本加算してしまった。

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  しかも、そのレースっぷりが素晴らしい。前半3Rは4カドから最内を差し抜けてバック先頭に。後半8Rはイン戦で逃げきれずに中村桃佳のまくり差しをモロに浴びたのだが、2マークの鋭角差し~2周1マークの高速ターンで難敵を再逆転。もちろん、手放しで褒められるイン戦ではなかったものの、3期上で明らかに格上の桃佳を抜き去った航跡は、確かな成長を感じさせるものだった。
 今節、舞有子の「同期の敵」は中村泰平ただひとり。明日の12Rの直接対決(③出口vs⑥泰平)でも枠番の利で圧倒する可能性は低くないし、彼女の奮闘は「同期の味方」渡邉真奈美と清水さくらのカンフル剤にもなることだろう。

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 それから、118期の関野文も10Rを2コースからスパンッと差し抜けて紅組の圧勝に貢献した。デビューの頃は「倉谷和信の愛娘」という話題ばかりが先行したが、今はもうその冠詞を付けるファンは稀になった。今節の「同期の敵」は宮之原輝紀、栗城匠、吉川貴仁、佐藤悠と銘柄級にして個性派が揃ったが、こと天性のターンスピードでは一歩もヒケを取らない勝負に持ち込めるはず。相手が白組のエース級だけに、団体戦での直接対決が実に楽しみだ。

明日のブライトホース
4930佐藤 悠(福井・118期)
4R2号艇・10R6号艇

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 実は去年2月の津大会でも当欄で紹介しているのだが、その内容は「118期は宮之原や栗城だけじゃないぞ~」的な見せ方で、私自身もこの若者をさほど詳しくは認識していなかった。が、まさにその津大会でチルト2度に跳ねたあたりから大いに注目し、今ではテレボートの「マイレーサー」に登録して年間のすべてのレースを凝視している。

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 できる限り伸び型にセッティングし、枠やコースに応じてチルト角を自在に変更し、スリットで覗けば絞めに絞めまくってイン選手まで競り潰す。そう、「チルトの魔術師」下出卓也に代表される『三国・伸びる軍団』の最若手レーサーだ。特殊なペラ調整がぴったりマッチングしたら、伸びる伸びる。この伸び足に惚れ込んでアタマ舟券を買い続け、もちろん万舟を召し取ったのも2度や3度では利かない。

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「今のところ、まったくペラがしっくりきません。イン戦だから勝てただけです」
 今日は初戦を勝ちながら、直後のインタビューでは泣きが入っていた悠クンだが、もちろんこのまま劣勢のモーターで我慢する男ではない。1センチでも1ミリでもストレート足を上積みする調整に励み、さらにチルト角も吟味しながら明日の2走に臨むことだろう。

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 特に12Rは自分が6号艇で、同期の超エリート宮之原が5号艇。「団体戦だから宮之原のまくりに乗って」などと考えるより、「外から自分らしく豪快にまくって、同期の首席にひと泡吹かせたい」とライバル意識を燃やしても不思議はないところ。悠クンが伸びるかどうかは、直前の展示タイムにしっかり反映されることが多い。もしも宮之原よりコンマ10ほども速い時計を叩き出すようなら、もちろん私は迷わず⑥アタマで勝負するつもりだ。伸び~る調整、ガンバレ、悠クン!!(photos/チャーリー池上、text/畠山)