BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――懐かしい

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 前検のピットを眺めていて、懐かしさを覚えた。そうか、ピット取材を本格的に始めた頃のSGって、こんな感じだったんだ。当時は登番2000番台が何人かいて、今回は一人もいないというのが寂しいが、それこそ赤岩善生が登番が下のほう、すなわちまだ若手のほうで、登番3000番台序盤の選手がバリバリ幅を利かせていた。まあ、今村豊がいないとか植木通彦がいないとか、田村隆信をはじめ4000番台がもう出始めていたとか、細かい違いをあげたらキリがないが、全体的な登番構成はおおよそこんな感じだったと思う。15年以上経って、それがマスターズチャンピオンに戻ってきた。選手入りの取材のときには途方に暮れる感じもあったけれども、そう考えれば悪くない。俺も長いことボートレースを見続けてきたのだと、むしろ心弾む感覚になったのだった。

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 装着場のど真ん中で江口晃生と三嶌誠司が語り合っていた。10数年前のSGのピットで、実際に二人の絡みを見たかどうかはまるで覚えていないが、そのシーンもなんだか懐かしく思えてくる。当時の江口はそろそろベテランの域に差し掛かっていたころだろうか。三嶌はまだ中堅くらいの世代だったはずだ。今節のメンバーで考えれば、まさに同じような立場と言える。三嶌が江口をからかうように振る舞い、江口が蹴飛ばすマネをする。まさか10数年前はそんなシーンはなかったはずで、そこにはお互いの年輪を感じずにはいられなかった。

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 松井繁と吉川元浩が話し込む場面も。この組み合わせなど、ほんと、何遍見かけたことか。というか、今のSGでも見てますね。この間のクラシックでもたしか見ているはずだ。ただ、やはりこの舞台で見ると、少し違う意味合いがあるようにも思えてしまう。松井も吉川もやけににこやかだったので、なおさらだ。一時とはだいぶ趣きが変わってきたマスターズだが、やっぱりいいな、と思えるわけである。

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 ドリーム会見で、守田俊介がこの雰囲気を「なんか楽しそうだな」と言っていた。マスターズデビューの守田が、いざ足を踏み入れてみたら、それが心地よく感じられた、というわけである。それ以上は特に語らなかったが、やはり「10数年前のSGの同窓会」のような感覚になったのだろうか。それは楽しいはずである。宿舎でもリラックスできるかもしれないですね。
 あ、ただモーターの手応えは厳しかったようだ。会見では泣きが入っていて、さすがの守田も明日は調整に励むことになるかも!? 陸の上では楽しくとも、水面ではガチンコ勝負。まずは立て直しが必要になってきそうだ。

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 守田と同期の辻栄蔵も、感触は良くなかった? スタート練習&タイム測定からあがってきて、林美憲に声をかけられた瞬間、大きく首をひねったのだ。表情も明るくはなかった。74期からは5人が参戦。なかなかの大勢力だが、そのツートップたる二人にいきなり暗雲!? 明日は7R1回乗り。そこまでに調整に没頭することになりそうだ。

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 同期といえば、石川真二と橋本久和が話し込む姿を目撃。66期生同士だが、この絡みを見かけた記憶は正直ない。石川と芝田浩治はよく見るんだけど。橋本は3年前のマスターズチャンピオンに出ていたから、そのときにも見ていたのに忘れてるだけ? そうそう、石川は今日が誕生日です! いい一節にしてくださいね!(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)