雪の芦屋に3連の大花火!!
インコースが②①①着、穏やかなスタートだった今年の新鋭王座。
「やはり、今節もイン選手が無敵の強さを見せるのか!?」と思った直後、それははじまった。
まずは、4Rで4カドに引いた池永太。スリットほぼ同体から、
一気に伸びきって内3艇を攻め潰した。
インの同期・土屋智則は5着にぶっ飛び、
絵に描いたような456のアウトセット決着。池永が、
地元ならではのスタート勘と意地を見せつけた形だ。
この怒涛の4カドまくりは、同県で1期先輩の
里岡右貴のハートにも火を点けた。続く5R、
これまたスリット同体の4カドから、3コースの岩瀬裕亮を
一気に叩き潰す。そのまま、インの同県同期(笑)那須啓太まで
引き波にズッポリとハメてしまった。同期の桜でも近所の友達でも、
1マークでは容赦はしない。それが、新鋭王座の醍醐味だな。
哀れ僚友の那須クンも、5着惨敗……。
さらに6R、やはり福岡支部で里岡の1期下(=池永と同期)の
大野芳顕も、ドカーーーーンと4カドまくりだ。
さすがにインの秦英悟は同県でも同期でもなかったが、
これまた5着までぶっ飛んでしまった。
地元レーサーによる、4カドまくり3連発。
これぞ、栄冠とともに、やんちゃさも競う?新鋭王座でしょ!
最近の記念戦線は戸田でも平和島でもインが呆れるほど強いが、
新鋭レーサーは握ってナンボ。
俄然、この怒涛の絞りまくり3連発で、シリーズの行方が実に楽しみになってきた。あ、インで同期に叩き潰された土屋と那須は、
ぜひどこかでやり返してね!!(笑)
唯一2連勝の水摩だが……!?
今日、福岡支部で4カドまくりを決めた選手がもうひとり。
8R、2号艇から敢然と4カドに引いた水摩敦だ。
これはもう、絞りまくりでもなんでもない、ハコまくり。
スリットで半艇身覗くやいなや、
カド受けの鶴本崇文を一瞬で置き去りにしてしまった。
血の気の多い福岡新鋭レーサーの中でも、
水摩は「まくり王子」というべき存在だ。貫禄のひとまくりというか、
当たり前すぎて何の驚きもないS一撃の決着だったな。
「はい、やった~~っ! 決まった~~!」って感じ。
この見慣れた「ミズマクリ圧勝」は、
2Rのイン勝ち(抜き)に続く開幕2勝目。
シリーズの主役になるべきピンピン発進だったわけだが、
実情はちょっと違う。2Rで待機行動違反を取られ、
マイナス7点の減点が課せられていたのだ。
右転舵中にエンストを起こし、再起動させた直後に
うっかり2度目の右転舵……天然のまくり屋は、
やはり待機行動中も天然なのである。
で、今日は連勝で20点(10・00)のはずが、13点(6・50)で16位。
これからも厳しい戦いを強いられることになったが、
水摩ファンの私にとって、この減点はむしろ喜ばしいものでもある。
準優、優勝で「白カポック=水摩」はもったいないでしょ。やはり、「まくり王子」水摩は、青か黄色のカポックがよく似合う。緑色では、ちと遠いけれど。
有力候補のふたりが……!!
さて、この水摩の減点以外にも、
今日はさまざまなアクシデントが発生した。
大きいところでは、篠崎仁志のフライングだ。
やはり、仁志のパワーはワースト級だった。
2Rで5着に惨敗し、次の9Rは
ピストン2個、リング4本、シリンダーケースを換えて臨んだ。
それでも、足りないことは本人がいちばん自覚していただろう。
同県の4人の先輩たちが、豪快なカドまくりを決めた4コース。
仁志は、際のキワまで攻めた。キワまで攻めるしかないパワーだった、というべきか。そして、スリットで散った。
絞りまくりもできないほど、さっぱり伸びないスリットで
賞典除外となった。「参戦できなかった兄の分まで!」という思いが
あったかどうか。とにかく、今年の新鋭王座は、
篠崎元志・仁志ともにFに泣かされた。
Fあれば、Lあり!? 最終ドリーム戦では、
山口達也がまさかまさかの出遅れ欠場となった。
何があったのか、詳しくはわからない。
私の目には、5カドから行こうとして、
6コースに変更したように見えた。その助走の分だけ遅れたような……とにかく、選手責任=賞典除外となってしまった。
他にも不良航法が3選手、などで都合6人のレーサーが
罰則の対象になった初日。やんちゃな新鋭らしいといえばそうだし、
不良航法の裁定がいささか厳しすぎるとも思えるのだが、
今年の新鋭王座は、早くも過酷なサバイバル戦に突入した!
(Photos/中尾茂幸、text/H)