本日より現場入りでございます。
以前にも書いたが、シリーズ途中からピットに入るのは
なかなか緊張するもの。まして今日は天候が昨日とは一変し、
選手も忙しく動き回るだろうから、
その空気の中に入っていくのには、それなりの勇気が必要……って、本当は考えすぎなんだろうけど、
ビビリで小心者の私は毎度そんな感じなのであります。
というわけで、胸ドキドキでピットに足を踏み入れた私が、
最初に出会ったのは田口節子。
BOATBoy3月号では巻頭インタビューをしているので、
すかさず挨拶へと駆け寄った。
しかし、ドキドキしている分だけ、タイミングを誤った。
明らかに考え込んでいる様子の田口に声をかけてしまったのだ。
こちらの挨拶に礼儀正しく返してくれる節ちゃんだが、
明らかに思案の途中といった表情。
平常心だったら、絶対に見逃さないんだけどなあ。
つまり田口は、ここまで好調な成績を残していながらも、
朝から懸命のパワーアップをはかっているということ。
そのための思考を中断させてしまったようなのは、
ハッキリと痛恨であった。といっても、
節ちゃんはデヴハゲのことなど意に介することなく
次の作業へと足早に向かっていった。
この姿勢が彼女を女王に導いたのだろうと思う。
田口に限らず、今朝は試運転に飛び出す選手、
係留所でエンジンをブルンブルン言わせて調整している選手、
それをもとに調整へと向かう選手が多かった。
昨日までのピットを見ていないので比較はできないが、
これはやはり気候の変化による再調整とそのチェックということ
であろう。本当はすぐにでも水面に出たいのに、
混雑が緩和するのを係留所で待機、
なんていう選手もいたほどだから、
やはり非常に活発な試運転といっていいだろう。
で、試運転のあとには選手たちは寄り合って
情報交換をするわけで、その輪はあちらこちらに
出来上がっているのだった。それを見ながら
「女子会?」なんて思い浮かべている私はオヤジでしょうか。
たとえば角ひとみと西村めぐみ。なんか妙に笑顔が目立つのだ。
ときどき角がニヤニヤっと笑ったりもしていて、
旦那さんとの仲の良さを口にした西村をからかう角、
といった構図にも見えてしまう……やっぱオヤジか?
もちろん、水面を指さしたりしながら、
真摯な表情で語り合っている時間のほうが長かった。
そうした様子は、SGだろうが女子王座だろうが、違いはない。
係留所では、落合直子と鎌倉涼のなにわレディースが
手をボートに見立てたりしながら、やはり長い会話をかわしていた。
そこに平山智加も加わり、3者会談が始まる。
やはり世代が近い者同士が集まることが多いわけだ。
かと思うと、装着場では佐藤幸子と樋口由加里の岡山最年長と
最年少(登番が)。大先輩に指導をあおぐ新鋭という構図だ。
佐藤が母のような優しい笑顔を向け、
樋口がホッとしたように笑みを漏らしたシーンが印象的だったな。
そりゃあ、この大先輩をおっかなく思うこともあるだろうけど、
しかしその愛情深き表情に触れられることは、
実に心強いことであるはずだ。
あと、係留所のいちばん端っこでも、
3人の選手がかなり長いこと話し合っている姿も視界に入っている。
しかし、もともと近視&乱視で最近は早くも老眼も入ってきた
オッサンには、ハッキリとどの選手か視認できなかった。
髪型(髪の色)からして、一人は中谷朋子だったと思うのだが
(試運転にその係留所から飛び出していったのは確認している)。
中谷のボートの隣にあったのは、大瀧明日香と向井美鈴のボート。
その3人だったのかなあ……。すみません。
とまあ、すっかり女子会を眺めることに専念してしまった
多摩川女子王座の初ピット。なかなか緊張は解けず、
選手に話を聞きにいくこともできなかったのだから、だらしない。
そんなこちらの心を一気にほどいてくれたのは、横西奏恵だ!
挨拶しに行くと、とびきりの笑顔を向けてくれ、
2R後には奏恵ちゃんのほうから話しかけてもくれている。
それにしても……余裕っすね。先ほど書いたとおり、
朝から試運転&整備に駆け回る選手が多かったなか、
横西は1R後にモーターをボートに装着している。
その後もゆったりと過ごしていて、
そのうえいちおう顔見知りのハゲデヴに声をかけたりしている。
BOATBoyの女子バン・森喜春が「横西さんのパワーがヤバいっす」と証言していたが、その手応えをがっちりとつかんでいるのだろう。
もちろん、今日は9R1回乗りということで、
気象条件などが近い時間帯に調整を合わせる心づもりだろう。
ともかく、奏恵ちゃんの笑顔を見ながら、
やっぱりこの人は絶対女王だわ……と再認識したのでありました。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)
横西と一緒にいた佐々木裕美とも少し話せましたが、
笑顔がめちゃくちゃ素敵でした!