BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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テラッチ&西島が怖い!?~モーター抽選~

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 やはり、今までのSGとは雰囲気が違った。抽選に臨む選手たちの目の色が違う。

 新プロペラ制度になって、はじめてのSG。浜名湖では4月から先行開催で「新モーター&新制度ペラ」を稼動させてきた。さらに、GW開催で地元選手の多くが各モーター(含むプロペラ)の良し悪しを体感している。その体感温度が、今節でも忠実に反映されると確信している選手が多い。そんなムードだった。

 

 

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 たとえば、地元の総大将・服部幸男。服部が引いた41号機は、2連対率28%の“低調機”だった。が、「41」の数字がコールがされた瞬間、徳増秀樹や笠原亮らが「おっ、二橋(学)さんのモーターやん。行き足、良かったよなぁ」と囁きあっている。

 あるいは、ワースト級を引いてしまった大将に気を使ったセリフか?

 とも思ったものだが、自席に戻った服部本人もデータ表を見た瞬間、「おっ、二橋のモーターか。あれは良かった。俺、やられそうになったもん。あれならイケるな」と頷いたのである。こうした前操者の名前を出して、あれこれ話をすることなど、持ちペラ制の時代はほとんどなかった。「それぞれのペラでパワーはいくらでも変わるから、前操者は関係ない」というムードが漂っていた。今回は、明らかに違う。

 モーター&プロペラを引き継ぐ。

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 選手たちは、そう考えている。松井繁が52号機を引くと、すぐ前の机にいた重野哲之が「あ、それ、前回俺が乗ってたヤツです。良かったですよ、特に伸びが強めでした」と言い、横から服部が「あ、アレか、アレは特に後半になって伸びが来たな。準優の日、伸びで完全にやられた気がしたもん」。それを聞いた松井は、もちろん満面に笑みを浮かべたのだった。当然と言えば当然だが、選手たちは数字よりも、直前のパワー相場に重きを置いているようだ。

 

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 そして、直前の勢いNO1といえば、そのGW開催をオール2連対で制覇した坪井康晴の29号機だ。この「29」の数字が出ないわ、出ないわ。ようやく「29」とコールされたのは52番目、最後の最後にガラポンを回した瓜生正義だった。

「オーーーッ!」

「やっぱりね、出てないと思ったら」

 周囲がざわめく中、瓜生は「え、なになに?」という感じであたりを見回し、それから静かに微笑んだ。

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 ちなみに、私のイチオシ2号機をゲットしたのは、寺田千恵。周囲から喝采を浴びたテラッチは、口に手を当ててうつむき「クックックッ」と笑いをこらえながら自分の机まで歩いていった。このモーターなら、2度目のSG優出が十分ありえると思うぞ。

 2連対率でこの2号機を凌ぐエース3号機は、西島義則がゲットした。「3番」のコールを聞いた瞬間、安芸の闘将(福岡)は「ヨッシャ! キターーーッ!!」とガッツポーズ。それから誰彼見境なく「ありがとー!」とお礼を言いまくっていた。西島、ハナからこれだけを狙っていた、とみた!!

(Photos/中尾茂幸、text/H)

 

H記者のオススメ機

 

★★2号機(56%)…寺田千恵

★3号機(65%)…西島義則

★1号機(42%)…茅原悠紀

★16号機(42%)…秋山直之

★9号機(30%)…笠原亮

★8号機(32%)…坪井康晴

★29号機(50%)…瓜生正義

★40号機(33%)…魚谷智之

 

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