BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――巻き返せ!

f:id:boatrace-g-report:20171129104307j:plain

 7R、1号艇の白井英治が勇み足。期間勝率1位、1コースの信頼度絶大の白井が、白いカポックで、インコースからフライングを喫してしまったのだ。もちろん大波乱だし、シリーズの目玉が一人、戦線離脱してしまったことになる。

 レース後の白井は、さすがに悄然としていた。当たり前だ。絶好調で乗り込んで、悲願達成にひときわ強い思いを抱いていたはずだからだ。まさかの初戦リタイアに肩を落として当然。思いが強ければ強いほど、落胆が大きいのは自然なことだ。

 白井を気遣ったのかどうか、池田浩二が雑談を振っている光景もあった。フライング直後、白井の心には暗い影が落とされていたはずだが、それでも池田は必要以上に慰めるでもなく、いつも通りの会話を交わそうとしていたようなのだ。トップレーサー同士だからわかる、大きな失敗の後の心の機微。白井は11R、2コースからこれまた絶好調の坪井康晴を一撃で差し切っているわけだが、そうした仲間との交流の中で、全面的にではなくとも、立ち直りのきっかけをつかめたのかもしれない。

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104327j:plain

 9R、山口剛が不良航法をとられた。2周1マークで佐々木康幸を大きく張った走りが突っ込みをとられたのだ。ボートレースの辞書の突っ込みの項に、あの走りは記されていなかったと思うのだが……お客さんにわかりやすい言葉を使ったということなのだろう。その大競りの結果、重成一人に3番手を逆転されてしまったことも含めて、ちょっとかわいそうな結果だったように思う。

 さすがに山口自身、納得はしていない様子だった。山口としては全力で戦い、しかも相手を危険に陥れたわけでもなかったのだからなおさらだろう。どんなレースでも、どんな場面でも、決して手を抜かずに思い切って攻めていくのが山口の魅力。その気持ちが萎えてしまわないか、それが非常に心配なのだが……ここで感じた悔恨を水面にぶつけ、白井のようにF後でも気持ちを切らすことなく、減点分を巻き返してほしい。パワーは文句なしなのだし、外枠は消化したわけだから、まだまだ山口の笹川賞は終わっていないと信じているぞ。

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104340j:plain

 笠原亮も、悔しそうな表情を隠さなかった。5R、4着に敗れているのだが、10R発売中くらいに顔を合わせると、露骨に顔をしかめてみせたのだ。「1号艇だったのにぃ~」 そう、笠原は予選でたった1回の1号艇を活かせなかった。バックでは2番手の局面もあったが、2マークでもつれ、その後も番手争いが激しくなって、4着に敗れた。「3着は取らなきゃいけなかったっすね……」。やや自虐的にそう嘆いた。 ただ、こうして率直に悔しがってみせるピュアな精神性が、一方で笠原の強さの一部であると、僕はずっと確信している。これがポジティブ方向に転じたときには、とてつもない爆発力を生み出すからだ。 足はいい、と言う。だからもちろん、落胆はしても気持ちが切れたわけではない。何より、乗っているときの彼はコース不問で艇団を割る力がある。どこかで“亮スペシャル”炸裂があると信じているぞ。

 

 悔しい人たちばかり記してきたので、最後は笑顔の写真をどうぞ。あ、浜名湖HP笹川賞特設サイトの中尾カメラマンの写真満載「フォトギャラリー」引き続きよろしくです。

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104355j:plain

3R1着まくり差しで快勝の峰竜太!

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104406j:plain

四国勢がにこやかに。田村隆信は腰を痛めていますが、レースでは感じさせない奮闘を見せてますね。

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104417j:plain

あら、ピースしてるし……。

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104427j:plain

艇聖も笑う!

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171129104439j:plain

ダンディな笑顔!

(PHOTO中尾茂幸 TEXT/黒須田)

 

※今日も浜名湖HP笹川賞特別サイトで動画予想やってまーす。初日は5戦2勝でした。