BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――本体整備にSG初ナカシマ!

 1R前にピット入りして気温を確認すると19℃。その15分後くらいに何気なく温度計を見たら、20℃。昨日とは一転して五月晴れとなった今日、これからぐんぐんと気温が上昇していくと思われる。皆様、体調にはお気をつけて。そして選手は、モーターの調子に気をつけなければならないわけだ。

 朝から本体整備に取り掛かった選手が3人。中野次郎、魚谷智之、赤岩善生だ。

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 中野と魚谷は、昨日はペラ調整所で頻繁に見かけた2人。特に中野はかなり力を込めて木槌を振り下ろしており、大きく叩き変えている様子がうかがえたものだった。魚谷も、レースがないときはほぼペラ叩きに時間を費やしていて、必死の調整をはかっていた。その2人が、今日は本体に手をつけた。気配が相当に苦しいということだろうか。新プロペラ制度ではモーター本体の素性が重要という声もあるなかで、この整備がどう変化をもたらすか、二人のレースぶりには注目してみたい。

 

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 赤岩の本体整備は、いわばルーティン。制度が変わろうが変わるまいが、彼なりの整備を一通り施してレースに出るのが赤岩のスタイルだ。それだけに、気配がどうこうというのは、その姿からはわからない。また、制度が変わったことで手順や方向性が変わったかどうかも。話を聞いてみようと待ち構えたが、一向に整備室から出てくる様子はないし、エンジン吊りのあと駆け寄ろうとすると猛スピードで整備室に飛び込んでしまう。こういうときの赤岩はひたすら集中していて話しかけにくいことこのうえないので、まあ仕方ないんだけど。レースが終わった後、チャンスがあれば声をかけてみよう。

 

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 一方、峰竜太が整備室の隅っこのテーブルでゲージ作りに取り掛かっていたぞ。早い段階のこの作業は手応え上々のサインと言ってよく、昨日本人も言っていた通りに足はいいのだろう。峰は、多少手応えに不安があっても、気持ちを高めるために強気のコメントを出す傾向がある。ネガティブな言葉を吐くことで自分の気持ちも沈んでしまうのを嫌っているのだ。だが今回は、その動きを見れば発言を額面通り受け取っていいのではないか。今日は6号艇だが、侮れないな。

 

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 あと、ギアケース調整テーブルでは、山崎智也と横西奏恵のカップル整備! 仲がよろしいことで……いや、調整中のふたりは、言葉も交わさず黙々と作業に集中している。横西4R、山崎5Rと時間がたっぷりあるわけではないので、口を動かしているヒマはないということか。こういうところが勝負師夫婦でありますな。 で、調整を終えたのはほぼ同時で、モーターへの装着もほとんど同じタイミングで終えていた。なんだかんだで息ピッタリの夫婦なのだ。

 

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 ところで、2R、笠原亮がペラをナカシマに交換して登場した。これがSG初ナカシマ使用ということになる。展示を終えて待機室に向かう笠原が、その途上で声をかけてきた。当然、話題はナカシマ使用について。笠原の表情は実に明るく、レース直前だというのににこやかだった。「ナカシマで行けそうってこと?」「わかりません(笑)」「あらら(笑)」「でも、伸びてましたよ~」 結果はともかくとして、ナカシマで好感触を得たからこそのペラ交換であることは間違いない。6号艇ということで、伸びを追求してナカシマにも手を出したのだろう。 結局、スタートを決め切れずに大敗を喫し、レース後はさすがに険しい顔つきとなっていたが、もしかしたら今後も使うことがあるかも。レース後は話していないが、今日は両刀の調整を続けていく一日となるのだろう。

 

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 最後にどうでもいい話。湯川浩司がフラフラ歩いていて、よく見ると、アゴヒゲ!? アゴのあたりが黒々していたのだ。声をかけると、挨拶だけしてそのまま控室へと歩いて行ったので、すれ違いざまアゴを触りながら「???」と気配を送ると、湯川は「クロちゃんに憧れたから」だって。そんなわきゃないでしょ。ニヤニヤっと悪戯っぽく笑って控室に消えた湯川なのだが……軽口とわかっていても悪い気分じゃないっすね、ダハハ。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)