BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――元気いっぱい、ミスター!

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まず気になったのは、やはりあの3人だ。 

ピットに足を踏み入れた瞬間に目に飛び込んできたのは、

係留所で調整作業をしている池田浩二。

ふだんと変わらぬ様子に、まずはホッとする。

昨日のコメントでは「足を痛めました」とあったが、

歩様もそれほど違和感はない。

ドリーム後には担架で運ばれた池田だったが、

大きなケガにはならなかったようだ。  

 

 

 

 

 

 

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魚谷智之は、ペラ室から出て控室へ向かう姿を見かけたが、

こちらも問題はなさそう。

地元でのSGで苦しい立場に置かれはしたが、

今後のレースももちろん「力を出し切る」はずである。

山崎智也も、若干歩様に違和感はあるが、

昨日を思えばはるかにマシ。時間とともに

痛みが増していくこともよくあることだが、

3Rには元気に出走したので(結果は出なかったが)

、このあとも奮闘してくれると信じたい……と書いた10分ほどあと、

後半の欠場が発表されました。残念! 次のSGは桐生

。この悔しさは地元で晴らせ!

 

 

 

 

 

 

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それよりも、どことなく元気になさそうに見えた篠崎元志が心配だぞ。

1Rは、道中3番手から巧みなターンで逆転して2着。

一緒に観戦していた中村亮太も「おっ」と声をあげる

好旋回だったのだが、元志自身の意気が

レース後に上がっているようには見えなかった。

機力的にはかなり苦しい様子で、好転の兆しが

あまり見られなかったことがそうしているのか、

あるいは単に暑くて疲れただけなのか、

いずれにしても表情の精彩はいつもの篠崎には程遠い。

今日は1R1回乗り。長い1日をどう過ごすのか、

後半のピットでも注目したい。  

 

 

 

 

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篠崎が整備室に入って行ったので、そっと後を追って覗き込むと、

赤岩善生が本体整備。プロペラ制度が変わろうが、

赤岩の信念は変わることはない。暑かろうが寒かろうが、

ひたすら自分の整備を粛々とこなすのだ。

まあ、いつも書いていることではありますけどね。

整備室ではもう一人、森高一真も本体整備。

この人も、足に不満ありとなれば、

素早く本体に取り掛かるケースが多いように思う。  

 

 

 

 

 

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あと、坪井康晴の後姿もあった。イスに座って、

右手を小さく上下していて、しっかりと目視できたわけではないが、

この動きはおそらくゲージ調整。

はい、「早い段階からゲージ調整をしている選手は、出てる」の

法則からすれば、やはり坪井の足はかなりの仕上がりに

達していそうだ。新プロペラ制度の鬼だな、この人は。

 

さてさて、中村亮太、長嶺豊さんと話し込んでいるときのこと。

亮太はナカシマからヤマトにペラを変えると言い、

進入についてもいろいろと考えている、なんて話をしていたわけだが、そこにあらわれたのが今村豊。

「大先輩! おはようございます!」  

 

 

 

 

 

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おどけたように今村が頭を下げる。我々の後ろには

村田瑞穂さんもいた。直立不動で何度も頭を下げた今村は、

そこに若い亮太がいるのに気づいて、「おい、中村!」と声をかけた。「俺はな、この人たちにめちゃくちゃイジめられたんだぞ! 

ほんと、どれだけイジめられたか!」 

亮太も長嶺さんも村田さんも大笑い。

ようするに、現役の頃は亮太のように気楽に話ができる先輩ではなかったと言いたいらしい。もちろん、ジョークである。 

長嶺さんが、話題を変えるかのように

「この前、大村でエキシビションをやったとき、

今村と瓜生だけがピットまで下りてきて、ご苦労様と言ってくれた」

という話を振った。今村の人柄を褒めたのだ。

ところがミスター、どれだけ怖い先輩たちだったかわかるだろ、

というふうに「行ったはいいけど、怖くて怖くて、足がガタガタ震えてたわ。行かなきゃよかった、って思ったもん」。

自分のいい話を笑いに変えちゃったのである。 

猛暑の中でも、元気いっぱい、今村豊! 

元気をいっぱいもらっちゃったなあ。

 

 

(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)