BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

桐生MB記念TOPICS 初日

今日のイン成績

 

①②①①①①⑤⑤④①①①

1着率67% 2連率75% 3連率75%

 

 

イチコロ祭

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114525j:plain

今日のイン選手は1Rの湯川浩司から、順調に勝ち星を伸ばした。

いかにもSGらしい、穏当な結果ではある。

ただ、ちょっとした“異変”もあったな。

今日のイン勝利時の3連単フォーカスを羅列してみよう。

 

153・156・162・152・165・154・135・156

 

 

なんとなんと、すべて5号艇か6号艇のどちらか、

または両方がヒモに絡んでいる。1-234で決まりやすい昨今の記念レースにあって、実に珍しい結果といえるだろう。実際にレースを見ていても、1マークを回ってからもこもこもこもこと黄色と緑のカポックが進出する光景が目に付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114546j:plain

2Rに至っては、勢い余って?6コースの⑥魚谷智之がずっぽし突き抜け612なんてシーンも。

原因は……特定できない。もちろん、今日だけの

偶然なのかもしれない。ただ、報知の山中キャップは、

その要因のひとつをこう指摘する。

「新ペラ制度になってから内寄りが強くなった印象があるけれど、

桐生のモーターはまだ新制度前に作られたもの。

つまり、新基準のセッティングではないから、

外コースが絡みやすいんです」

 つまり新プロペラ+旧モーターは、パワー差が新+新より大きく、

そのギャップの分だけ外コースにも展開が生まれるということなのだろう。だとすれば、明日以降もイチコロ(1-56)が幅を利かせる可能性はあるわけだ。さてさて、気づいた途端に123ダァーーばかりになるのか、

明日もまたイチコロの好配当が続出するのか……

あなたなら、どうする??

 

 

 

どうした、憲吾!?

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114611j:plain

2号艇と1号艇。

東都のエース・濱野谷憲吾の

ロケットダッシュを期待したのは、私だけではあるまい。

昨日の前検、憲吾の気配は上々に見えた(Aランク)。

52号機の2連率も39%、水準以上の業績を残している。

が、憲吾は初戦3Rの前に、ピストン①リング②シリンダーケース交換という大手術を施した。昨日の私の見立てが甘く、実は相当に苦しいパワーだったのかもしれない。それにしても、一大ギャンブルではある。大整備で迎えた3Rのスタート展示は、起こしから付いて行けずに1艇だけドカ。私の目にも、昨日よりも重苦しく見えた。

 そして本番は……コンマ55。パワー云々を問うレベルのスタートではない。もちろん、レースにもならない。私は正味のパワーがわからないまま、後半8Rのイン戦を待つことになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114635j:plain

その8Rは130m起こしから、

バチッとコンマ08発進。スリットは見た目にほぼ横一線で、

外の誰もが仕掛けにくい隊形だった。多少パワーが弱めでも、

これなら逃げきれる。1マークを慌てず騒がず、

しっかり先制さえできれば……私の目は憲吾だけを見ていた。

そして、私は目撃する。1マークのはるか手前で握り、

はるか向こう岸へと流れてゆく1号艇の姿を。

パワーへの不安がそうさせたのだろうが、あのターンで勝てる

イン選手はいない。明らかに握りすぎのミスターンだ。

平本に差され、峰に差され、坪井にも差された。

1号艇の憲吾が飛んで、アウトセットで決まったというのに、

3連単は60倍台でしかなかった。

憲吾の1・2号艇は、⑤着⑤着の4点で終わった。

先にも書いたが、今日の憲吾の惨敗は、パワー負けとは言い難い。

それ以前の問題だと思う。今節だけではない、

憲吾のこれからが不安になってしまうような惨敗だった。

頭に浮かぶ言葉は、ただひとつ。

 

どうした、憲吾!!??

 

 

 

 

 

赤城の仁

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114737j:plain

自信というヤツは、

実になんとも恐ろしい。5月にこの桐生ではじめてGIを制した齊藤仁が、ピンピン連勝発進をやってのけた。まあ、4Rはイン逃げだからして、驚くには値しない。コンマ22の慎重なスタートにも関わらず、

他艇が攻めきれなかったのはラッキーでもあった。

しかし、運も実力のうちなのだよ。

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114755j:plain

後半の9R、

仁は2コース湯川浩司のジカまくりを利して、

3コースから鮮やかに差し抜けた。これもツキ一本? 

いやいや、バック直線で追いすがる山口剛、魚谷智之、湯川を

振り切ったパワーはなかなかのものだったし、

冷静的確な2マークのターンは確かな地力を感じさせた。

28号機は2連率30%にも満たない低調機なのだが、

勝率をはるかに超えるパワーで勝ちきったのだ。

おそらく、先の周年Vで「プロペラ(ゲージ)調整法@桐生」を

掴んでいるのだろう。それがまた揺るぎない自信となって、

パワー以上のハンドルにつながっている。当然、流れも引き寄せる。

憲吾が惨敗したふたつのレース。

そこには、自信の片鱗さえ見ることができなかった。

一方、憲吾が惨敗した次のレースで、

元気溌剌自信満々パワー全開でピンピン連勝を遂げた仁。

東都のふたりの明暗を分かつモノは、パワーよりもメンタリティだと

私は思う。

 

 

独断のパワー評価

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114817j:plain

うーーーん、ドリーム今村豊の6着惨敗はじめ、

前検ファミリーの多くが不甲斐ない結果に終わった。

前出・憲吾に至っては、戦う前に大整備してるしぃ。

素直に見立て違いを認め、まっさらな気持ちで初日なりの

パワー番付を記しておく。

 

 

SSクラス(節イチ候補)…山口剛

Sクラス(超抜候補)…今村豊、佐々木康幸

Aクラス(上位候補)…坪井康晴、中澤和志、東本勝利、守田俊介、寺田祥

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114902j:plain

 

 

 

 

 

 

 

 

 

f:id:boatrace-g-report:20171205114924j:plain

前検ファミリーの毒島誠(振り込み大敗)、

赤岩善生(前半は明らかにセッティングミス)も

まだ捨てがたいけれど、とりあえず次点ということで。

辻栄蔵、原田幸哉、馬場貴也、瓜生正義、魚谷智之、山崎智也も

間違いなく中堅以上。

 

(photos/シギー中尾、text/H)