BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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桐生MB記念TOPICS 2日目

関東の2枚看板がキターーーッ!!

 

 

 

 

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桐生といえば、関東。関東といえば、濱野谷憲吾と山崎智也。

ここ10数年、実力とスター性とでこの2枚看板

は不動のものとして語り継がれてきたが、

最近は西高東低の波によって二枚の看板は

やや色褪せた感もある。

 

 

 

 

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が、今日のふたりは往年の輝きを放った。

まずは6Rで智也が逃げきり。これはまあ、当然か。

できれば智也-奏恵の夫婦ワンツーが見たかったのだが

(はい、1-6で勝負してました)、

とにかく旦那のほうはしっかりと地元ファンの期待に応えた。

 

 

 

 

 

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今日のハイライトは9Rの憲吾だ。これぞ東都のエース!と

唸らせる4コースからの鋭角差し。タイミングといい角度といい、

これっきゃないという精緻なハンドルで一気に突き抜けてしまった。

もちろん、これをもってエースの完全復活と言うつもりもないが、

久々にSGの舞台で名刀の如き斬れ味を見せてもらった。

私ときたら、極選で◎に指名しながら350倍の大魚を

逸してしまったけれど。この勝利で憲吾の節間勝率は、やっと4・67。準優へはまだまだ険しい道のりだが、1・5キロの減量や

最後まで試運転を続けた気合いは、

明日以降のさらなるジャンプアップにつながるだろう。 

で、その直後の10R。ここで智也が2コースから圧勝したら、

二枚看板の3連勝リレーという2日目ではあった。結果は、4着。

ただ、道中で離れた4番手からじわじわと差を詰め、

最終ターンマークでは前田将太に乾坤一擲の切り込みで肉薄した。

あの鬼気迫るターンは、さすが智也と唸らせるものではあった。

 

 

 

瓜池が、キターーーッ!!

 

 

 

 

 

 

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かつての2大スターが憲吾&智也なら、

近年のそれは瓜池コンビに尽きる。5月からの新ペラ制度がふたりの勢いを阻んでしまったが、今日の瓜池は去年まんまの最強ぶりを

見せつけた。 まず、4Rの瓜生正義がヤバい。

田口節子の逃げを許して5艇身ほどのビハインドを背負ったが、

そこから追っかけるわ追っかけるわ。

相手はエース機&女子レーサー随一のターンスピードだというのに、ターンごとに4艇身、3艇身、2艇身……

逆転はならなかったものの、最終ターンマークでは、

ついに1艇身差まで追い詰めていた。

 

 

 

 

 

 

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節ちゃんには申し訳ないが、初動の早さ俊敏さが桁違いだった。

エンジンさえ仕上がれば、これが瓜生正義なのだ、 

後半の8Rでは、池田浩二が魅せる。山

口剛と熊谷直樹の攻めに乗って、5コースからの必殺技

「見る前に飛ぶまくり差し」が炸裂。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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本当にあの男ときたら、空くか空かないかわからないうちから

全速で艇をぶん回し、「コンマ数秒後に、ここが空くはず」という

ギリギリの空間に舳先を突っ込んでしまう。

つまり、全速で握りながら将棋でいうところの数手先を読んでいる。

パワーは中堅でも、これが池田浩二なのだ。 仕上げは12Rの瓜生。バックで中島孝平に2艇身ほどやられても、

慌てず騒がず、2マークで凄まじい全速差しを繰り出し

舳先を並べてしまった。刺さったとか決まったとかいうより、

「捕まえた」という表現がぴったりくる悶絶ターン。

さらに2周1マークで中島を置き去りにするターンも迫力満点だった。「瓜池が逆転するときは、テクニックなのかパワーなのか

まるで判別できない」 これが私の口癖(愚痴)なのだが、

今日の逆転劇はまさにそれ。ただ、今節の瓜生はどっちも凄いぞ、

というムードがぷんぷん漂っている。もはやバレバレだけど。

 

 

天才キモリやんが、キターーーーーッ!!

 

早熟の天才・守田俊介のムードが一変したぞーーーー、ベベンベン♪

彼の爆笑ブログ『風雲きもり城』を読めばわかるとおり、

俊介といえばローリングシースー(回転寿司)、ラーメン、甘味……

減量などはお構いなし、本能に忠実に食い漁る

ジャンキーグルメ愛好家で体重は56、57キロが当たり前、

「そんなヘビー級でSGに出てくるなや~」とファンに罵倒されても、

やっぱりついついうっかりシースーに手が伸びてしまう

究極のエピキュリアンレーサーであり、

デビューから2年と9カ月でGI新鋭王座、2年と10カ月で

SG総理大臣杯に参戦して「京の若き英傑・中川俊介(旧姓)

ここにあり、SG制覇はもはや時間の問題」と謳われた

かつての栄光やや色褪せ、生来の整備下手、抽選運のなさも

手伝ってSGを獲れぬままいつしか齢は37、

このまま偏食グルメ家として生きるつもりなのか、おいっ、

などと私も半ば諦めかけていたところ、

 

今節の俊介は2日で4キロも減量して未だかつて見たことのない

夢の50キロ台まであと400グラム、同時にレースぶりも

冴えに冴え渡り、艇界の生き字引ミスター今村豊をツケマイに沈める離れ業まで成してしまっては「ついに眠れる獅子が目覚めおったか、待ちに待ったSGを赤城の山の麓にて奪い取ってしまうのか」と

十数年前に毎晩見た夢がデジャブのように蘇り、

はたまた俊介本人も「まったく別の乗り物のよう!!」と確かな手応えを

感じるに至って、メールアドレスを<syunsukesg@以下略>としているこの私の悲願が、嗚呼、今節いきなり叶うような気がして、

日々眠れぬ夏の夜を過ごすことになるでありましょう、ベベンベンベン。 

 

 

 

 

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う、ついつい調子に乗って一気に書き殴ってしまったが、

よくよく考えれば今節の俊介の成績は⑤②③着。

って、まだ6・00にも満たない状況なのだな。

ただ、この3走の枠番は3・4・6だから、上々の滑り出し。

いや、そんな瑣末的なことより、とにかく生来の無精者である俊介が

ここまで極端な減量をし、何度も水面で試運転もし、

レースで軽快な伸び~回り足を見せているというだけで、

天変地異にも近いサプライズなのだ。 

今さらSG優勝云々とはいわないよ、俊介。

今後もこれほどストイックに戦ってくれ、とも思わない。

ただ、今節はここまで信じられないくらいに頑張っているのだから、

最終日までその集中力と忍耐力を切らすことなく、

ひたむきに走り続けてほしいぞ。

久々に、真の天才レーサーの走りを、

ベストコンディションで魅せてくれっ!!

 

(photos/シギー中尾、text/H)