猛暑の赤城ダッシュ祭
いやぁ、驚いたのなんの。最近のSGでは珍しいダッシュ×ダッシュ決着が、1Rから3連発だ!! まずは1R、もうスリットの段階でウルトラ大万シューが決まってしまった。なんたって3コースの深川真二がコンマ41、4コースの郷原章平がコンマ44なのである。でもって5コース森高一真がコンマ19なのである。その差、2艇身弱。森高は軽々とドカ2艇をまたぎ、その勢いでイン坪井康晴まで引き波にハメた。
で、6コースの熊谷直樹がコンマ20から、注文どおりのマーク差し。これがズッポシ音を立てて突き刺さり、6コース×5コース決着で2連単30番人気!の275倍。3着が大本命の坪井だったのに、3連単も746倍の超大波乱となった。おそらく、的中した人の大半は145BOX買いだったのでは??
ひとたび火が点いたダッシュ組の勢いは、もう止められない。2Rは5コース井口佳典が差し回り、6コース馬袋義則がその上をぶん回しての豪快なまくり差し。この強襲がものの見事にはまって6-5のヨシノリセットが誕生した。2連単138倍、28番人気。3着もダッシュの中里英夫が食い込んで(平尾失格で恵まれ)純正アウトセット654の3連単は418倍。
/clear
ダッシュ・サプライズは終わらない。
それどころか、3Rはとびっきりのサプライズだった。
1マークで重野哲之があっさり逃げ態勢に持ち込み、
バックではかなり縦長の1-5-6に。しかも原田篤志が転覆、
秋山直之と川上剛がエンジン不調となり、
この順位は不動のものと思われた。2マークでも波乱はなく
①重野、⑤松井、⑥石渡で2周ホームへ。
もう、払戻窓口に並んでもいい鉄板態勢だ。
/]とっこっろっがっ!!
縦長の3艇が転覆艇を回避し終えた2周バック、
先頭の重野だけがいきなり外にヨレはじめた。
重野にも1M接触時の影響があったのか? そうではなかった。
外に艇を寄せた重野は、そのまま寂しそうにピットへと帰ってしまったのだ。まさかまさかの、妨害失格。
この厳しい宣告によって松井が1番手、石渡が2番手に繰り上がった。まともに走れる状態ではなかった川上が、
なんとかゴールまで辿りついて3着入線。本命サイドの156が、
驚愕のアウトセット564に変わってしまった。3連単は471倍。
こちらは爽快なダッシュ決着には程遠い、
後味の悪~いレースではあったが。
※万点さんから質問があったので、
桐生ボートの判定結果をここに記しておきます。
「1号艇の重野選手は1コースからスタートし、
徐々に外側にコースを取り旋回態勢に入る際、
2コースの2号艇を外側に張り出して接触した。
その為2号艇が大きくバランスを崩し、
アウト側に流れ3コースの3号艇とも接触し、2号艇は転覆した。
その後3号艇は4号艇と接触、失速した。
この一連の航法において原因を作った1号艇を
競技規程第19条(外圧)の妨害失格と認めた事象である。」
要するに玉突き事故を引き起こした張本人ということになる。
私の目にも、重野のレースっぷりは、
普通のイン選手のそれだったと思うのだが……。
節イチは瓜生です、ね。
「何を今さら、みんな知ってることじゃんか」 と笑われそうだが、
前検から節イチは今村だ山口だと言い張ってきた私にとって、
これは屈辱的な宣言なのである。できればこんな宣言、
したくないのである。 が、またまた今日もあんなレースを目の当たりにしてしまっては……。今日の瓜生も凄かった。
5Rは5コースから力任せの一気まくり。
1マークでイン横西奏恵と接触したのだが、
それがナンボのもんじゃいという風情で伸び続け、
バック中間では後続をぶっちぎってしまった。
あのスリット~バックの迫力は、ちょっと他とは次元が違いすぎる。
で、このレースには瓜生=節イチを
如実に物語る“証拠”が隠されていた。まず、今日の昼過ぎ、
『神田川』の喜多條忠先生からこんな話をお聞きした。
「桐生ホームページのトップに出る半周ラップタイム、
あれは展示タイムなんかよりはるかに優秀で、信頼度抜群だよ。
他に、回り足タイムとか直線タイムもあるけど、
抜けて半周ラップタイムが役に立つ。あれは本当のお宝だからね、
騙されたと思って活用してごらん」 こう聞かされて、
今日は桐生ホームページとニラメッコしたのだが、
なるほど面白いデータなのだ。展示タイムが上々なのに
半周タイムはやたらと遅かったり、その逆もあったりで、
要はその比較によって「回り足~出足、行き足」の部分が
はっきり見て取れるのだ。いや、すべての足というべきか。
あのタイムを見れば、内枠で軽視すべき選手、
外枠でも狙える選手がそれなりにわかると私も確信した次第だ。
興味を持った方は、明日からチェックしてみてほしい。
あくまでも「半周ラップタイム」だけなので、間違えないように!
さてさて、本題。
こうしてつらつらと半周ラップを見てきた私なのだが、
今日のトップタイムを弾き出したのは……この5Rの瓜生だった。
しかも18秒13はベラボーに速い。ちなみに5Rの
各選手の時計(18秒の後の数値)を羅列すると①62②50③39④72⑤13⑥19秒06。圧勝である
(レース結果も、タイム通りの5-3-2。
③憲吾が②坪井よりも速いというあたりが面白いでしょ!)。
12Rが終わってのべ72選手の時計を見比べたとき、
私は「こりゃもう、瓜生でしょ」と呟いたのだった。
その12Rの4コースから簡単に2番手を取りきって盟友・幸哉を
どんどんとことん追い詰めてゆく姿は……去年までの瓜生、
そのまんまに見えた。明日の6号艇1走で
よもやの大敗を喫しない限り、準優~優勝戦の白いカポックを
譲ることはないだろう。うん、また戦車に竹槍で、喧嘩を売ろうかな!!(photos/シギー中尾、text/H)