1Rから大激戦! 5号艇に石川真二の名前があって、
進入から激しいものになることは充分に想像できたが、
レース自体もアツかった! 1マークで差して先頭に立った鎌田義を
2マークで石川がツケマイ逆転! 鎌田を引き波にハメて堂々と先頭に立っている。ところが、2周1マークでは平田忠則が差して逆転!
二転三転の結果、オープニングは⑥-⑤-③という
3連単になっている。う~ん、アツい!
石川は、結果だけ見れば「初戦2着」という好発進。
しかし、いったんは先頭に立っているだけに、
むしろ悔しさしか感じない初戦である。
「守りに入った瞬間、1マークのうねりがめっちゃ高く見えて。
それでターンの出口でバタついて……くっそー」
2マークは徹底的に攻めたのだが、先頭に立った瞬間、
安全に先頭を守ろうとしたらしい。それが敗着となった。
原因が己の内なるものとわかっているだけに、
石川は本当に悔しそうに顔をしかめていた。
さらに悔しがっていたのは、鎌田義だ。
選手紹介でもパフォーマンスで沸かせてくれたカマギーは、
水面では正反対ともいえる勝負師の顔を見せる男。
勝っていたレースを落としたのだから、レース後の表情が
ひたすら厳しいのも当然だ。その顔つきは、
選手紹介で見せるものとは大きなギャップがあって、
親しくさせてもらってる僕でさえ、震えがくるほどの迫力だ。「つーーーーっこんっ!」 落ち着きを取り戻した鎌田は、
苦笑いを浮かべながら「痛恨」をおどけた調子で語ってきたが、
それでもやはり悔しさはぬぐえない。
「水面が悪かったから、差しを警戒してたんですよね~」
その失敗がひたすら悔しーーーっ!
カマギーの勝負師たる姿は、本当に清々しいと思う。
もっとも悔しがっていたのは、湯川浩司だ。
選手紹介で明らかになったように、SG3節連続初日1R1号艇。
いろいろ複雑な思いもあるだろう。
当然、結果を出さねばという決意も強かったはずだ。
それがまさかの大敗……。さまざまな思いが一気にネガティブな方面に振り切れて、湯川は表情をなくしていた。まだ初日1R。
いくらでも取り戻すチャンスはあるはずなのに、
もうすべてが終わったような雰囲気を醸し出して、
湯川は溜め息をつくのであった。
ともかく、ダービーはいきなり激しい! いきなりアツい!
一節間、福岡水面は我々を楽しませ続けてくれることだろう。
さてさて、今朝、表情がおおいに気になったのは、松井繁だ。
ハッキリ言って、ゴキゲンに見えました。
現在発売中のBOATBoy11月号は、巻頭インタビューが松井繁。
表紙も王者です。そんなわけで、やや心安い顔を見せてくれたのか
もしれないが、顔を合わせたときの様子はやけに明るいものだった。
まだまだ手応えを掴み切っているとは思わないが、
少なくとも現段階では悪くない感触を得ていると見た。
今節は強い王者が見られそうだぞ、やっぱり。
(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)