昨日に比べても冷えてきているが、そのためなのか、
ペラ小屋で作業をしている選手はやはり多かった。
13:50分頃に覗いたときには20人ほどの選手が
密集状態をつくっていたくらいだ。 そのなかで目立ったのは、
海野ゆかりと中里優子がペラを手にして話し合っていた光景だ。
どちらがどちらに、という部分はわかりにくかったが、
雰囲気としては、中里が海野にアドバイスをしていたのでは
ないかと思われる。
その約10分後。 2時過ぎにもう一度ペラ小屋を除くと、
海野と岸恵子の2人だけになっていた。
こういうことがあるからピットはみずものだ。
そのすぐあとにはまた、金田幸子、池田浩美、岩崎芳美と、
次々に違った選手が入ってきていたが……(写真は岩崎)。
海野と岸の2人しかいない時間帯だけ
ペラ小屋を覗いていたとすれば、
今日はペラ調整をしている選手が少ないな、
という印象を持っていた可能性もあるわけだ。
タイミングでいえば、選手同士の交流などもそう。
ふだんは一緒にいるところを目にすることが多い
永井聖美と茶谷桜の83期コンビだが、昨日、今日と、
一緒にいるところを見かけていなかった。
そこで、うちのスタッフに「今節は、永井さんと茶谷さん、
一緒にいないね?」と話してみると、「バリバリ、一緒にいますよ」と
返された。 その少しあとには、「今もいますよ」と教えてもらい、
早足でその現場へ直行したのだが……、
すでに二人は離れたあとだった。 今節はもしかしたら、
この2人のツーショットは見ることがないかもしれない。
今日の永井と茶谷は、それぞれにひとりで
作業をしている時間が長かった。 茶谷は1R一回乗りで
6着に敗れたあと本体整備をやっていた。
永井はギアケース調整やペラ調整など、1日を通して
休みなく作業を続けていた印象だ。今日のドリーム戦勝利にも、
その成果は出ていたはずだ
83期コンビのツーショットが見られなかった代わり
というわけではないのだが……。
永井が装着場の隅でひとりで作業している傍に
滝川真由子が寄っていき、けっこう長い時間、
アドバイスのような言葉をもらっていたところは目にしている。
そのときの永井は、まさに「いい先輩」という雰囲気だった。
その滝川が自分のボートのもとへと戻ると、
守屋美穂がやってきて、しばらく話をしていた。期でいえば、
守屋が一期上ということになるわけだが、
「いい先輩後輩」というよりは「いい仲間」という印象が
持たれる雰囲気だった。
“立ち話括り”でいえば、貼り出されたスリット写真の前で、
高橋淳美が福島陽子に対して「ここで前に行ってるのは偉いね」
「立ち位置がわからないから……」などという話をしていた。
どの写真のどのスタートのことを指しているのかはわからなかったが、一枚のスリット写真を見ても、選手にはいろいろなイメージや物語が
伝わっていくものなのだろう。
本日……、整備室にはひとつの変化が起きていた。
変化というと大げさだが、その隅にある空調機の前に
絨毯が敷かれて、「仮設プロペラ作業場」になっていたのだ。
大村ボートのスタッフの方に聞いてみると、
「暑いときや寒いとき」にこの場が設置されることがあるのだそうだ。 最初にこの「仮設プロペラ作業場」を見つけたのは、
ペラ小屋が混み合っていた時間帯とも重なるが、
ここで作業をしていたのは鵜飼菜穂子ひとりだけだった
(少し経ったあとには、永井もその横で作業を始めた)。
う~ん、真剣にペラを見つめる鵜飼さんはいいなあ。
(PHOTO/中尾茂幸+内池=鵜飼のみ TEXT/内池)