則雄が怪物パワーだ!
今日のイン戦⑤①①④②①②①②③①①
1着率50% 2連率75% 3連率83%
イン天国の住之江にしては、
今日のイン選手はコロコロと負けた。
最近の記念戦線の初日は、スタートが揃わないなどの理由で
イン1着率50%前後になることが多い。
こんなシリーズは2日日以降にインが激強になりやすく、
明日は7~9勝になる可能性が高い。
で、今日のイン選手で「間違いなく節イチパワー!!」と唸らせたのが、
地元の吉永則雄だ。6R、例によって西島義則が
ドカドカとスロー水域に押し寄せ、吉永の起こしは100m弱。
勢い、3コースの渡邉英児が強ツケマイで迫り、
吉永はこの面倒を見るハメに。そこに、どかーーーんと
5コースから「伝家の宝刀・憲吾スペシャル」が突き刺さった。
完全な5-1態勢だ。
が、ここから憲吾と則雄の差がどんどん詰まっていく。
2周バックのストレートで、ついに併走。そして2周2マーク、
則雄が先マイすると、差した憲吾は3艇身も千切れてしまった。
凄まじい大逆転劇。1周以上も憲吾の引き波の上を往来したというのに、勝ちタイムの1分46秒3は今日のトップ時計でもあった。
これをシリーズの節イチと呼ばず、誰を呼ぶ?
明日の則雄は、3R5号艇&11R4号艇。
もう気づいてしまったファンも多いだろうが、
アタマかヒモに絶対に押さえるべき存在だと思うぞ!
篠崎、鉄兵が連勝発進!
今日の勝利コース①6勝②1勝③3勝④1勝⑤1勝⑥0勝
無傷の2連勝、ゴキゲンなロケットスタートを切ったのが
篠崎元志と石渡鉄兵だ。
しかも、両者ともに1号艇=イン戦以外での連勝だから価値が高い。 まずは石渡。1R2号艇から西島を入れての3コース発進。
西島が少し凹んだところを見逃さず、
一閃のまくり差しで突き抜けた。後半7Rはさらにド派手だった。
3号艇の3コースから、今度は強ツケマイを選択。
これはインの三井所尊春にブロックされ、
1艇身差で2マークに向かう。
石渡は外だけに差しがセオリーだが、ここでも委細構わず、
三井所に全速のツケマイを浴びせた。
「これが伝統の関東ガマシだっ!」と叫ばんばかりに。
この2連発のツケマイがものの見事に決まり、
今節第一号の2連勝レーサーとなった。
で、石渡よりも不利な枠、5号艇&3号艇で
大技を炸裂させたのが篠崎元志だ。
4Rの5コースまくり差しは、器のデカさを存分に感じさせるものだった。スタートほぼ同体から、誰に連動するでもない。
自分で全速でぶん回して自分で差し場を見つけて
持ち前のターンスピードでそこに舳先を突っ込んで、
それで圧勝してみせた。自力・他力のあるまくり差しの中で、
文句なしの自力決着。
この若きハンサムガイは、日に日に、そしてまだまだ強くなってゆく。 返す刀で10R。3コースの元志は、今度は冷静沈着に展開を突く。
2コースの横澤剛治がイン濱野谷憲吾に直まくりを浴びせた瞬間、
元志はもう差しハンドルに構えていた。早くて、速い。
もちろん、こちらは「展開さまさま」の圧勝でもあったのだが、
今日の篠崎はスリットから半分近く覗く行き足を携えている。
これがデカい。
昨日も書いたが、元志という男はスリットから覗いたときに、
直進して様子を見る前に自分で技を仕掛けようとするタイプ。
つまり、①スリットから覗く②内艇の様子がすぐにわかる③まくるか割り差しか差しかを瞬時に決めて迷わず実行に移す。
そんなタイプだから、今節のような足があると、
鬼のような強さを発揮するのだな。最高のリズムで5・3号艇を“クリア”して、明日は1号艇の1回走。
無傷の3連勝で、とりあえずパーフェクトVへの夢が膨らむ可能性は、極めて高い。 もうひとり、開会式でV宣言をした石野貴之も②①着と気を吐いたが、こちらは枠番どおりの着順。
すでにふたつの好枠を消化した分、ライバル元志のほうが
よりVに近いと思うのだが、どうか。
気まぐれ連載
『艇界のエジソン』亮太の挑戦①
持ちペラ制の時代、両端の一部をざっくり切り捨てる
SFチックなペラ「亮太スペシャル」で艇界を震撼させた
孤高の天才児・中村亮太。
「バーナーや金槌が使えない新ペラ制度は、
亮太にとって不利なのでは?」 などと不安視されていたが、
なんのなんの、誰もが見向きもしないナカシマ製のペラを駆使して「新・亮太スペシャル」が煮詰まりつつある。
今日の亮太は、8R4号艇の1回走。
もちろん、昨日のうちにナカシマを超伸び型に叩き変え、
チルトもMAX1・5度に跳ねて、あえての6コース勝負。
今日のトップ展示時計6秒56を引っ提げて颯爽と発進したが……
スタートで半艇身後手を踏んで万事休した。
レースにならなかったのは残念だが、
無論、この失敗でくじけるような男ではない。
明日も枠番や水面状況に応じて、
あの手この手の秘術を尽くすだろう。ん、明日は⑥⑤枠
……また跳ねてきそうだぞ!
(photos/シギー中尾、text/H)