'今日の進入状況
枠なり…9レース
非枠なり…3レース'
※うち1号艇以外がインコース…1
イン3勝のみ。枠なりが多かったのに、今日はよくよく荒れた。おそらく、最大の要因は3Rあたりから徐々に強くなってきた向かい風だろう。昨日「強い追い風が吹けば、1マークにうねりが起きてたちまち荒れる」と書いたが、向かい風も違った意味で波乱を演出する。記者席から見ていても、4カドなどのダッシュ勢がスリットから伸びるわ伸びるわ。もっさりしていた昨日までとは、まるで別水面のような伸びだった。
ダッシュが利くから、外コースの選手が面白いように連に絡む。6Rは4カド今村暢孝の握りマイに乗って、6コースのグレートマザー日高逸子が頭まで突き抜けた。3連単フォーカスもド派手な654! カドが伸びるボートレースは、こんなフォーカスが平気で出るんだよなぁ。今までの最高の270倍になった。
8Rも同じ。4カドの水上浩充がスリットほぼ同体からキュッと出て行くので、必然絞りまくりに出る。それを艇界随一のまくりブロッカー西島義則が、がっちり受け止めて弾き飛ばす。どうなるかというと、絵に描いたような5-6アウトセットが生まれるのである。3連単145倍。
止めは11R。「こんなに伸びる水面なんだから、マーク差しなんかしてられるか」とばかりに、アウト6コースの瀬尾達也が自分からまくりに行った。絞りまくりでもなんでもなく、瀬尾は軽々とインの山﨑昭生まで追い抜いていた。ペラが仕上がったときの阿波勝哉みたいだった。2着が人気の今村豊だったのに、3連単は268倍。
穴党の私は、これらのレースで万シュー券ばっかり買っていたのに、正解に至ることはできなかった。こういう日にでっかいのを獲らなきゃいけないのだよ。びわこの水神様、お願いですから明日の勝負駆けでも穴党に心地よい風をふうふう吹いてくださいまし!
するすると、江口
予選トップ争いが気になる季節がやってきた。V候補の一角だった新入生の熊谷直樹がケガで帰郷し、去年のシリーズリーダー山室展弘も圏外に飛び去った。軽快な動きで予選トップの可能性があった今村暢孝は、妨害失格で脱落した(本人はただ最内を差しただけで、何が起こったかまったくわかってなかったはず。厳しすぎる!)。
そんな中、3日目で予選トップに立ったのは……ピッカピカの新入生・江口晃生だった。「えっ、いつの間に??」と驚いたのは、私だけだろうか。初日から②②①②①という素晴らしい成績だというのに、レースっぷりはさほど記憶に残っていないのだ。
「この成績ほどの足ではないです。ただ、乗りやすくて舳先が思ったところに向く」
と本人もインタビューに答えていたが、「出足&回り足を強めにして、しぶとく上位着を拾う」という江口スタイルに仕上がっているのだろう。別に、優勝するためにド派手な戦法が必要、なんてことはない。今節の回り足のようにくるくるするすると先頭に忍び寄り、真っ先にゴールに辿りつけばいいのだ。明日は12R5号艇の1回走り。この最終関門をクリアすれば、出足&回り足わ存分に活かせる枠番が約束される。
そして、目下の予選2位はというと……古場輝義か。
………えっっ????
連載企画 今日のアラセブ
『走る人間国宝』加藤峻二と『瀬戸内の静かなるドン』万谷章をとことん応援するコーナーなのだが……だんだん書くのがつらくなってきた。
'★加藤峻二…1R3号艇⑤着、7R2号艇⑥着 節間勝率2・25
★万谷章…3R2号艇⑥着、8R3号艇⑥着 節間勝率1・25'
まずは万谷親ビンだが、レースに参加すらできない惨状だ。今日の2回走も、1マークを回ってずり下がり、そのままズルズル引き離されて大差のシンガリ負け。あの手この手の整備を施したようだが、正解に近づくどころか、むしろ遠ざかっている気がするなぁ。もちろん、今日の大敗で予選突破の道も完全に閉ざされてしまった。69歳での名人返り咲きの夢は、3日目にして消え去った。
一方、峻ちゃんはしっかりレースに参加しているのだ。今日の1Rでも、途中まであわや2着という見せ場があった。が、ターンするごとに着を落とし、結局は5着。同じゴンロクでも、万谷親ビンのそれとはワケが違うのだが……。
そして、今村豊とメークマッチされた7R。私はもちろん2=3の観戦料を支払ってスタンドにいた。3年前の徳山では直まくりを打った峻ちゃんだが、今日は差しに構えた。その上から3コースのミスター今村が襲いかかる。ただ、今村はまくり差しかまくりか一瞬迷ってから、まくりに出たように見えた。これでは届かない。むしろ、差した峻ちゃんが2、3着を拾えそうなバック直線だ。人気の今村が飛んで、無印の峻ちゃんが舟券に絡めば……すわ、大穴か??
だが、1周2マークを回ってみたらば、峻ちゃんはズルリと後退し、代わって今村が2・3着争いに加わっていた。また今年も、今村の背中を拝む結果になってしまった。残念ながら、今年の直接対決は「名勝負」とはならなかったが、来年も再来年もこのドリームマッチは組まれることだろう。そう信じたい。(photos/シギー中尾、text/H)