BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット―百戦錬磨のオールスター

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 いや~、名人の笑顔、いいなあ。

 江口晃生は、びわこのピットでも柔らかい笑みを浮かべ、見る者に癒しを与えていた。名人位ゲットのあとも、もちろん素敵なスマイルを見せていて、なんとも幸せな気分になったものだった。

 SGのピットでも、名人スマイル健在! 仲間と顔を合わせれば笑顔、レースを終えれば笑顔、とにかくそこに柔和な空気を生み出しているのだった。9R終了後は、初戦1着で勢いに乗る鎌倉涼を貫録の捌きでしりぞけて3着浮上。表情がきらきらと輝くのも当然というものか。平石和男に声をかけられると、実に楽しそうにからからと笑い、平石も細い目をいっそう細めるのだった。

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 その平石和男も、実にいい雰囲気だ。今日は10R発売中まで試運転を続けており、明日への準備を怠りなく進めている。遅い時間帯の試運転は、篠崎仁志などの若手が中心になるものだが、平石はそこに混じって、若々しく走っていた。

 どのレースかは失念してしまったが、レース後にボートリフト前に集結した関東勢が、次々と平石にペコリお辞儀する、なんていうシーンがあった。まず石渡鉄兵がペコリ頭を下げると、桐生順平、毒島誠、さらに山崎智也がペコリペコリ、という場面。石渡のペコリはエンジン吊りをヘルプしてもらった礼のように見えたが、後続については不明。しかし、平石が後輩から多くの尊敬を集めていることは間違いないのであって、関東勢の楽しげなひとときに見えたのであった。

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 その平石と同じタイミングで試運転を終えたのが、烏野賢太である。昨年のオーシャンカップ、猛暑のなかで試運転を延々と続け、毎日のようにボートを陸に上げるのがいちばん最後、というシーンを目撃し、感服したものであった。烏野に声をかけたら、それを特別なこととはまるで意識していないようであったが、外に出るのが苦痛なほどの暑さのなか、僕はただただ頭が下がる思いなのであった。

 実際、これが特別なことでないのは、3月の総理杯でも確認している。やはり遅くまで試運転をやめなかったのだ。そして今日もまた同様。グレイトであり続ける原動力は、この動きに象徴されるような烏野賢太の姿勢、であろう。明日は3R1回乗りだが、きっとその後も、水面で、ピットで、烏野の姿を頻繁に見かけることになるのだろう。

 

 というわけで、朝のピットでは若手の瑞々しさが目立っていたわけだが、一気にベテラン勢に目が奪われた後半なのであった。

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 それに気づくと、つい目がベテラン勢を探してしまう。9Rを快勝し、爽快な表情を見せている山川美由紀、とかね。10R終了後に出発する帰宿バス第1便に乗ってピットを後にしているが、足取りはなんとも軽やか。その前には森高一真と談笑していたが、コワモテと姉御の笑顔はなんとも言えないマッチングとなっておりました。

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 その山川にまくりを許した服部幸男は、レース後に休む間もなくペラをチェックしていた。今のところ、ペラ調整所(装着場の一隅にある“野外調整所”)でもっとも姿を見ているのは服部かなあ。もっとも、これは今節に限らない服部幸男の姿であって、己のスタイルを徹底的に貫くあたりが、百戦錬磨の強者という気がする。それにしても、服部をベテランの枠に入れるのは、個人的にはちょいと違和感、ですな。ということは同期の王者も……ということだし。

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 その意味では、69期生である三嶌誠司もベテランに入れていいのかどうか非常に悩む。私、同い年ですしね。今朝、いつもの爽やかさで「クロちゃん!」なんて声をかけてくれた三嶌だが、調整に臨む動きや、レース後に間髪入れずペラ調整所に陣取る様子を見ていると、築き上げてきた年輪みたいなものを感じてしまうわけである。9Rは不本意な成績に終わっており、それもあってか、ペラを外してゲージを当て始めるスピードは早かった。動きにまったく無駄がない、というか。大敗を喫してしまった要因は、その素早い動きの中で見つけることができただろうか。

 

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 最後にベテランじゃないけどオマケ。チャーリー池上カメラマンと田口節子を激写しましたので、ここに掲載しておきます。モノノフの集い、であります。ももクロパワーで頑張れ、節ちゃん!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田=三嶌、モノノフたち TEXT/黒須田)