BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

THEピット――奮闘中!

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 今朝のスポーツ紙などで、池田浩二の超弱気コメントをご覧になった方もいらっしゃるだろう。「本格的にギブアップです」。基本的に泣きコメントが多い池田だが、ここまで言ってしまうとは。それくらい、モーターが弱いのだ。

 でも皆様、池田浩二はぜんぜんギブアップなどしてませんぜ! 福岡ピットの本体整備用テーブルは、整備士さんの控室を挟んで奥のほうにあるので、時に選手の姿が死角になりがちなのだが、今朝、池田の姿をそこにハッキリと見た! そうです、本体整備に取りかかっていたのだ。ギブアップとは、池田流のおどけた表現だったのだろう。だって、パワーアップに必死になってるじゃないか。というわけで、実際に気配がどうなるかはこれからの調整次第であり、展示などで確認するべきだろうが、池田は12R1号艇を絶対に取りこぼさじ、の気合で奮闘している。さっきオッズ見たら、意外に配当ついてたので、美味しいイン戦かもしれませんぞ(僕は狙います)。

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 本体整備は、ほかに日高逸子も。11Rに向けて、こちらも奮闘中だ。エンジン吊りにはあらわれていて、それを終えると整備室へダッシュ!「けっこうせっかちだから、つい走っちゃうんですよねえ」なんて以前言っていたが、1秒たりとも無駄にすまいと走る姿には、いつもいつも頭が下がります。

 

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 昨日と同様に気温は高く、体感ではさらに暑くなっている2日目。朝から選手たちは試運転、ペラ調整などに大忙しだ。初日連勝で絶好のスタートを切った桐生順平も、早くから水面に出て手応えを確かめていたし、桐生と同じ7R出走の丸岡正典も同様だった。丸岡は井口佳典、湯川浩司らと「銀河足合わせ」を行なっていて、見ているだけでつい嬉しくなってしまいました。レースではガチンコでやりあう銀河系軍団、足合わせは普通にやってました、当たり前だけど。ピットに戻って感想などを交わし合うシーンは、なんだか豪華な顔合わせを目撃した気分になるというものだ。なお、井口佳典は、新田雄史と「師弟足合わせ」も行なっていた。SG揃い踏みはこれが初めてではないが、新田にとっては心の支えがそばにいてくれるわけだから、力になるというものだ。

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 師弟といえば、1Rで5着に敗れてしまった鎌田義には、松井繁が柔らかな笑顔で歩み寄って、声をかけている。王者にレースでの感触などを伝えながら、カマギーはおどけたように笑っていたが、わかってくれる人(しかもそれが王者)がいてくれることは最高に心強いことに違いない。ただ、松井と離れると、ふっと厳しい表情になったりして、鎌田の真の姿というか、勝負師の顔があらわになったりもしていた。敗れてはらわたが煮えくり返るカマギーの本音、というのも、きっと王者は理解しているに違いない。

 

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 さて、2Rで秋山直之が豪快なレースを見せた。1マークはツケマイで三嶌誠司に並びかけ、2マークもツケマイで抜け出す。まさにスナイパー秋山の真骨頂である。秋山のレース後というのは、勝っても負けてもけっこう淡々としており、感情をそれほど表にあらわさないという印象で、今日もピットに上がったときには特に表情を変えていなかった。だが、その後に田頭実とレースを振り返りはじめると、ニッカァ!と笑った! 久しぶりに見たぞ、秋山のこんな笑顔! きっと田頭の言葉が秋山の心を開かせたのだと思うが、とにかく最高の笑みであった。これで初日から連勝。今節の台風の目になりそうだぞ。(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)