BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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若松オーシャン準優ダイジェスト

ザ・ハートラン

 

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'9R

①篠崎元志(福岡)05

②白井英治(山口)06

③秋山直之(群馬)07

④飯島昌弘(茨城)09

⑤森高一真(香川)10

⑥井口佳典(三重)11'

 

 

 

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 最終1マークを回って、ほぼ5艇身間隔で1-2-3-4-5-6。きれいな“展示決着”が出来上がった。こんな隊形を見ていると、いかに準優の枠番=予選順位が大きいか、改めて痛感させられる。もちろん、最大のアドバンテージを得たのは篠崎元志。昨日の1R、6コースからコンマ01・捨て身のまくり差し=予選3位が、この大一番で生きたわけだ。もしも昨日の1Rで“ギャンブル”をせずに敗れ、今日の枠番がセンターあたりだったら篠崎が勝ちきるのは難しかっただろう。

 

 

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 そして、もちろん篠崎は今日も当たり前のように行った。コンマ05、トップS。男前のルックス、男度胸のスタート、凛々しい光速インモンキー。なぜか天は、二物も三物もこの若者に与えてしまった。いや、そのすべては天から授かったものではないな。

 機力より気力で走る男。

 私の篠崎に対するイメージはこれに尽きる。今節もこのイケメンNO1レーサーは、劣勢パワーを気力で補ってここまで来た。明日も、優勝を狙うには突出するほどのスタートが必要だと私は思う。そして、目を瞑ってそれができる男だとも確信している。ハートは、天から授かるものではない。

 1着・篠崎、2着・白井。

 

 

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 白井の足は、回り足を中心にバランスが取れ、どんな状況にも対応できる弱点の少ない足だと思う。あえて挙げるなら伸びがやや弱く、たとえ4カドでも自力で攻めきるだけの破壊力が乏しい。このままのパワーで展開を待つか、行き足から伸びを付けて攻撃力をアップさせるか、明日の作戦に注目したい。

 

 

 

 

 

天才の明暗

 

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'10R

①峰 竜太(佐賀)08

②吉川元浩(兵庫)13

③茅原悠紀(岡山)09

④湯川浩司(大阪)13

⑤中島孝平(福井)11

⑥今村 豊(山口)07'

 

 

 

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 ゼロ台まで踏み込んだ峰の逃げは文句なし。2着争いがもつれたが、惜しかったのはミスター今村だ。お家芸の「ターンマーク150m起こし握りっぱスリット全速通過」がものの見事に決まった。あっという間に1艇身抜け出して、渾身の絞りまくり。若き茅原がこれに合わせてブロックしようとしたが、合わせきれずに引き波に沈んだ。バックの隊形は1-6-4。若き天才と元祖・天才が、手に手を取って明日の優勝戦に向かう(ついでに私の舟券も当たる)。そんな光景に見えた。

 

 

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 だがしかし…………2マーク、3着では何の意味もない湯川が、内に切り込んで先マイを打つ。ミスターはその動きを見て冷静に差した、かに見えたが……小回りを狙った吉川とゴッツンぶつかって、51歳でのSG優出は夢と消えた。

 1着・峰、2着・湯川。

 峰の足はターン回り~ターン出口で押していくパワーが気持ちいい。「フライングを切ってでもスタートを行く」と宣言している松井をまくりきるのは難しく、おそらく全速の決め差しを狙うだろう。足的には、その2コース全速差しがぴったりではある。

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 湯川の足は、このままでは全体的に弱い気がする。特に、湯川がもっぱら最大の武器にしているスリット付近の行き足~伸びがパッとしない。明日はなんらかの整備で理想に近づけるはずで、その成否をスタート特訓、スタ展、展示時計でチェックしたい。

 それにしても、私と同い年のミスター、本当の本当に惜しかった!!(涙)

 

 

 

 

 

台風、散る。

 

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'11R

①松井 繁(大阪) 11

②吉田俊彦(兵庫) 09

③濱野谷憲吾(東京)05

④瓜生正義(東京) 17

⑤毒島 誠(群馬) 17

⑥吉田拡郎(岡山) 15'

 

 

 

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 憲吾が行った。コンマ05、トップS。全速かどうかはわからないが、スリットからソコソコ伸びた。が、あくまでソコソコだった。3日目までのセクシャルバイオレンスな“台風63号”の伸びではなかった。必死に舳先をかける俊彦を振り切って、インの王者にツケマイを放つ。俊彦に抵抗された分、届かない。私が楽しみにしていた両者の直接対決は、王者に軍配が上がった。

 

 

 

 

 

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 熾烈な2着争いから力強く抜け出したのは、赤城の若大将・毒島。今日に限れば、憲吾よりも確かな伸び足で艇団を割り、2マークの混戦も突き抜けた。優勝戦でもっとも怖い穴パワーは、これだ。他の面々は伸びよりもバランス型。現状では、毒島の足だけがS一撃の破壊力を秘めている。

 1着・松井、2着・毒島。

 松井の精神力は、いまさら書く必要もないだろう。昨日は5・6号艇ピンピン連勝で予選トップを力ずくでもぎ取り、今日は節イチ・憲吾63号機との直接対決を制した。

「あくまで目標は賞金王、1号艇になった以上、それ(賞金王入り)を决めるために勝つ。たとえフライングしてでも、スタートは行く」

 

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 パワーも万全の域だが、そういう次元ではないところでこの男は闘っている。峰の全速決め撃ち差し、元志の気合まくり、白井の臥薪嘗胆、湯川の経験則、毒島の破壊力……そのどれかが、絶対王者の分厚い壁をぶち破ることができるのか。現状のままでは、至難の業だと私は思う。

 嗚呼、台風63号よ……非常に残念な結果ではあったが、5日間も素晴らしい“妄想”を見させてくれて、ありがとう。(photos/シギー中尾、text/畠山)