1Rからピットでは悲鳴が起きている。
倉田郁美が1マークで対岸にぶつかるようにして転覆したのだ。
危ない事故に見えたので、「本人は大丈夫か」と心配されたわけだが…………、レスキューに乗って戻ってきた倉田は、明るく笑いながら「ただいま!」。
悔しさなどは抑えて、周りに心配をかけないように元気にふるまっていた。
着替えてピットに戻ってきたあとにも、他の選手に対して「ナニそれ!?って感じだった」などと、そのシーンをプレイバック解説……。あくまで気丈にふるまっていたのも印象的で、この後も頑張ってほしいという気持ちにさせられた。
選手同士はよく、身振り手振りを加えながら、レースのプレイバック解説をするものだが、この1レースを1号艇で2着に敗れた宇野弥生もやはりそうだった。
香川素子に対して、泣き真似までを見せながら……。
「むしろ差されるって!(笑)」
「いやあ、カッコ悪かったあ」
と笑いながら解説。
泣き真似も、笑顔も、とてもかわいかったです。はい。
2Rでは逆に「お迎え組」がリプレイ解説をしているところも見られた。
6号艇の田口節子が見事なまくり差しで勝利したのだが……、出迎えた寺田千恵は「差しましたあってところしか映ってなかったよ」と、チクリ。
頷く金田幸子も、「うん、シュッってとこだけ」と続けたので……。
田口はうなだれながら、「がっかりやなあ」。
ただ、そうしてうなだれていた田口が、にこやかに笑っていたのはいうまでもない。
その後は「ももいろクローバーTシャツ」にも着替えていました。はい。
このレースに関しては、4着に敗れた西村めぐみが、5着の細川裕子に対して、「ごめんね、締めちゃって」とも謝っていたが……。
細川は笑って、「全然です! 伸びが違いすぎました。内がおかしいんです」とも振り返っていた。
そこまで持ってきたのか、田口節子!
混戦模様の女子王座だが、ここからはいよいよ銀河女王が主役になっていくのかもしれない。
1Rで勝利した樋口由加里も、おもしろい存在だ。
勝ったレース後もすぐに次のレースのための準備を始めていたように、その機動力はバツグン!
また、作業がひと段落したあとに、守屋美穂と長く話し込んだり、互いにプロペラを見せ合い情報交換をしていた。
初日、2日目は4、5着だったが、ここからの巻き返しに期待したい!
(PHOTO/中尾茂幸=倉田 池上一摩=他、TEXT/内池)