BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――若武者の明と暗

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 1Rで金子賢志がカドまくり一撃! スタートを決めて攻め込むという、彼らしいスタイルでの勝利に、金子はレース後、爽快に笑った。同スタイルが得意技の松尾昂明も笑顔で祝福。まくり屋同士のスマイル競演には心沸き立つものがある。

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 一方、5着に終わってしまった村岡賢人は、まったく正反対のカタい表情であった。そりゃそうだ。金子のまくりを追撃して、2番手を走っていたのである。2周1マーク、3番手を走っていた同期の古田祐貴が、切り返しの素振りを見せている。これはどう見ても遠く、冷静に回れば村岡は楽々と2番手をキープしていたはずだと思う。ところが、これを気にしたのかどうか、村岡はキャビって大失速。脇を古田に追い抜かれて、さらにその後に着を落としてしまったというわけだ。レース後、古田に腰をポンと叩かれて苦笑いが浮かんだが、この悔しさはなかなか胸の奥から出ていってはくれないだろう。

 こうした経験の数々が、若武者を強くする! 村岡には今節中にぜひとも、このリベンジを果たしてもらおう。砂丘まくり、見たいぞ!

 

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 2Rでは、中嶋健一郎がGⅠ初1着をあげた。インから先に回ったが、いったんは深谷知博に差されているため、ピットに戻ってきた中嶋は出迎えた仲間に向かって、胸に手を当て大きく息を吐く仕草を見せている。危なかった~、って感じ? あるいは、よかった~、の安堵感か。それを見た同期の磯部誠が、「自分で飛び込め!」と命令(?)。もちろん一人水神祭は行なわれていないが、磯部の祝福に笑顔を向けていた。その後、1期後輩の谷川祐一もガッチリと握手。マッドドッグ・ジマケンは、誰からも愛されるプリティドッグなのであった。水神祭の模様は後ほど!

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 一方、やはり表情がカタかったのは、もちろん深谷だ。通常の深谷の乗艇体重は50kgジャスト。きっちり体重を調整してレースに臨んでいる。だが、今日の深谷はオレンジベスト。過去1年、たった5回しか着ていない50kgを切っている証しを、深谷はこの大一番で手にしているのだ。それ自体が気合のあらわれである。1マークではその甲斐もあったように思えたが、ジマケンに逆転されて3着まで順位を下げた。そりゃあ表情が硬直するというものである。いまひとつリズムに乗り切れないここまでの戦況。これを好転させることができるだろうか。

 

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 さて、SGだと3日目に本体整備をしている選手は多くないが(たいがい整備室は閑散とする)、今日は森野正弘の姿があった。昨日は1号艇が回って来ていたが、生かすことができなかった。その分も含めて、気になる点を解消しようという心づもりだろう。出番は7Rだから、それほど時間が残されているわけではない。急げ急げ!

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 あと、1R後には尾嶋一広も整備を始めていた。今日はその1回乗りなので、じっくりとパワーアップの方策を探ることだろう。機歴簿を見る目つきは鋭かったぞ。あ、後藤翔之も機能に引き続いてやってましたね。(PHOTO/中尾茂幸 池上一摩=深谷 黒須田=金子、村岡 TEXT/黒須田)