BOAT RACE ビッグレース現場レポート

BOAT RACE ビッグレースの現場から、精鋭ライター達が最新のレポートをお届けします。

津チャレカTOPICS 2日目

 今日もこのランキングから。

 

'賞金ランクTOP20 予選

①瓜生正義→  20位

②池田浩二→  17位

③新田雄史→  1位

④松井 繁→   6位

⑤毒島 誠→   29位

⑥太田和美→(休み)

⑦井口佳典→(帰郷)

⑧篠崎元志→(休み)

――以上当確――

 

          19日   20日  予選

⑨湯川浩司 6189万 6209万 19位

⑩田村隆信 6140万 6150万 26位

⑪中島孝平 5999万 6018万 10位

⑫峰 竜太  5919万 5920万(明日から鳴門)

――――

13齊藤 仁  5567万 5578万 15位

14篠崎仁志 5379万 5389万 28位

15田中信一郎5356万 5367万(帰郷)

16秋山直之 5180万 5195万 22位

17平石和男 5132万 5164万 41位

18丸岡正典 5066万 5075万 33位

19山崎智也 5024万 5032万 7位

20吉田弘文 4943万 4954万 27位

※千円単位切り捨て'

 

 昨日から目立った動きといえば、井口と信一郎が負傷帰郷。吉田弘文が21位から20位にアップ。それ以外、ボーダー近辺で大きな変化はなかった。とりあえず、今日のところは通常通りのトピックスを書くことにしよう。

 

緑の王者

 

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「6号艇の松井」

 こう聞くと、賞金王トライアルでの松井繁のくじ運を連想する人は多いだろう。それくらい、松井はよくよく緑色の玉を引き当てている。いや、引きハズシている、と言うべきか。お世辞にもくじ運が強いとは言えない王者なのである。

 

 

 

 

 

 

 

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だが、今日ここで伝えたい「6号艇の松井」は、まったく別の意味だ。もう気づいている方もいるだろう。最近の王者は、6号艇で無類の強さを見せているのだ。今日の5Rも強かった。前付けで4コースまで潜り込むと、スロー発進ものかわトップSから一気に内4艇をまくりきってしまった。この強攻に外の2艇が連動して654のアウトセット完成。

 また、今節も勝ったか。

 なんだか随分と6号艇で勝っている気がするので、調べてみたらば……。

 

 

 

 

 

 

 

 

'★オーシャンカップ…3コースまくり・654で2120円(F艇あり)

★MB記念…5コースまくり・621で10220円

★ダービー…4コース差し・634で10380円

★チャレンジカップ…4コースまくり・654で13580円'

 

 

 

 

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 なんとなんと、直近のSG予選で4連勝である。今までこんな選手がいたか、『ひまひまデータ』さんにチェックしてほしいほどの固め撃ちなのである。しかも、4連勝中まくりが3発。前付けのスロー発進はまくりが難しいとしたものだが、最近の王者にそんな通説は通用しないのである。

 では、なぜこれほど松井は6号艇のときに進入からスリットからゴリゴリ攻めるのか。こう考えると、私の脳裏にはもうひとつの「6号艇の松井」が浮かび上がる。くじ運の悪い王者は、オーシャンカップあたりから「年末の6号艇」をイメージし、本番のつもりで走っているのではないか。例によって愚にもつかない妄想だが、この男なら、と思わせるのもまた王者なのである。

 

神業

 

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 いま私は、平和島の一般戦のスタンドにいるのか??

 そんな錯覚に陥る、SGではありえないレースが眼前で起きた。9Rの桐生順平は1マークの手前で揉まれに揉まれ、1周バックの入口ですでに大差の5番手。内から馬場貴也にも差し込まれ、6着になってもおかしくないポジションだった。それが、2周1マークをくるりと小回りして、一気に3着争いに。まぁ、この程度の追い上げは、桐生の場合は驚くに値しない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 ありえなかったのは、2周2マークだ。5艇身前を行くのが瓜生正義。大きく千切られつつ、桐生はやはり赤岩善生と3着争いを演じていた。握った赤岩をブロックし、桐生は再びくるりんと小回りした。それで赤岩を突き放して3着確定……と、思いきや、な、なんと、その差しが2番手の瓜生を捉えていたのだ。瓜生にターンミスがあったとしても、考えられない逆転劇だ。

 さらにありえないミラクルが、最終ターンマークで起こってしまう。外から執拗に食い下がる瓜生を振りほどくように、またまたくるりんと小回りしたらば、その差しが先頭の林美憲を捉えきってしまった。これぞ、大逆転。引き波のない水面を走り続けた林と、常に前方の引き波を受けつつ常に誰かしらと競り続けていた桐生。両艇の差は、2周目バックで軽く8艇身はあったはずだ。その大差が、わずか1周半の間に入れ替わっていた。

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 SGで、こんなゴボー抜き、起こるわけないっしょ!!??

 私が錯覚に陥ったのは、ゴールの瞬間だった。道中、大差の5・6番手から1着ゴール……一般戦で極端な力量差があるレースなら、年に何度か見かける光景だ。が、トップ級のターン巧者が揃ったSGで、こんな離れ業があっていいのか。あるとしたらば、それはもう神の領域ではないのか。

 うん、書いている今も、私はまだ現実のものと信じきれていない。信じきれないまま、この月並みな言葉だけは記しておこう。

 桐生順平、後世恐るべし!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

銀河の明暗

 

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 高らかにV宣言を発していた地元レーサー井口佳典が、よもやの妨害失格に散った。12R、インの井口に4カドから襲い掛かったのが、同期のライバル田村隆信だ。まくりきる勢いの田村と、それを許すまじと早めに握って応戦態勢に入った井口と。

 すわ、久々の超弩級ギャラクシーウォーズかっ??

 そうはならなかった。井口の気性を熟知している田村が、スッと減速してまくり差しに構えたのだ。そして、折り合ったと思った瞬間、井口の艇が大きくバランスを崩して転覆。さらに、その上に山口剛の艇が乗り上げて妨害の判定が下された。公約を果たせぬまま、負傷帰郷。

 勝てる展開からこの影響を受けて失速し、4着に敗れた田村にとっても痛い結果となった。賞金王で当面のライバルである中島に1着が転がり込み、予選順位で一気に水を開けられたのだ(中島10位、田村26位)。このまま中島が予選突破し、田村が予選落ちとなれば、目下賞金10位・田村の首筋はいきなり寒くなる。1マークで中島をまくりきっていただけに、田村にとっては不運な2日目となった。

 

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 そんな中、銀河系で素晴らしい活躍を見せたのが森高一真だ。6・5号艇でピンピン連勝。どちらも艇番より内のコースに潜り込み、進入からただならぬ意気込みを見せつけた。森高と言えば、同県の先輩や後輩には「6号艇じゃ勝ちめがないから、動け動け」とがんがん空気を入れる割に、本人は意外と淡白な進入だったりする。だが、今節の一真はちょっと(かなりかも)違うようだ。パワー的にも、前検で私が節イチ候補に推したくらいだから、文句なし(笑)。明日は2号艇、明後日は1号艇という予定でもあり、このまま4連勝なら予選トップも十分ありえる。

 いつもいつも、自分のことより周囲の選手のことばかり気遣っている森高よ。今節は、己のためだけの“武士道”を貫いてみなさい!!(photos/シギー中尾、text/畠山)