女王の自信
11R
①金田幸子(岡山) 12
②三浦永理(静岡) 16
③長嶋万記(静岡) 16
④海野ゆかり(広島)17
⑤鎌倉 涼(大阪) 23
⑥守屋美穂(岡山) 26
強引に絞ってきた海野をガッチリ受け止め、金ちゃんがバックで力強く抜け出した。焦らず騒がず、見事なイン逃げだ。飄々とした顔からは判別できないが、女子王座の戴冠が相当な自信になったのだと思う。明日も同じ1号艇。進入争いは今日よりもはるかに過激になりそうだが、今日と同じ精神状態で走れれば連勝の可能性は高い。
飛ばされて5着に敗れたとはいえ、4カド海野の仕掛けもあっぱれだった。ただ、3コース長嶋がスリット前で何度もニギニギしていたのは明らかで、あの見た目の伸び足を過信してはならない。むしろ、まくられながらの苦しい差しハンドルで、しっかり2着を取りきった長嶋の足を高く評価したい。今日の行き足は論外で、明日こそ全速のスタート攻勢を見せてもらいたい。
鎌倉と守屋は、スタートで若さを露呈した。このスリットではパワー云々を問いにくいが、ぐんぐん三浦を追い上げていった鎌倉の回り足には見るべきものがあった。ミポリンは……プール掃除に終始したので、さっぱり判別できない。
頭脳プレー
12R
①平山智加(香川) 15
②日高逸子(福岡) 15
③寺田千恵(岡山) 20
④山川美由紀(香川)19
⑤谷川里江(愛知) 24
⑥高橋淳美(大阪) 24
平山が危なげなく逃げきった。11Rと違い、外から直撃で襲い掛かる敵もいなかったので、正味の回り足~レース足はイマイチよくわからない。このレース、最初に仕掛けたのはテラッチだが、陰の仕事人は4カドの山川だった。スリットから1/3艇身ほど覗き、軽く締めてテラッチに「どうするつもり?」と打診した。窮屈になったテラッチは握りマイを選択し、これに日高が抵抗した。
香川コンビが、血を流すことなくワンツー決着。
そんな印象のレースだった。スリットからやんわり締めた山川の百戦錬磨の頭脳プレーと言えるかもしれない。裏を返せば、「同体のカドからまくりきるだけの行き足~伸びはない」ということ。明日も1/3艇身ほど覗く足をどう調整し、どんな戦法で攻めるかが、レース全体の鍵になるかもしれない。
3着は、エース機として下馬評の高かった28号機を駆る谷川。ただ、この3着は内がゴチャついた間隙を突いたもので、パワーとは無縁だ。むしろ、道中で日高にぐんぐん追い上げられていたのが気になる。少なくとも、突出したエース機と呼べるパワーではなかった。12人の中では弱めの部類かも知れない。
日高に飛ばされたテラッチの足も、良し悪しを断定できない。ただ、5艇身以上も離れた最後方から、高橋を逆転した点は参考になるだろう。テラッチが水準以上なのか、高橋がよほどひどいのか、そのどちらかに絞り込める(高橋のターンミスもあったが……)。
結局、展開の有利不利がありすぎてパワー評価の難しいレースではあったが、スリット、ターン回りともにちょっとずつ山川が良かったような気がする。(photos/シギー中尾、text/畠山)