BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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牧歌的な抽選会

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 んーーーーー。毎年感じることだが、賞金王シリーズ戦の抽選会場は、今年も実にのどかだった。服部幸男と江口晃生が、身振り手振りで何事かを楽しそうに話している。カマギーが誰かしらをつかまえては、爆笑させている。

 吉田俊彦が掲示板に貼られたファンからの応援メッセージを見て、「な、なんやこれは~!」と叫ぶ。こんな文面だ。

『吉田俊彦/魚谷の代わりに頑張れっ!』

 苦笑しながら俊彦「俺のファンとちゃうやんけっ!」。隣にぼんやり立っていた守田俊介がくすくす笑う。のどかだ。どこかの田舎の寄合所みたいに、のどかだ。誰も、ガラポン機の方を見向きもしない。読み上げる数字(モーター番号)を聞こうともしない。超抜12機+予備2機は明後日の抽選のために“隔離”され、さらにその次に良さげなエンジンも、予備の予備として温存されている。みんな、それを知っている。賞金王決定戦との哀しいまでの温度差を知っている。

 

 

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 そんな中、トップバッターの森高一真だけは真剣な表情でガラポン機を回していた。20数万円差で、賞金ランク13位。ドリーム1号艇。SG連覇がかかるこのシリーズは、森高が主役なのだ。相応の責任感が、顔に表れていた。ガラポンから出てきた玉は、19番。2連率20%のワースト級だったが、凹む必要はない。どれもこれも、似たり寄ったりのパワーなのである。

 

 

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 淡々とガラポンが進む中、カマギーが大声を上げた。

「デーーーーや、デーーーーやでぇ!」

 カマギーの引いた2号機は、地元記者の作った閻魔帳で「D」の酷評を授けられていた。

「デーーーーーーーーやぁ」

 なぜか嬉しそうに何度も叫ぶカマギーを尻目に、三井所尊春が両手を激しく突き上げて「よっしゃぁ!」とガッツポーズ。今日の抽選会で、唯一の激しいアクションだ。

 

 

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 ま、まさか、知る人ぞ知る「隠れエース機」でも引いたのか、三井所?? 慌てて確かめると、三井所の68号機も数少ないDランクだった。はいはい。

 そんなこんなで、抽選会は最後までのんび~りのどかなまま幕を閉じたのだった。

 

シリーズ戦ソコソコ注目機

★64号機(34%)前節、高橋勲が優勝戦1号艇…徳増秀樹

★36号機(35%)前節、A2佐野隆仁が軽快な足で準V…吉田拡郎

★8号機(33%)2連率平凡も、3優出1Vの安定感…西山貴浩

 

 こんな程度か。今節のシリーズ戦は機の素性より、実戦で化けるエンジン・選手をできるだけ早く見極める必要がある。(photos/シギー中尾、text/畠山)