BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――シリーズ組も必見!

 賞金女王でも書いたが、決定戦組がやってくる2日目の朝というのは、なかなか残酷な空気が出来上がるものである。今日もすごいよ。カメラマンのレンズの向き方というのがもう、昨日から極端に振れている。もちろん、優勝劣敗の世界のなかでは、これも現実。泣き言を言っても始まらない。でも、なんか今日は特別すごかったなあ。賞金女王よりは明らかに、“シリーズ戦の無視され度”が違ったような気がした。賞金王決定戦というのはそれほどまでに巨大な一戦、ということも言えるか。

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 整備室を覗きこむと、決定戦組が受領したモーターの点検をしているわけだが、そのなかに赤岩善生の顔が見えた。赤岩にしてみれば、いつもの仕事をしているだけ、であろう。たまたま時間帯が、決定戦組のモーター点検と重なっただけ。だから赤岩の表情は、普段の整備中とは変わらないように見える。

 そうこうしているうちに烏野賢太が本体を外して整備室に持ち込んだ。当然、こちらも決定戦組が占拠する(?)整備室での作業ということになる。これまた、特別な意味合いがそこにあるわけではない。烏野はモーターの手応えに不満を感じ、パワーアップをはかって整備室に入ったまでだ。

 

 

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 ただ、裏読みをしてしまうとするなら、二人とも決定戦の味を知っているのである。烏野はかつては常連であったし、赤岩は賞金王出場に非常にこだわってきた。ともにしばらく実現はしていないが、だからこそ、思うところがあったりするのではないか、と考えてしまうのである。

 もちろん、二人ともどんな環境にあっても全力投球。屈辱も肌で感じながら、目の前の戦いに力を注ぐだろう。決定戦組の動向に目が向きがちなのは仕方ないが、二人の整備の成果にもしっかり注目したいと思う。

 

 

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 決定戦組が次々とモーター装着を始め、カメラのフラッシュを浴びている頃、水面は非常に賑やかだった。試運転をしている艇がかなり多かったのだ。今日は気温が上昇しているので、そのあたりの調整もあるだろうか。

 係留所では山口剛と三浦永理が話し込む。91期の同期生が、試運転を終えて足色を確認し合っているわけだ。そのうち、三浦は平山智加とも語り合い始めた。おぉ、初代と2代目の賞金女王! ま、だから何だというわけではないが、妙に新鮮な組み合わせと感じてしまったのだった。

 

 

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 それにしても昨日から引き続いて、女子選手が健闘している。三浦も4R2着だし、金田幸子も2Rで2着。ひまひまデータさんによると、女子選手でSG初出場予選突破は大島聖子(引退)だけだとか。1、2着という序盤戦を戦っている金ちゃん、2人目になれるんじゃないの? ま、本人は岡山勢に囃し立てられて、いやいやいやいやと照れ笑い&恐縮でしたが。ペコペコと頭を下げている相手は山口達也に吉田拡郎。後輩にそんなペコペコしてどうすんの!(笑)

 というわけで、シリーズ組も頑張っている! 明日からトライアルが始まるが、1~10Rも必見ですぞ!(PHOTO/中尾茂幸 黒須田 TEXT/黒須田)