意表の大まくり
ドッカーーーーーンッ!!!!
スロー勢に支配された住之江水面に、ド派手かつ特大の花火が打ちあがった。7Rの6号艇、西村拓也。枠なりのアウトコースから、内5艇を一気に叩き潰してしまった。今節、この大技がどれほどレアなサプライズまくりであることか。初日1Rからここまで全30レース。1着回数は、スローの29勝に対してダッシュ1勝。唯一ダッシュから“金星”を挙げた田中信一郎にしても、4カドからのまくり勝ちだった。
それが、遠い遠い最アウトからの一撃まくりである。私は前検から西村の伸びに注目し、「スリット同体からでも内の艇をすべて潰しきれる破壊力」などと書いたが、この7Rで西村のアタマ舟券を一枚も買わなかった。いや、買えなかった。3日間ほぼ全レース、スロー勢が勝つ光景を見続けていると、6コースからまくりきるイメージがまるで湧かなくなってしまった。実戦心理に呑まれて、気持ちが萎えていた。反省。いつでもどんな水面でも、想定外の大穴が飛び出す。それがボートレースなのだ。
それにしても、天晴れな大まくりだったぞ、拓也クン。本人は「もしかしたら、デビュー水神祭以来の6コースまくり勝ちかもぉ」とピットではしゃいでいたらしいが、この貴重な10点を無駄にすることなく予選を突破してほしい。そして、準優・優勝戦でもドカーーーンとやらかしてくれ。
振り向けば、桐生!
あれよあれよと、桐生順平が来た。3日目を終えて、予選トップ。今日も危なげないイン逃げ&目の覚めるような全速マイの追い上げで1着2着。5戦をオール2連対でクリアしてしまった。今節の桐生の道中を振り返るに、並みのA級選手なら④⑥③①④くらいの成績だったと思う。それだけ1マークで後手を踏んだことは反省材料だとしても、その恐るべき追い上げぶりは、ただひたすら驚嘆するしかない。
明日の桐生は、10R4号艇の1回走り。予選2位の田中信一郎(9R6号艇)らの結果次第でトップ勝負駆けの条件が変わるが、すっきり勝てば文句なしのトップ当選だ。1マークで決めきれないモヤモヤ気分を、予選のラストランで晴らしに行くだろう。私個人としては、ぐんぐん追い上げていくスリリングなボートチェイスも堪能したいのだが(笑)。
最後に、ずっと書き続けてきた「チーム女王」トリオは……今日も3人は苦戦を強いられ、明日の勝負駆けは3人ともに①着が必要になった。平山智加に至っては①①条件という崖っぷちだ。女子レーサーファンは、迷わずアタマ舟券だけを買い、声を涸らして応援すべし!!
☆平山智加…2R5号艇、6R4号艇/①①条件
☆三浦永理…2R3号艇/①条件。智加ちゃんとの直接対決だ!
☆金田幸子…7R3号艇/①条件。
(photos/シギー中尾、text/畠山)