大激戦だったトライアル11R。ピットに戻ってきた池田浩二は、ボートの上で疲れた表情を仲間たちに見せていた。池田のことだから、おどけて見せた部分もあっただろう。ボートから降りたあとは、コケそうになる場面も。ま、足がもつれたというよりは、何かに蹴躓いた感じではあった。
それよりも、太田和美の憮然たる表情は印象に残った。バックでは先頭に立っていたのだから、それも当然だろう。新田雄史がレース後の会見で「きたないレースになってしまったので……」とも言っており、その部分にも思うところはあったか。もちろん、百戦錬磨のレーザービームが、この敗戦を引きずるとは思えないが。
11Rを盛り上げたのは、間違いなく田村隆信である。田村が進入で激しく動いて見せたからこそ、レースはドラマチックに動いた。だが、田村自身は納得していない。勝つために動いた、のだから。
12Rの篠崎元志は、比較的サバサバしていたように思う。今年は大きなつまずきがあった。今も胸に引っかかりはあるかもしれない。そうしたなかで戦う最高峰の舞台。その初戦はひとまず、安堵できるものだっただろうか。
齊藤仁は6着。さすがに6コースは遠かったか。それでも、レース後は「いつも通り」。悔しさを胸にたたえながら、じっくりと己と向き合うのみだ。
新田雄史が1号艇を引いた! しかし、特に表情を変えることなく、新田は会場を去って行った。11Rをまだ引きずっているのか……。
さあ、枠番抽選。もっとも沸かせたのは池田浩二! また1号艇! 賞金女王の平山智加を思い出させる引きの強さ。完全に主役に躍り出たと言っていいだろう。
毎年、抽選運の悪さが話題となる松井繁。ガラポンをそーっと回すと……赤! 今年は2号艇→3号艇だ。流れは悪くなさそうだぞ……。
というわけで、今日は「トライアルの風景」としてお送りいたしました!(PHOTO/池上一摩 TEXT/黒須田)