BOAT RACE ビッグレース現場レポート

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THEピット――SG開幕!

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 オープニング1Rを快勝したのは峰竜太! 2014年SGのファーストウイナーである。

「気持ちいいですね~。嬉しいです。最終日最終レースも勝ちたいですね~」

 最終日が今節の最終日を指すのか、それとも2014年SGの最終日を指すのか。いずれにしても、その大目標に向けて幸先のいいスタート! 峰の笑顔も満開になろうというものである。

 

 

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 続く2Rを金田幸子が逃げ切った。金ちゃん、やるな~。女子王座を制した後、SG出場権を得たことを聞かされて、目を丸くして絶句した金ちゃん。昨年12月に話を聞いたときには(賞金王シリーズ前)、「私みたいなものが聖域を荒らしてしまって……」と場違い感を表明していた金ちゃん。いやいや、あなたは立派なSG戦士ですよ! 今節もどこまで暴れてくれるのか、おおいに楽しみである。

 

 

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 3Rは、桐生順平があざやかに5コースから突き抜けた。桐生らしい、豪快な一撃である。レース後の桐生は、いつも通りと言っていいのだと思うが、笑顔を見せるわけではなかった。エンジン吊りが終わると、平石和男とじっくり話し込み、そのときの目つきは実に真剣だ。勝って兜の緒を締めよ、と言うが、桐生はもともと緒を緩めたりはしないのだ。大物である。

 という具合にスタートした2014年SG戦線。まずは若い力が存在感を見せつけたかたちとなっている。三角哲男が開会式で「昭和登録が6人」と言っており、時代の流れは否応なく突きつけられている。序盤3レースでの結果もまた、それをあらわしているものと言えるかもしれない。実績組がどう巻き返してくれるのか(6Rは三角-服部幸男のワンツー!)、それも今節のみどころのひとつとなっていくだろう。

 

 

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 それにしても、SG、ですな。改めて言うことでもないが、初日朝の慌ただしいピットを見て、また空気を感じて、しみじみと今年もSGが始まったことを実感させられた。いいな~、この空気。ほんの3カ月、間隔が開いただけだが、しかし妙に感慨深いものと痛感した。森高一真にちょいと話したいことがあったので、手が空くのを待っていたのだが、7R出走だというのに、ちっとも捕まえることができない。そういう姿を見ているうちに、声をかけることも諦めようという気になるのだった。そう、それがSGの初日の朝! 森高に限らず、多くの選手が整備室やペラ室、あるいは係留所などに身を置いて、ひたすら作業を続ける。この濃密な空間は、心地よい緊張を強いられるものでもあって、やっぱりいいな~、と口をついてしまうのである。

 

 

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 そんななかで、太田和美がなんとも余裕たっぷりな風情なのである。グラチャン時を思い出す。「前検で好感触を得たので、ほぼノーハンマー(ペラを叩かない)だった。あとは乗り方を合わせるだけだった」。何もしない太田和美は、「エンジン出てる!」のサインを出しているようなものなのだ。昨日のドリーム会見でも、「調整はするつもりはないです」と笑っていた。モーターの装着、セッティングこそ入念に時間をかけて行なっているが、調整らしい調整は、コメント通りに朝の段階ではしていないのだった。評判35号機に確かな手応えを得た証し! ドリーム戦、どう考えても、もっとも怖いのは太田和美である。(PHOTO/中尾茂幸 TEXT/黒須田)