うーーん、これこれ、この雰囲気。今年のモーター抽選会も、大ベテランたちは笑顔、また笑顔。ガラポンを回す選手には見向きもせず、気心の知れた相手と思い思いに談笑している。ちょっと失礼な表現かも知れないが、「寄り合い」っていう言葉がぴったり来るんだよなぁ。老眼鏡をかけた選手も多いし。ピットでは超コワモテの?熊谷直樹もニッコニコだし。
それでも、自分が引いたエンジンがどれほどの素性か、はやはり気になるもの。私が手にしていた閻魔帳(提供『スポーツ報知』さん)を、「どれどれ~」と覗きに来た選手が何人かいた。まずは、大嶋一也。41号機の過去の操縦者名を指でなぞり、「今村豊◎◎」という欄でピタリ止まった。
「ほう」
ひとこと呟いて、ダンディは静かに笑うのだった。
ディフェンディング・チャンプの江口晃生も、にんまり笑ったひとりだ。52号機は2連率こそ29%とワースト級だが、ここ数節で出足が急上昇中。その趨勢を見て取った江口は「俺がペラを叩いて、さらに良くしてやる~!」と高らかに宣言した。この人の整備力を考えれば、ワースト→超抜の激変があってもおかしくないな。
まあ、とにもかくにも和気藹々。このほんわかムードは、「どんなに悪いモーターでも整備で変えてみせる」という自信の裏返しでもあるだろう。歴戦の猛者たちのカーニバル、開幕。ピットに立てば、この笑顔も消えるだろう。(photos/シギー中尾、text/畠山)
特注モーター(2連率、地元記者評価)
★★37号機(32%、S)…原田順一
★★36号機(49%、S)…新美進司
★11号機(40%、A)…熊谷直樹
★23号機(49%、A)…長谷川巌
★39号機(36%、A)…星野政彦
★66号機(49%、A)…川名稔
★28号機(42%、A)…渡辺千草